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2020年6月16日 (火)

『僕とライカ』

 木村伊兵衛氏に関しては様々な書籍が出ていて、我々にとっては日本のアンリ・カルティエ=ブレッソンとも言うべき木村氏の資料的な写真資料には事困らない状況になっている。

 ちくま文庫の『木村伊兵衛 昭和を写す』五部作であり、『木村伊兵衛の眼 スナップショットはこう撮れ!』(平凡社)であり、『木村伊兵衛のパリ』(朝日新聞出版)などである。

 私なんかは「木村伊兵衛」という文字を見ると、ついポチッとしてしまう習性があって、実はこの文庫本を読み始めてから「あれ? この本、前に読んだことがあるぞ」と思って書棚をみたら、ちゃんとこの文庫本の親本があったっていうテイタラク。

 アマゾンでポチッとする前には、必ず書棚をチェックしよう。

Photo_20200611194501『僕とライカ』(木村伊兵衛・著/朝日文庫/2019年3月30日刊)

『僕とライカ 木村伊兵衛 傑作選+エッセイ』というだけあって、傑作選では57店の木村伊兵衛写真集になっていて、まあ、取り敢えずこの写真を見て木村伊兵衛氏の写真に興味を持ったら、次にはちくま文庫版を読んでくださいという導入になる。

Photo_20200611201001『西片町附近』という、超有名な木村伊兵衛氏のスナップ写真©Ihei Kimura

Photo_20200611201002今や全国的に有名な『秋田おばこ』©Ihei Kimura

 まあ、そういうことです。まあ、たいていの木村伊兵衛氏の本は読んでいるはずなんで、この本だって読んでないわけではないんだが、やっぱり見落としをしていたっていうことなんですね。でも、せっかく買ったんで悔しいのでもう一度読んだわけです。以前読んだ時とどんな違う感想が出てくるのか? 出てこないのか?

 まあ、プロのカメラマンっていうのはこういう存在なのか、っていうエピソードから

『僕の写真家としての生活も、もう相当長いことになる。その間に使ってみたカメラやレンズの種類は数知れない。しかし肖像写真や芸術写真を別として、速写を主とする報道写真風のものを作るのに使ったカメラだけを挙げてみても、グラフレックス(手札)、パルモス(9x12〔センチ〕)、コリブリ(3x4〔センチ〕)、メントール・ドライフィア(3x4〔センチ〕)、ローライフレックス(6x6〔センチ〕)、同じく(4x4〔センチ〕)、ライカ(A型、C型、D〔Ⅱ〕型、Ⅲ型)等がある。現在では殆どライカⅢ型ばかりを使っている。』

 でも、やっぱり木村伊兵衛氏と言えばライカM3だよな。

『もしだれかが私にM3の特徴はと聞いたとしたら「実ながら撮影できることだ」と答えるのが一番適当だと思っているほどである。この一年を通じて充実されたM3の機構がやっとわかってきた。それは個々に分析することなく撮影時に総合されて有利に働く性能を、認識することができたとも考えられる。ここにおいて初めて見ながら撮影する意義がはっきりしてくるのである。
 この機械の一番すぐれた点といえば、まず輝線測距ファインダーをあげなければならない。これは視野の大きな透視ファインダーで左右正像がほぼ自然大に示されている。つまり実物大に近いものがみえる(実際は0.93倍くらいに縮小されている)。その中に鏡で反射された光った画面のワクが浮かんでみえ(50ミリ要)、画面が暗い場合でも非常に明るく鮮明にみえる。』

 まさしくライカM3の評価としては正鵠を得た表現であろう。残念ながら同じライカでもM2以降のカメラのファインダーについてはどんな評価を下すんだろうかという思いは果たせなかったのであるが、まあ、多分少し辛口な評価を下すんだろうなあ。要はM2以降のライカはファインダー系統が若干設計をやり直して、M3に比べると少し(ホンの少しだけだけれども)見づらくなってきている。

 ましてや、それがデジタル・ライカになってしまったらねえ、もう「こんなものライカじゃねえや」って木村師匠は言いそうだなあ。

 『僕とライカ』(木村伊兵衛・著/朝日文庫/2019年3月30日刊)

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