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2020年6月20日 (土)

追悼、アサヒカメラ終刊号

『アサヒカメラ』が今年の7月号で休刊になるそうだ。

「休刊」っていうのは商標登録の関係で、「廃刊」とか「終刊」とか言っちゃうと、その出版社はそのネーミングの権利を放棄したとみなされて、他の会社が同じ名前の雑誌を出せちゃうということになって、例えば朝日新聞出版じゃない出版社が、いずれどこかで、例えば『アサヒカメラ』とか『アサヒカメラ別冊』『アサヒカメラ別巻』なんて言う名前の単行本(あるいは雑誌・ムック)を出そうとした場合に、その『アサヒカメラ』という商標を使う権利がどっちの会社にあるんだろうか、ってなことで抗争がおこる可能性があるので、取り敢えず「休刊」とするっていうこと。

 まあ、実際にこれで『アサヒカメラ』という名前の雑誌は終わりになるということではありますね。

Photo_20200619105501『アサヒカメラ 2020年7月号』(朝日新聞出版)

 19ページに「休刊のお知らせ」というタイトルのご挨拶が掲載されている。

     休刊のお知らせ

「アサヒカメラ」は、この2020年7月号をもって休刊いたします。
 1926(大正15)年4月の創刊以来、長きにわたり、
ご愛読、ご協力くださったみなさまに、心から、お詫びとお礼を申し上げます。

 日本の写真文化とその土壌を未来へ繋ぎたいとの思い、
 そして、カメラそのものが持つ魅力と撮影の楽しさを多くの方に伝えたいとの思いから、
これまで力を尽くしてまいりましたが、通巻1125号となる今号をもって、
残念ながら歴史を閉じることになりました。

<中略>

 94年間、「アサヒカメラ」を愛してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

     アサヒカメラ編集部

 以前は「写真雑誌」というと、この「アサヒカメラ」と「日本カメラ」、それに「カメラ毎日」という三大誌があって、例えば一番正統的なのが「アサヒカメラ」、マニアックな「日本カメラ」、山岸章二という特異な編集長がいて、森山大道などを発掘していわゆるコンポラ写真というものの存在を日本に知らしめた「カメラ毎日」という三者の立ち位置だった。その他、一時期は新聞社系の出版社が各社競って「写真雑誌」というものを出版していたんだが、最後まで残ったのがこの3誌。

 そのうち、「カメラ毎日」は毎日新聞の経営悪化も関係して10年以上前に姿を消して、いよいよ「アサヒカメラ」もおしまい。残されたのは「日本カメラ」だけということになったんだが、果たして「日本カメラ」はいつまで持つんだろうか。

 この3誌に引き継いで「写真時代」みたいな、ちょっとエロ系・マイナー系の出版社から出された写真雑誌が生まれたが、「写真時代」が荒木経惟を売り出したくらいで、エロ系・マイナー系の写真雑誌ブームは終わり、次に来たのが「フォーカス」「フライデー」などのいわゆる「写真誌」ブーム。この「写真誌ブーム」から宮島茂樹みたいな突撃型カメラマンなんかが輩出されてきた。

 このころから「アサヒカメラ」「日本カメラ」は「写真雑誌」ではなく「カメラ雑誌」という呼ばれ方をするようになった。つまり「フォーカス」「フライデー」は「写ったネタ」が重要なので、その写真をどんな機材で撮影したのかは関係ない、ので「写真雑誌」。一方「カメラ雑誌」は、ますますマニアックに「カメラ」や「レンズ」そのものに目を向けるようになって、どんどん、現実から離れてきたような気がする。カメラ雑誌であっても、先頭にあるフォトグラファーによる特集ページには、それなりにその時代に即した写真が並んでいたんだが、だんだんそれも薄れてきて、現実から遊離するような傾向になってきていたのであります。

 まあ、「カメラ毎日」がなくなってしまったのは、もう随分前のことなんだけれども、それはそれで残念ではあるのだが、『実に残念なことなんだが、「アサヒカメラ」がなくなったことは、あまり残念なことではない』って、えっ? 何を言っているんだ? 俺は。

 う~ん、要は「アサヒカメラ」って、あまりにも正統的で、読んでいてあまり面白くなかったんですね。それに比べて、「日本カメラ」の方が少しマニアックで面白かったり、「カメラホリック」みたいなライカばっかり追いかけているムックが出ていたりして、その他、デジタルカメラが普通になって、それらを含めたかなり広くてそれぞれの読者の好みに合わせたカメラ雑誌は、以前に比べるとかなり数多く出ているわけで、まあ、そういう状況の中で「アサヒカメラ」も淘汰される方に属してしまったって言うことなんでしょうね。

 まあ、時代の変化に朝日新聞社と朝日新聞出版が付いて行けなかったって言うこと、というか「写真」っていうものが、写真家だけがそれを公開できる特権的なものではなくなってしまって、どこの誰でも、自分が写した写真を、ネットやその他の方法で誰でも公開できる時代になってしまっている以上、最早、ジャーナリズム性では「ネット」にその座を明け渡してしまった写真雑誌としては、もはや写真メディアとしての存立基盤もなくなってしまった……、というのが、その墓名碑に刻みつける言葉でしかなかったということなのだろう。

 合掌

  

『アサヒカメラ 2020年7月号』(朝日新聞出版)

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