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自転車・映画

2010年4月 4日 (日)

高崎で自転車映画を?

Img002_2

Leica M6+Summicron 35mm (c)tsunoken

 何故か高崎市で自転車映画を観てきた。世界のシマノの本拠地である堺とか、ジャパンカップの宇都宮とかいうのなら分からないでもないが、何故高崎? というところである。まあ、高崎映画祭の関係者に自転車好きの人がいて、それで・・・というところなのだろうか。いずれにせよ、あまり見られない映画がまとめて観られるのだから、いいか。

 ということで、高崎映画祭を現在開催中なのだが、その中で「知られざるサイクルロードレースの魅力」という特集上映があり、その3プログラム5作品を、今日観てきたところだ。

 高崎映画祭そのものは4月11日まで開催しているので、気になる方は公式サイトまで。

 1プログラム目の1作品目は『行け、ラペビー! Vas-y Lapebie!』(ニコラ・フィリベール監督/1988年/フランス)という、1937年ツール・ド・フランスで優勝したロジェ・ラペビーについてのドキュメンタリーである。1988年77歳になってもまだ1日5時間以上自転車に乗り週300kmを走るというラペビーの自転車姿や、1988年のツール・ド・フランスに自ら自動車を運転して参加し、旧友に会ったり、現役の自転車選手から未だに尊敬されている姿をルポルタージュしたもの。ラペビー自身は1996年に残念ながら死去しているが、さすがに自転車王国フランスならではの元自転車選手への遇し方がよく見える。

 1プログラム目の2作品目はご存知『茄子 アンダルシアの夏』(黒田硫黄原作/高坂希太郎監督/2003年)のアニメ作品である。まったく原作に忠実に作っているこの映画、私自身、製作当時、講談社のライセンス部門にいた関係から、自転車漫画のアニメ化はうれしいのだが、さてそんな映画が当たるのか、おまけにどう考えても長編作品にならない内容の話なのである。実際にアニメも40分位の作品になってしまい、果たして興行が成り立つのか心配をしていたのだ。まあ、第二作のジャパンカップを扱った『茄子 スーツケースを持った渡り鳥』が製作されたということは、DVD等の展開も含めて、少なくとも第一作目が損はしなかったということだろうから、ご同慶の至りである。ちなみに、『茄子 アンダルシアの夏』は当時宮崎駿の作画監督をしていた高坂氏に、高坂氏が自転車マニアなのを知っていた宮崎がそそのかして企画させたという噂がある。多分、本当だろう。意地悪な宮崎らしいエピソードである。だって、そそのかすだけして、本人はまったく製作に協力しなかったんだからね。

 2プログラム目の1作品目は『ベルヴィル・ランデブー Les Triplettes de Belleville』(シルヴァン・ショメ監督/2002年/フランス=ベルギー=カナダ合作)というアニメ作品。最初は大友克洋の描くデフォルメされた子供のようなシャンピオンという両親をなくした子が主人公かと思ったら、その子が自転車に興味を持ていることを知ったおばあちゃんが自転車を与え、星一徹もかくやというスパルタ教育の結果、シャンピオンはツール・ド・フランスに出場できるほどの自転車選手になる。このシャンピオンの体型って、自転車選手を尊敬しえいるのか、あるいはバカにしているのか、ただし、時代設定はかなり古く設定されていて、まだ個人出場で運営されていた頃のツールのようである。というところで、お話は自転車話から外れてきて、要はおばあちゃんが主人公だったんだというのが分かるのである。ツールのレースの最後を走る「回収車(のニセモノ、本物にはおばあちゃんが乗っている)」に収容されるシャンピオンはどうもニューヨーク臭いベルヴィルという町に連れられてきて、賭けの対象になる固定自転車競走の選手にされる。それを追いかけてきたおばあちゃんは、いまや年をとって落ちぶれた三人組の歌手グループ(それがTriplettes)と一緒にシャンピオンを助け出す、というお話。

 実は、この作品、まったく台詞はなく効果音とか音楽とか、どうでもよい周囲の台詞とかはあるのだが、観客はストーリーのすべては「映像」だけからのみで知らされるのだ。台詞と言えそうなのは、犬が列車が来るときに吠える「ワンワン(英語ではVOW VOW、フランスでは知らん)、まさに「映画は映像だ」というそのままの作りであり、演出そのものは「幼稚」を思わせるのだが、それがストーリーを知らせるためのギミックであるとは、この監督はなかなかの才能だ。もともと、バンド・デシネというフランス風の漫画を描いていた人らしく、映像で見せる方法を知っているということなのだろう。

 で、最後に一言。「新大陸のベルヴィル」なので行きは「船」で行った。が、帰りはなんで「自転車」なの? という大疑問に行きあたるのです。まあ、こういうご都合主義はアニメではたまにはあることなので、あんまり追及するつもりはないですけどね。ちなみに、この映画、アカダミー賞のオリジナル主題歌賞と長編アニメーション賞にノミネートされている。さすがに、アカデミー会員も目配りはすごいですね。

 で、2プログラム目の2作目がすごい。『ツール・ド・フランス万歳! Vive le tour!』(1962年/フランス)という、これまた短編ドキュメンタリー作品なのだが、なんと監督があのルイ・マルなのである。・・・が、残念ながら本日の一番凡庸な作品がこの作品でもあった。まあ、62年作品であることから考えると、当時ブイブイ言わせていたヌーベルバーグ監督のルイ・マルが「ツールだしな、まあ一丁作ってやるか」ってなもんで、やっつけで作ったんでしょう。そんな感じがプンプン臭う作品である。取り敢えずツールの「おもてっつら」を一通り撮って作りました、という感じのヌーベルバーグなりの変わった見方というものを感じさせない作品ではありました。

 そんな、「おもてっつら」の作品に比べると最後の3プログラム目の『マイヨ・ジョーヌへの挑戦 ツール・ド・フランス100周年記念大会』(ペペ・ダンカート監督/2004年/ドイツ)は面白かった。同じドイツのビデオ撮影で作られたドキュメンタリー『OVER COMING』がCSCというオランダのチームを取り上げていたのに比べて、まさにドイツのドイツのための、でもドイツ人以外の人もいる「チーム・テレコム」の2003年のツールの戦いを、エリック・ツァベルを中心に描いた作品である。この年、ドイツの星、ヤン・ウルリヒはテレコムに戻らず、ビアンキで戦う。ドーピングの問題とかいろいろあって、戻れなかったのだが、本当はこの年にウルリヒがテレコムに戻っていたら、ランス・アームストロングのこの年の優勝はなかったろうと言われている。まあ、歴史に「レバ」とか「タラ」とかはいないというのがこの世の常識なのだから、まあ、それは言わないでおこう。

 でも、ツァベル他、ヴィノクロフやいろいろのテレコム選手、マッサー、監督など、多くのインタビューを行っていて、出来ればそのラッシュを観たい。・・・という気にさせるドキュメタリーもそうそう多くはないんだけどね。

 ただし、一言だけ付け加えると、こうしたドキュメンタリーは現在ビデオで撮影・製作されることが多く、この作品もそうである。勿論、制作費の問題もあるだろうし、あらかじめ撮影時間を設定できないドキュメンタリーの場合、どうしてもビデオで撮影するほうが合理的である、ということになるのはよく理解している。しかし、やはり「映画」として上映される場合は「フィルム」で撮影して欲しい。ビデオ画面で見たり、ビデオ上映ですって案内されている状況の中ならば別だが、フィルム・スクリーンとの親和性を考えるとやはりね・・・。

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