大森ベルポート
JR京浜東北線の大森駅は西口と東口でまったく異なる様相を見せる駅である。
西口(山王口)の目の前はあまり広くない池上通りが走っており、その向こうには大森山王日枝神社が駅前が台地の上にあるので、駅前広場的なものは作れないような地形構造になっている。
また、池上通りとJRの線路の間には「山王小路飲食店街」という、昭和の匂いたっぷりな飲み屋街があって、なんか「大森=下町」的な香りがタップリある町なんだが、一方では大森貝塚やらジャーマン通りなんていう道があって、その先は馬込文士村なんてのがあって、なんか山の手なのか下町なのかが訳が分からなくなる街である。
一方、東口は昔は海に面した低地で、更に、その後各時代に渡って埋め立てれらた土地で、結構広々とした空間が占めている。
多分、その低地のそこここの海辺で貝を採取して、京浜東北線(東海道線)脇の少しだけ高地になっている場所に、貝塚を作ったんでしょう。
大森駅東口のスポットと言えば何といっても「キネカ大森」というちょっとユニークな映画館なんだけれども、今日はそのちょっと先にある「大森ベルポート」という複合ビルを扱う。
でも、やっぱり映画の話題。
下の写真が大森ベルポート。
「ベルポート」という名前の通り、実はこのビルはいすゞ自動車の本社ビルなのである。
『いすゞ自動車の創立50周年事業の一環として、本社と倉庫などのあった敷地に第一生命との共同事業で整備された施設群である。工事は2期に分けて行われ、1996年9月に全体が竣工した。
羽田空港が近い敷地のため、建物高さの制限によって1棟型の超高層ビルを建設することができなかった。このため、4棟のビルによる街区型の都市環境の形成を図った。
元来、業務地区として認識されていなかった大森地区にオフィスコンプレックスを成立されるには、新鮮な理念とそれに基づく魅力的な計画が必要とされたため、3棟のオフィスビルに囲まれた面積4200㎡、高さ40mにおよぶ日本最大級(当時)のアトリウムを計画した。アトリウム中心部はイベントスペースとして活用され、様々な催事が行われている。
建物は、A・B・C・E館を第一生命、D館をみずほ信託銀行が所有し、管理運営は第一生命グループの第一ビルディングが行っている。』(wikipedia)
ということで、A館にいすゞ自動車の本社が入っている。
なんで、こんなことを延々と書いているのかと言えば、実はこのビル、私との関連があるからなのだ。
実は、1992年に東宝系で公開された田原俊彦主演の映画『課長 島耕作』のロケで、島耕作が勤務する松下電産がモデルの初芝電産の本社がここにあるという設定で、島耕作の出勤風景のロケーション撮影をおこなった場所なのであります。
あ、え~と、私はこの映画のアソシエイトプロデューサーを担当していて、撮影にはほとんど立ち会っていたんですね。このビルは、当時、このビルにテナントとして入っていたNiftyからの繋がりで、撮影許可を取った。
勿論、その風景は出勤風景のみで、オフィス部分は幕張にあるMTG幕張ビルに、これまたテナントとして入っていたオフィス家具のプラスのオフィスを撮影に使わせてもらった。
いやあ、新しいビルが出来ると、すぐに映画やテレビドラマの製作班がどこから情報を入手してきて、撮影に使っちゃう競争を演じているらしいんだが、いやいや、さすがは映画屋さんたちの「蛇の道は蛇」ですな。
そういえばプラスの役員をされていた大炊御門(おおいのみかど)さんっていう、如何にも「公家さん」っていう感じの、なかなかいい人がいたんだが、今、どうしているんだろうなあ。
LEICA M-E LEITZ CANADA SUMMICRON 35mm f2 @Omori / Jan. 6 2021 ©tsunoken
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