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2020年7月 9日 (木)

Self Portrait

 Self Portrait(セルフ・ポートレイト)というのは「自画像」のこと。

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 自画像といえばヴィンセント・ヴァン・ゴッホが有名で、モデルを雇えなかった極貧時代に、自らをモデルにして習作を大量に製作したことで有名だ。結局、ゴッホが生きている間に売れた絵は一枚だけだったらしいので、結局、生涯を通じて極貧の習作時代だったわけで、そんなことで大量の自画像を残すことになったということなのだろう。

Photo_20200708123001©Vincent willem van Gogh

 写真の世界で『セルフ・ポートレイト』と言えば、リー・フリードランダーが製作した、それこそ『Self Portlrait』という写真集が有名である。

Rimg00012_20200708124601©Lee Friedlander

 リー・フリードランダーは1960年代に活躍したアメリカの写真家で、ジャンルは基本的にはコンポラ写真(コンテンポラリー・フォト)といわれる写真で、街中のスナップ写真が、我々が知るリー・フリードランダーの写真のほとんどだ。なので、基本的にはモデル写真なんかは、多分、数少ないだろうし、つまりゴッホと違って、モデルを雇えなかったから代わりに自画像を撮影したわけではないだろう。だって「スナップ写真」なんだものね。

『Self Portrait』の表紙写真は多分どこかのお店のショウウィンドウに飾られた優勝カップかなにかを撮影したんだけれども、その際に自らの顔がそのカップで隠されていて、顔は見えないけれども、その外側の輪郭でもって、その写真の撮影者が分かるというものである。

 収録されている写真の多くは、太陽を背に背負った写真で、自らの影が地面や、ショウウインドウや壁などに写っているもの。ショウウインドウに自らの顔が写っているもの。更には、ホテルの部屋などで鏡に映った自らの自画像を写したもの、などが沢山収録されている。

 まあ、コンポラ写真なんで、何故、写真家がそのショットを選んだのかは誰も分からない。でも、多くの写真の中でその写真を選んだというのには、何か意味があるのかもしれない。と、まあそれを見た人は考えるわけですね。なんでなんだろう?

 ということなので、写真集にこうした写真が収録されたものを作る写真家は多いが、それはあくまでもその写真集のメインテーマではなく、まあ、写真集の中の「お遊び」みたいな感じで収録されている場合が多い。

 それをそのまま、自画像ばかりで構成して写真集を作っちゃうっていうのは、フリードランダー自身の企画なのか、あるいはどこかにキュレーターとか優れた編集者がいて、彼がそれを勧めたのかは分からないが、いずれにせよこれは一種の「禁じ手」であり、その後にそれを真似て写真集を作ってしまったら、「なんだ、フリードランダーの真似かよ」といわれてオシマイってことになるだけだ。

 自分の写真集にこうした「セルフ・ポートレイト」を収録している写真家は多いが、さすがにそれだけで構成している写真家はいない。まあ、「先にやっちゃった方の勝ち」ってなもんでしょうな。

L10007142

 一番上と下の写真は言うまでもなく、私のセルフ・ポートレイトでありまして、上の写真はマンションのエレベーターの中、下の写真はエントランスで、それぞれ鏡に映った私の姿を撮っているだけなんだけれども、これは単なる手すさび。

 まあ、カメラがちゃんと動くかどうかのテストっていう側面もあるんだけれどもね。従って、フィルムカメラではやっても意味はないのだけれども、デジタルだからこそのカメラチェックなのであります。つまり、本来は外には見せない写真なのであります。

 そこを堂々と写真集にしちゃうっていうリー・フリードランダーって、やっぱり「エライ」写真家なんでありますね。

『Lee Friedlander : Self Portrait』(Lee Friedlander/The Museum of Modan Art/2005)

LEICA M-E TTArtisan 21mm f1.5 ASPH @Hon Komagome ©tsunoken

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