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文化・芸術

2017年4月 4日 (火)

『粗忽者』『堀の内』

 落語の外題に「粗忽者」とか「堀の内」などと言ったタイトルの滑稽話がある。

 本所林町の粗忽長屋に甚兵衛という粗忽者がいて、始終失敗をしているというお話。堀の内のお祖師様へ粗忽を直すお願いでお参りに行くといって、風呂敷包みに弁当を包んだつもりが、女房の腰巻きに箱枕を包んできてしまい、家に帰って腰巻きの件を言うと、「自分で包んで行ったのでしょ、それより着ける物が無くて、スウスウして困った」と逆に言われてしまった、というオチの噺。

 場合によっては、その後で息子を風呂屋に連れて行って、またまた失敗するという話が続いたりするんだけれども、私はそこまで行かない、上のオチの方が好きだ。

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『「この道真っ直ぐ行って鍋屋横丁を左に曲がるとお祖師様に出る」と教えられるが、何回も同じ事を聞きながらやっと着いた』

 という鍋屋横丁が上の写真。まあ、落語の世界はずっと昔なので青梅街道ももっと狭かったんだと思うけれども。

 左へ曲がると、こんなクネクネした「如何にも昔の道です」ってな感じの道になり。

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 途中、帝釈天を過ぎると、「和田帝釈天通り」という商店街になり……

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 環七を越えると妙法寺参道に至る。まあ、昔は環七なんてなかったので、和田帝釈天通りから直接参道に入ったんだろう。

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 で「やくよけ祖師 妙法寺」という看板にいろいろこのお寺でかなえてくれる祈願などが書いてあるんだが「粗忽直し」なんてのはない。まあ、一番左に書いてある「諸祈願」が多分それにあたるんだろう。

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 で、こちらが妙法寺祖師堂。本堂は別にあるのだが、なんかこちらの祖師堂の方が本堂みたいに見える。

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 で、この境内で弁当を開こうとしたら、女房の腰巻に箱枕が出てきたわけですね。

『新編 落語の落(さげ) Ⅰ・Ⅱ』(海賀変哲著/小出昌洋編/東洋文庫)

NIKON Df AF Nikkor 35mm f2 D @Myouhouji Temple Suginami ©tsunoken

2017年2月20日 (月)

「梵天」と書いて「ぼんでん」と読む

「梵天」と書いて、秋田地方では「ぼんでん」と読む。

「梵天」とは、本来『古代インドのバラモン教の主たる神の1つであるブラフマーが仏教に取り入れられたものである。ブラフマーは、古代インドにおいて万物の根源とされた「ブラフマン」を神格化したものである』と言うものなのだが、秋田の「ぼんでん」は、江戸の火消しが使う「まとい」の大きなもののようだ。

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 で、その「まとい」の上に、更に大きな飾りを付けている。

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 こうした大きな頭飾りをつけた梵天34本と、小学生が作った小若梵天12本が横手市役所前を出発し、横手市内の旭岡山神社まで行進して奉納するのが「横手ぼんでん祭り」である。

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 こうした「ぼんでん祭り」は秋田県内のいくつかの都市で行われているようだが、横手市の「ぼんでん祭り」が一番盛大に行われているようだ。

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「ぼんでん」は一人で担ぐのだが、1本30kg位あるそうで、当然交代で担ぐことになる。で、最後は旭岡山神社の参道を行くのだが、こんな山道でおまけに雪が覆っている参道を「ぼんでん」を担いで上がるのは大変なことである。

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 もともと、横手の「かまくら祭り」も「ぼんでん祭り」も旧暦の小正月の行事で、この祭りが済むと春が来るということだったんだが、新暦になってしまって少し時期が早くなってしまった。で、昭和27年からは毎年2月17日に開催(昭和34年から前日の2月16日に「ぼんでん」の頭飾りを競う「ぼんでんコンクール」を開催)されることになった。

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 なので、この「ぼんでん祭り」が終われば春になるはずなんだけれども、まだまだ秋田の春は遅くなりそうだ。

「ぼんでん祭り」を知ったのは木村伊兵衛氏の写真集からなのだったんだが、いやあ秋田じゅう、木村伊兵衛氏の「秋田美人」の写真ばっかりだっていうのは知らなかったなあ。

『木村伊兵衛 昭和を写す 4秋田の民俗』(木村伊兵衛著・田沼武能編/ちくま文庫/1995年7月24日刊)

NIKON Df AF-S NIKKOR 50mm f1.8 G & AF NIKKOR 35mm f2 D @Yokote Akita ©tsunoken

2016年7月21日 (木)

アジア文化会館とアジア学生文化協会

 我が家のそばに文京グリーンコートという大きなオフィスビルやUR賃貸住宅の建物などがあるんだけれども、その裏にあるのがアジア文化会館という建物だ。

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 アジア文化会館の主な仕事はアジアから日本へ来ている留学生のための宿舎なんだが、それを運営しているのが公益財団法人アジア学生文化協会という組織。

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 アジア学生文化協会の主な仕事はアジア文化会館のような留学生宿舎の運営や、ABK COLLEGEという日本語学校の運営だ。

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 ABK COLLEGEでは日本語、繁体字、タイ語、英語、簡体字、ベトナム語、韓国語、インドネシア語などアジア各国の言語に対応した日本語教育を行っており、そんな関係もあり、我が家の近所の通りにはヒジャブを被ったイスラム教の女性から、タイのお坊さんのような黄衣を着て一年中サンダルの人なんかまで歩いている。

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 ここABK COLLEGEの卒業生であり宿舎にいる人は東大大学院から主に東京に近い各大学に通っている人が多いようだ。

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「日本語教育能力検定試験」っていうのがあるようですね。

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 このアジア文化会館の面白いところは「日本語ボランティア」というのを募集しているところ。つまりアジアからの留学生に日本語で日本のいろいろなことを教えるっていう仕事。つまり彼らは大学を卒業したら一部の日本企業に就職する人を除けば、自分の国に帰るんだろうから、アジアのいろいろな国にあなたの友達ができるってことなんだなあ。結構、それってワクワクしませんか?

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 もうひとつ、毎年秋には「ABK秋祭り」っていうのがあって、アジアのいろいろな国の食べ物や、歌、踊りが披露されているんだ。

 なかなか、面白いですよ。アジア学生文化協会のサイトを見ると、いろいろな案内が出ているので、一度チェックをお勧めします。

NIKON DF AF NIKKOR 28mm f1:2.8 @Hon Komagome Bunkyo (c)tsunoken

2016年5月16日 (月)

今年は浅草神社で三社祭

 今年は神田祭は陰祭と言って神輿の渡御なんかはないようなので、昨日は三社祭に行ってきた。まあ、いつも観光客でいっぱいの浅草だしなあ、って思いはある。

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 普段でも観光客でいっぱいの浅草である。

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 人波に押されるように伝法院通りの方まで行くと、お囃子が聞こえてきて、神輿がやってくる。

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 そのまま雷門まで来てみれば、神輿が三つで喧嘩状態になっている。

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 さらに馬道方面へ行ってみると、こちらもお囃子が聞こえてきて……

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 おお、家の菩提寺がある花川戸の神輿じゃないか。

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 それにしても、最近は女性の担ぎ手が多いなあ。

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 なんてことを考えながら地下鉄に乗って神田明神まで行ってみた。

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 祭はやっていなくて、「那須野原疎水太鼓」というのと「神田明神将門太鼓」というのが奉納されていた。まあ、それもお祭りこれもお祭りってことですね。

NIKON Df AF-S NIKKOR 50mm f1:1.8 @Asakusa, Taito, Kanda, Chiyoda (c)tsnoken

2016年1月 3日 (日)

六義園、今日の演目は「獅子舞と貫井囃子」

 お正月は昨日からオープンした六義園。

 出し物は北千住の氷川神社で普段は披露される神田囃子千四会という保存会による「神田囃子と寿獅子」でした。

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 まずは神田囃子の名調子から始まって……。

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 寿獅子は大黒様の舞の後……。

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 獅子舞が始まります。

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 獅子は踊ったり、遊んだりしているうちに……。

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 疲れて寝てしまいます。

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 そこにひょっとこ登場。

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 よせばいいのに「眠れる獅子」にちょっかいを出すもんだから……。

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 獅子が怒ってひょっとこを追い出してしまいます。

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 で、その後は獅子が見物していた子供たちの頭を噛んでくれます。頭を噛まれた子供たちは、今年は一年間無病息災とか。

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 「あけまして おめでとうございます」

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 となって、最後は「お手を拝借」で「しゃんしゃんしゃん しゃんしゃんしゃん しゃんしゃんしゃん しゃっ」と一本締めで演目終了です。

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 なお、1月3日は午前10時半と午後1時半の2回、目黒流貫井囃子保存会による「獅子舞と貫井囃子」です。

 皆さま、お出かけを……。

NIKON Df AF NIKKOR 24-85mm f/2.8-4 D @Rikugien (c)tsunoken

2015年11月 5日 (木)

花畑大鷲神社の一の酉

 昨年の11月29日のブログに書いたように、昨日の一の酉は花畑大鷲神社に行ってきた。

 つくばエキスプレスを六町駅で降りて、バスで行こうかなと思ったら、次のバスまで30分以上待たなければならない。なら、まあいいやということで徒歩で向かい、およそ40分程で花畑大鷲神社へ。

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 一の鳥居をくぐり……

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 二の鳥居をくぐり……

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 古い熊手を収めたら……

 本殿へ拝殿します。

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 拝殿の後は社務所に行って、熊手を頂く(買う)わけですね。

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 それにしても、この花畑大鷲神社って結構大きいんですね。

「この神社の創建年代等については不詳であるが、言い伝えによれば平安時代後期の武将源義光が、後三年の役のおり、兄の源義家を助けるため東北地方へ向かう途中この地で見かけた鷲のおかけで戦いに勝つことができたことから、その後その鷲を祀ったのがこの神社であるという。古くは鷲明神と称されていたが、明治以降鷲神社と改められ、のち大鷲神社を正式名称とした」

 というのがこの神社の由来。

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 元々、この神社の門前市が今、全国で行われている「お酉さま」の元になったそうで、「浅草鳥越の大鷲神社の酉の市が有名になったのは江戸後期から。それ以前は「お酉さま」といえば、ここ花畑大鷲神社のお酉様なのでありました」とは昨年11月29日のブログにも書いた通り。

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 三の酉まである年は火事が多いから、というわけではないだろうが、東京消防庁の人が巡視に来ていた。

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 帰りこそはバスで、と思ってバス停まで行ったら、なんと次のバスまで3時間ちょっと待たなければならない。う~ん、ここはやむなく、と花畑団地まで行って、「毎度、ご乗車ありがとうございま~~~ん。しゅうて~~~ん。竹ノ塚駅東口でぇ~~~ん」っていう、なんかユーモラスな案内をする運転手の東武バスで帰ってきた。

NIKON Df + AF NIKKOR 24-85mm f/2.4-4D IF @Hanahata OtoiJinja Shrine (c)tsunoken

今日は一の酉・準備編

 今日は一の酉。

 ジジイになると「お酉さま」の声を聞くと、「おお、今年もそんな時期になったのか」と、そろそろ年の瀬という感覚になってくる。師走を迎える準備をするってわけですな。

 けっしてハローウィーーーンじゃないんだよね。

 ということで、昨日は近所で毎年行っている、巣鴨大鳥神社へお酉さまの準備の様子を見に行った。

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 今年は11月5日、17日、29日と「三の酉」まである年なんだ。

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『「三の酉」まである年は火事が多いとの俗説がある。そのため、三の酉がある年には平年にもまして、歳末にかけて、社会一般で火の用心が心がけられ、熊手商の多くは縁起熊手に「火の用心」のシールを貼って売りだす。なお、三の酉は、およそ一年おきにあるため、さほど珍しいわけではない。
 また、浅草の鷲神社・酉の寺 長國寺では、吉原が近かった為、酉の市にかこつけて旦那衆が家を空け吉原 (東京都)に遊びに行くのを防ぐために、家の女房が三の酉は火事が多いと言ったとの説もある』

 とWikipediaにはある。

 まあ、確かに「十二支」と「十二カ月」の関連なんだから、ほぼ一年おきに「三の酉」がある十一月は必ずやってくるわけですね。

 私は親から、「三の酉まである年は冬が寒い。冬が寒いと火を使うことがおおくなる。火を使うことが多くなれば、火事も多くなる」と言われていたんだが、う~ん、後半の「吉原説」に説得力がありそうだな。

 まあ、別に二の酉までの年だって火事は起こる訳で、別に三の酉の年だけ火事に気をつけるってことはないんだけれども、何となく「三の酉まである年は火事が多い」って言われると火事に気をつけなくちゃな、という気分になるだけでもいいってことでしょうかね。

 まあ、火の用心、火の要鎮……。

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 で、まだ閑散として大鳥神社だけが祭りの準備で忙しいというところだが、今日の午後にはこの「大鳥神社商店街」もテキヤの屋台や商店の出店なんかで埋まってしまい、屋台で食事をする人、酒を飲む人、酔っぱらって歩き回る大人や、走り回る子供たちで一杯になる。

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 じゃあ、今日は巣鴨の大鳥神社で熊手を買ってくるのか、と言えば今年はそんなところには行かないのです。別の大鷲神社なのです。ハッ、ハッ、ハー。

 なぜそうなのか気になる方は、昨年の11月29日のブログを読んでください。

 って、バレバレやんけ。

RICHO GRDⅢ @Sugamo (c)tsunoken

2015年11月 4日 (水)

山古志牛の角突きは昨日で今年の千秋楽

 さあ、今年も最後の「牛の角突き」の日がやってきた。毎年、11月3日は山古志牛の角突きの千秋楽。今年は小千谷の千秋楽が11月1日だったので、どちらにしようかなと考えたんだけれども、11月1日にはXリーグのアメフトがあったので、結局、11月3日の山古志になったっていうわけです。

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 こんなブナ林の中の闘牛場です……。アレ? 突然カラーになってしまっているなあ。まあ、気にしない、気にしない。

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 んで、こんな「やまこし和牛」の串焼きを食べながら闘牛を見るわけですな。まあ、味はおいしけれども、ちょっと微妙な心境。勿論、闘牛で闘っている牛の肉ではないですよ。

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「山古志・牛の角突きブログ(http://tsunotsuki.main.jp/)」のブログ主にして、勢子長も務める「あっちゃん」の正体は長岡市役所のお役人。相変わらずの名調子で試合を解説してくれます。

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 取り組みは三歳から五歳までの「若牛場所」三番から始まって……

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 十四歳の角蔵号(本日の最高齢は錣山の十五歳)などの横綱戦まで16番。

 勢子もぬかるんだ土俵の上で転んだり、滑ったり。

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 で、これが十五番の新宅対杏介の取組み。

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 で、結びの一番が岩手の柿之花ゴールド対堀之内の陽都大王の熱戦です。

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 いやあ堪能したなあ。

 特にこの時期の牛たちは、夏の頃とは違って動きがイイ。そのいい動きでもって十分に戦うんで、その分勢子の怪我なんてのもあったりするんだけれども、それだけ寒くなってくると、牛の動きはよくなってくるんだ。

 とは言うものの、これから先、山古志は雪に埋もれてしまう。来年の五月までは、闘牛ともお別れだ。

 来年は5月3日小千谷闘牛、5月4・5日山古志闘牛で再開される。

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 あっ、11月8日は長岡市長選挙ですよ。長岡の人、皆投票に行ってね。ったって、このブログを読んでくれる長岡市民はいないか。

 せいぜい、上の「あっちゃん」くらいですかね。

NIKON Df + AF NIKKOR 80-200mm f/2.8 ED @Yamakoshi Nagaoka (c)tsunoken

2015年9月12日 (土)

祭りの準備

『祭りの準備』といえば、1975年のATG作品で黒木和雄の映画だ。四万十市を舞台にした脚本家中島丈博の自伝的作品として知られている。

 なあんてこととは何の関係もなく、今日・明日は駒込天祖神社の祭礼だ。

 要は「祭りの準備」というブログ・タイトルを思い付いた時点で、そういえばそんなタイトルの映画が昔あったな、ということで。

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 なので昨日はその準備で大童。

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 駒込天祖神社のお祭り自体は特別大きなお祭りではなくて、ごく普通のお祭りなんだが……

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 十四町会あるうちの「神明町会」が、もともとは駒込三業地があった場所の町会なので、一番賑やかで神輿も派手だし、担ぎ手も一番多い。今のマンションに引っ越してくる前はこの神明町会に属していたので、この派手なお祭りを目の当たりにしていた。

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「宮元町会」が駒込天祖神社のお膝元なので一番威張ってはいますが、神明町会の規模の大きさにはかなわないんですね。

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 私自身は町会としては大和郷会に属しているんだが、ここはお祭りには参加していないので、お祭りの際には(我がマンションとしては)上富士町会に参加しています。

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 ということで、今日はマンション管理組合理事長として、午前9時半の子どもみこし、山車宮拝からのお付き合いです。

 今日も明日も結構忙しいですゾ。

NIKON Df + AF NIKKOR 24-85mm f/2.4-4 D IF @Hon Komagome Bunkyo (c)tsunoken

2015年8月 1日 (土)

『こんにちは、母さん』というお芝居

 久しぶりに芝居を観た。

 もう数十年ぶりかもししれない。

Photo 『こんにちは、母さん』(作:永井愛/演出:杉本孝司/出演:三浦てるみ、飯塚弘貴、野澤遵宜 ほか)

 なんで芝居を観る気になったのかというと、K談社で私の元上司だった人が、定年後CMタレントになったという話を聞いて、「へぇ~、変わった人がいるもんだなあ」と思っていた。その方とつい先日お会いした際にいろいろ聞いてみたんだが、なんでも明治座が主宰する俳優養成所に入り、そこを卒業したのち明治座系の事務所に登録となって、CMなどに出るようになったという。

 で、「最近、芝居をやります」というので、昨日、見てきたのがこの芝居、という次第。

 もともとは、2001年に新国立劇場で上演された劇作家・永井愛のオリジナル作品で、第一回朝日舞台芸術賞、第九回読売演劇大賞最優秀作品賞をそれぞれ受賞した作品。NHKでドラマ化もされている。永井愛は私と同年代の劇作家で演出家。

 最初の新国立劇場のパンフレットでは……

には恋人が来た。息子にはリストラが来た。
       人はそれぞれの「記憶」を背負って「今」を生きています。相手を知るということは、その人が持つさまざまな「記憶」を知るということなのかもしれません。しかし母の「記憶」を実は息子が知らなかったりというように、身近な人の記憶にはかえって触れぬままでいることが多いようです。

「私の母は本当はどんな人間なのだろうか?」東京の下町を舞台に、母と息子と母の恋人の三人が、それぞれ独自の記憶と時代を背負った人間として初めて対峙し、互いに再発見していく物語を人気劇作家・永井愛が笑いと涙満載に描きます。

 作・演出を担当する永井愛は劇団二兎社を主宰、近年では文化庁芸術祭大賞、紀伊國屋演劇賞個人賞などを次々と受賞、常に高い評価と注目を集めています。人間同士の対話の中から劇的な力が立ち上がってくる演劇の王道を行く骨太さと、笑いに満ちた軽やかさが同居した作品は絶大な人気を得ています。

 さらに今回は望みうる限りのキャストが結集しました。永井作品初登場の加藤治子、杉浦直樹、平田満。永井作品には欠かせない大西多摩恵、田岡美也子、橘雪子、酒向芳、小山萌子。熟練したキャストによる新たな永井ワールドの誕生です。2001年早春、最高の話題作にご期待ください。

のがたり
 代々足袋職人の実家に馴染めず、会社人間として生きてきた神崎昭夫(平田満/平田満/飯塚弘貴)は、リストラ担当の総務部副部長として神経をすり減らす日々。加えて家では妻から離婚を迫られている。

 人生に戸惑いを覚えた昭夫がたどり着いた先は、母の福江(加藤治子/加藤治子/三浦てるみ)が一人住む東京・下町の我が家だった。だが久しぶりの母の家での出来事は傷心の昭夫を驚かすことばかり。見知らぬ人が出入りし、元気な中国人の女の子が家の中を飛び回っている。福江も以前の姿からは想像もつかぬ艶やかなファッションに身を包み、カルチャースクールやボランティアに参加し、イキイキとして楽しそうだ。しかも福江には恋人らしき男・荻生直文(杉浦直樹/児玉清/野澤遵宜)の存在が。

 積極的に「生」を受け入れようとする元気な70代の母とその恋人、二人の生き方に戸惑いと発見を繰り返しながら、自分自身の人生をもう一度模索しようとあがく40代の息子。

 ひょんなことから、この三人の奇妙な共同生活がスタートする―。福江、直文、昭夫と彼らを取り巻く下町の元気な人々の日常生活を通しながら、「人生を正直に生き直そう」とする人々の姿が、生と死を深く交錯させながら描かれていきます。』(2001年、新国立劇場での初演時の資料から。出演者は「初演時のもの/NHK版/今回のもの」)

 というもの。

 しかし、芝居におけるリアリティってなんなのだろう。映画に関して言えば、それは役者が演じているのではあるが、しかし、あくまでもそれは役者が演じているということを前提にしながら、それを無視するというリアリティの持ち方だ。役者の存在感とドラマにおける役名の存在感は別のものとして観られるし製作もされる。役者の存在感が理会されるのは、その映画が完成し、スクリーンで上映され、その後になって、その映画について考えをおよぼした時に感じられるものだ。

 ところが、芝居に関しては、既に目の前に生身の役者がいるわけで、それは言ってみればリアリティの塊であるほかないはずなのだけれども、その役者は実は自分とは別の人格を演じている訳だ。

 ここに、映画と芝居という、似て非なるものの存在がある。

 どちらが好きかというのは、あまり意味のある問いではなく、ただただ、双方が等しくある、ということだけを確認すればよいのである。

『こんにちは、母さん』は8月2日まで、Woody Theatre 中目黒にて

Woody Theatre 中目黒の告知サイトはコチラ

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