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2018年11月 7日 (水)

『なぜ倒産』を読んで、かえってホッとした

 起業というのはそれぞれの起業理由があってできるもの、同時に倒産っていうのもそれぞれの理由があっておこるもの、と考えていたんだが、実はそうではないらしい。

『成功はいくつかの要因の組み合わせですが、失敗は究極的には1つの判断ミスによるもの。例えるなら、成功とはブロックを地道に高く積み上げることであり、失敗とはブロックの山のどこか一カ所に異常な力が加わることで一気に崩れるイメージです。成功の要因と違って、失敗は原因を特定できる分、ダイレクトに役立つのです。』

 ということだそうなのだ。

 本書は23社の経営破綻について、3つのケースに分けて詳述している。

 一つは「急成長には落とし穴がある」、二つ目には「ビジネスモデルが陳腐化したときの分かれ道」、そして三つ目には「リスク管理の甘さはいつでも命取りになる」というものだそうだ。

Photo 『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』(日経トップリーダー編集部/日経BP社/2018年7月16日刊)

 まず第一「急成長には落とし穴がある」

 遠藤商事・ホールディングス [飲食チェーン運営]
90秒で調理できる仕組みを考案し、ナポリ風本格ピザのチェーン店を80店超展開した。しかし、急成長に人材育成が追い付かず、収益力は伸び悩んだ。出店のための借り入れが膨らんだ結果、追加融資が難しくなり、資金繰りが滞った。

 グルメン [物流受託、食品卸売り、スーパー経営]
物流業務を一括受託する「3PL」で成長。食品卸売り、スーパーにも注力していた。トップに事業創造の力はあったが収支管理が甘く、実態は赤字続きだった。スーパー業界の再編に巻き込まれて大口顧客を失い、自力再建の道が途絶えた。

 みらい [植物工場の開発販売]
「未来の農業」と期待がかかる植物工場。この先頭を走っていた会社が破綻した。技術力に一定の評価はあったが、組織拡大で経営力の乏しさが露呈した格好に。工場のオペレーションもままならず、大赤字を出し、資金がショートした。

 ヒラカワコーポレーション [寝具・寝装品などの製造販売]
節電ブームを追い風に冷感寝具をヒットさせ、工場新設や本社移転などに投資した。その回収のために売り上げ維持を図り、利益の薄い商品に注力した。”2匹目のドジョウ”を狙った新商品も当たらず、資金繰りに行き詰った。

 エプコット [海外映画、ドラマDVDなどの制作・販売]
海外映画やドラマなどの版権を買い付け、DVDを制作して販売していた。韓流ブームに乗り、大手と競って高額で韓国ドラマの買い付けに動いた。ブームの終焉とともに業績不振に陥り、復活できなかった。

 長崎出版 [書籍出版]
ユニークな絵本がベストセラーになり、急成長した出版社。大ヒット作に頼る事業構造を変えようと、出版以外の事業に次々投資するも裏目に出る。幹部の離反から主力商品の出版権を失い、命運が尽きた。

 エルビー技術工業 [カーペット清掃用粘着テープなどの製造・販売]
カーペット清掃用粘着テープなどで一定の技術力があった。業績を拡大したものの、攻めの設備投資が裏目に出て資金繰り難に陥った。円安に伴う原材料代の高騰が追い打ちをかけ、挽回できなかった。

 二つ目は「ビジネスモデルが陳腐化したときの分かれ道」

 平和堂貿易 [宝飾品・腕時計の輸入販売]
100万円以上する光学宝飾品の輸入販売会社として、高い知名度を誇っていた。高額商品市場が縮む中でも、百貨店頼みの売り方を最後まで変えなかった。若手社員が相次いで退職、企業改革の力を失い、自己破産に至った。

 鈴萬工業 [配管材料、機械工具の卸]
静岡県で配管材料・機械工具卸の老舗として名を馳せた。県内に営業拠点を絞って大手食品、化学メーカーと信頼関係を築いた。リーマン・ショック後、受注単価の下落と内部の確執で再建が難しくなった。

 東京もち [切り餅などの製造]
切り餅を主軸にフルーツゼリーや和菓子の製造も手掛けていた。大手に対抗して年商の約1.5倍の大型投資で新工場を建てたが、「空振り」に終わった。後継者を不慮の事故で亡くし、事業継続への意欲をさがれたことも打撃となった。

 吉田 [服飾雑貨卸]
下町のベルト工場から、カタログギフト向けの服飾雑貨卸に進出して成長した。冠婚葬祭ギフトの需要が落ち込む市場の変化に対応できず、業績が低迷。独自規格の商品販売で挽回を狙ったが、不渡りを出し事業継続を断念した。

 アートスポーツ [スポーツ用品店運営]
ピーク時は売上高が65億円を超えた創業50年のスポーツ用品店運営会社。テニスや自転車のブームが去り、売り上げが低迷するようになると、ランニングブームを狙った出店の負債が重荷となり、資金がショートした。

 テラマチ [機械部品の製造]
国内屈指の機械保有台数を誇った部品メーカーが破綻した。一貫生産で培った技術力には定評があり、「はやぶさ2」の搭載装置の開発にも関わった。だが、小ロット化などの変化に対応できず、起死回生を狙った中国事業でも失敗した。

 大山豆腐 [豆腐・納豆などの製造]
自動車整備から豆腐製造に参入した創業者の前社長。豆腐、納豆、油揚げ、さらには豆腐レストランまで事業を拡大した。それぞれの事業への思い入れが強く、領域を絞り込めず、赤字を積み重ねた。

 キッズコーポレーション [イベントの企画制作、運営]
大手広告代理店などからイベントの企画制作、運営を受注していた。2005年の「愛・地球博」で日本館を手掛けるなど、実績があった。リーマン・ショックや東日本大震災で受注が減る中、対応が後手に回った。

 装いの道 [着物教室の運営、呉服・和装用品の販売]
着物教室としてトップクラスの知名度を誇り、50年以上の実績があった。教室の講師や生徒、卒業生を増やしつつ、教材や呉服などを売る手法で伸びた。呉服市場の縮小やライバルの台頭が進む中、有効な対抗策を打ち出せなかった。

 ジュネビビアン [女性向けフォーマルドレスの製造・販売]
結婚式やパーティーなどで女性が着るフォーマルドレスの専業メーカーだった。名の通った百貨店の大半に販路を持ち、デザイン力で定評があった。式典のカジュアル化に伴うドレスの需要減と百貨店の衰退で、ニッチ戦略が崩れた。

 そして三つ目が「リスク管理の甘さはいつでも命取りになる」

 ホンマ・マシナリー [大型工作機械の製造]
造船、鉄道、原子力発電向けの大型工作機械メーカー。大型機械に執着して、景気の波や天災などに大きく翻弄され続けた。再生ファンドの支援を得たものの、新興国の債権回収に失敗した。

 美巧 [財布など袋物の製造販売]
香港やベトナムの工場で委託製造したブランドものの財布や袋物を輸入して販売。売り上げが伸び悩む中、融資を受け続けるために粉飾決算に手を染める。本社売却・従業員削減などのリストラや粉飾の事実公表も奏功しなかった。

 イイダ [精密板金、機械組み立て]
複写機大手の1次下請けとしてユニット組み立てなどを受注し、成長を続けた。ところが、発注元の海外シフトや生産体制見直しで受注が激減。次の柱を育てられず、資金繰りが続かなくなった。

 アルベリ [和洋菓子の製造・販売]
90年以上の歴史を持つ老舗の菓子メーカー。赤字続きの会社を継いだ娘婿社長は、試行錯誤の末にOEMの受注を拡大した。しかし、大口の需要に対応しきれず売り上げが激減。新規開拓するも追いつかず、力尽きた。

 プレスコ [化粧品の製造・販売]
化粧品のOEMを手掛けていた。容器やラベル印刷、品質管理など一括で製造を請け負い、大手メーカーから生産を受注するなど、一定の信用力があった。しかし、生産や営業現場の混乱が起き、業績が急落した。

 ユタカ電機製作所 [電源装置の製造]
創業70周年を迎えた電源装置メーカーが、突如、民事再生法の適用を申し立てた。創業者の手を離れた後、親会社は2度変わり、あるベンチャー企業の傘下に入る。だが、このベンチャーが事業を停止。その余波で、老舗企業は破綻した。

 うむむ、こうして見るとまさしく死屍累々。

 創業時はイケイケどんどんでやれるし、最初の頃はその勢いだけでもやっていけるんだろうけれども、跡継ぎの代になると創業者の意識は当然持てないわけで、そうなると創業者はあまり気にしなかった、「金融、財務」などをかなり意識しなければならなくなる。

 企業経営っていうものは、結局は「お金」の問題で、それをどうやって回していくんだっていうことでしょう。

 まあ、難しい問題だって言えばそうなんだけれども、でも、どこかで創業時の意識を変えなければならないっていうことなんだろうなあ。

 私は経営者じゃなくてよかったって思う瞬間が、この本を読むとある

 まあ、私はこんな創業会社の跡継ぎじゃなかったんで(っていうより、フツーのサラリーマンじゃんかよ!)よかったってことなんですかね。

『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』(日経トップリーダー編集部/日経BP社/2018年7月16日刊)

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