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2020年9月 8日 (火)

落語『堀の内』

 落語「滑稽話」の外題で『堀の内』というのがある。

 本所林町の粗忽長屋に住む甚兵衛さんのお話というのが、『新編 落語の落』(東洋文庫 611)の解説で、『粗忽者』というタイトルなんだが、私が聞いた限りでは『堀の内』というタイトルで熊五郎さんが主役の噺の方が多く演じられているようだ。

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『あわて者の熊五郎は、自分のそそっかしい癖を信心で治そうというかみさんの提案で「堀の内の御祖師様」へ毎日お参りに行くことにする。しかし、そそっかしい男が行くまでの間にトラブルを引き起こさないわけもなく、自分がどこに行くのかを人に尋ねたり、落ち着こうと他人の家に勝手に上がりくつろいでから道を聞くようなトンチンカンな行動に出る。

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 そんなトラブルを起こしつつもようやく堀の内の御祖師様(おそっさま)に着いて、いよいよお参りをしようとするが、あろうことか財布ごと賽銭箱へダイブ…この件は賽銭の前払いにしてもらうとして済ませ、腹も減ったことということで今朝かかあに持たされた弁当を頂くことにするが、風呂敷と思っていたのはかかあの腰巻き、弁当だと思っていたのはマクラだということに気づき、空腹の苛立ちもあり、急いで帰宅し、かかあに怒鳴りつける…が、何故かかかあは笑っている。その理由を問うと、入るべき家を間違えて別の家のかかあに怒鳴りつけてることを教えられ、急いで謝罪を…自分のかかあにしてしまう。事の成り行きを聞いたかかあは呆れかえる。

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 気を取り直して息子の金坊と湯に行こうとするが、おんぶしようとする金坊がやけに重い…と思っていたらかかあだったという一ボケをまたかましつつも湯屋について服を脱ごうとするがなぜか店の者が嫌がる。それもそのはず、入るべき湯屋の隣の床屋に入ってしまっていたのだから…

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 そんなドッタンバッタン劇を繰り返しつつ、湯に入って金坊の背中を流そうとするが見ると入れ墨がされている…と思えば別人のヤクザだった。ここまでミスが重なると熊も息子に八つ当たり気味に苛立ってくるが、今怒ってもしょうがないのでとりあえず背中は流してやることにする。ところがいつまで洗っても金坊の背中が途切れない…と思っていると、気づくと湯屋の羽目板を洗っていたのであった。』

 という滑稽話なんだが、しかし時代は江戸時代の頃の設定なんだろう、なんせ本所林町という蔵前橋の東にある下町長屋が出発点で、そこから江戸を横断して、中野鍋屋横丁から少し行った杉並区の堀の内にある「やくよけ祖師」で有名な日蓮宗本山、日円山妙法寺のお話なのだ。

 昔の人の健脚ぶりには驚かされるのだが、まあ当時はその位の距離を一日出歩くことなんかは当たり前だったんだろう。

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 ところでその妙法寺のご利益なんだけれども、別に「そこつの癖直し」というのは入っていない。まあ、この「ご利益一覧」から見れば「諸祈願」ってところなんだろうけれども、せっかくだから「粗忽直し」ってのも入れてほしいなあ。

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 あっ、そうか。別に熊五郎さんはお祖師様に詣でても、別に粗忽は治っていないのか。

NIKON Df AF NIKKOR 28mm f2.8 @Horinouchi Suginami ©tsunoken

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