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2021年3月 8日 (月)

『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった。』

 フランスやフランス語圏のベルギーでは、元々「バンドデシネ」という、ストーリー漫画が存在していた。その辺が、アメリカやイギリスみたいな「コミック・ストリップ」というショート・コミックスしかなかった世界とは異なったコミックス文化を持っていたのだ。

「バンドデシネ」のアーチストと言えばエンキ・ビラルやメビウスなどが有名で、日本の大友克洋氏などもメビウスの作品には影響を受けたと自ら語っており、その大友氏の「AKIRA」が90年代半ばにフランス語翻訳版が出版されて、以降、日本のコミックスがフランスに進出したわけなんだが、実は、その切っ掛けになったのは、「マンガのフランス語版」じゃなくて「日本アニメのフランス進出」なのである。

 まさしく『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった。』っていうタイトルそのものなのだった。

Photo_20210302161001 『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった。』(エルザ・ブランツ・著/解説・鵜野孝紀/翻訳協力・Kana/日本語版製作・中井真貴子/発行・DU BOOKS/2019年12月20日刊)

『80年代から90年代にかけて日本製アニメが大量にテレビ放映されたことで、エルザのような最初のマンガ世代が生まれました。そんなアニメが大好きになった子どもたち(多くは少年でしたが)は、だんだんとアニメは原作のマンガが編集されたもので、カットされたシーンや台詞があること、また、アニメが本来のシナリオとは違う場合があることなどを知るようになります。そして、少しでもその世界を知りたいと、これまで足を運ぶことなどなかった、日本人向けの書店・紀伊国屋書店パリ店に日本語版コミック誌や単行本を除きに行くようになるのです。当時、店内に座り込む子どもたちの姿はパリ市民には衝撃的なものでした。
 そして、90年代半ば、初めてフランス語翻訳版『AKIRA』がバンド・デシネ出版大手のグレナ社より発刊。それに続き、独立系出版社トンカムらがいち早く、テレビアニメの原作もの日本マンガのフランス語版出版に着手します。その後、徐々に他のバンド・デシネ出版社も日本マンガを取り扱うようになり、2000年代に入ると、大手出版社グループがマンガの翻訳出版事業に参入。現在では小さいものも含めて30を超える出版社が日本マンガの仏語版の発売を行っています。』(鵜野孝紀氏による解説より)

 というのが、1980年頃から現在に至る、フランスにおける日本マンガの現状。

 そういえば、1988年にアニメ版『アキラ』のニューヨーク・オープン(全米初公開)に際して、大友克洋氏に渡米していただき、ニューヨークのSF系書店でサイン会を開催した時のこと。お客さんの中に、特別日本語の上手な男の子がいて、「どこで日本語習ったの?」って聞いたら、彼は「僕はアニメの『うる星やつら』のファンで、それで日本語版の『うる星やつら』を見ているうちに、日本語が喋れるようになった」というのだった。

 フランスに先駆けて、イタリアやスペインで日本アニメのTV放映が始まったというのは無理ではない。つまり、世界に冠たる文化王国フランスに比べて、経済的に遅れていたイタリアやスペインなどでは、自社(自国)で「子どもたちが見たくなる」アニメーション番組を作るほどの予算がテレビ会社になかった。で、極東の日本という国で作ったテレビアニメの翻訳・放映権を格安で仕入れて、自国語に翻訳してテレビ放送していたのである。

 その中でも人気があったのが『キャプテン翼』で、日本のマンガ原作の日本製アニメだなんて知らなかったイタリアやスペインの子どもたちの中で、「ぼくもツバサみたいになりたい!」って思って、その後、国際的に活躍するようになったサッカーのプロ選手が沢山いた、という事実がそれを証明している。

 つまり、日本の子どもたちは<マンガ→アニメ>という風に進んで行くんだけれども、アメリカやヨーロッパの子どもたちは<アニメ→マンガ→ストーリーマンガ→その一部がエッセイマンガ>っていう風に進化するんですかね。

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 このエルザ・ブランツ氏のマンガって、長編ストリーマンガじゃなくて、日本でいうところの「エッセイ・マンガ」なんですね。話はせいぜい1~2ページのショート・ストーリー。ストーリーがあるわけではなく、何となくの自分の気分を描いているマンガなんですね。

 多分、こういう種類のマンガって、欧米にはないんじゃないか? 日本にはこんなジャンルのマンガは沢山あって、大人向けの週刊誌のマンガっていえば、この種のエッセイマンガだもんなあ。

Photo_20210306165801

 そこまでフランスのマンガ文化って進んでいるのか!

 すげーな

 エッセイマンガってフランスでもあるんだ。ってことはエッセイ大国フランスでも、こんな「エッセイマンガ」が流行るのかなあ。これはすごい興味だ!

 『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった。』(エルザ・ブランツ・著/解説・鵜野孝紀/翻訳協力・Kana/日本語版製作・中井真貴子/発行・DU BOOKS/2019年12月20日刊)紙版もあるようだ。

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