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2018年7月18日 (水)

ドナルド・キーン写真展が暑い

 いやあ、思わず「暑い」と書き間違えてしまった。正しくは「ドナルド・キーン写真展が熱い」ですね。

 といっても、勿論ドナルド・キーン氏がフォトグラファーであるわけはなく(まあ、広い世の中にはそんな名前の写真家がいてもおかしくはないが)、正しくは『ドナルド・キーンのまなざし 宮澤正明写真展ー』というタイトルなのだ。

 つまり宮澤正明氏によるドナルド・キーン氏の写真展が、旧古川庭園にある大谷美術館で開催中であるってことなのでした。

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 ドナルド・キーン氏と言えば、コロンビア大学名誉教授で日本及び日本文学の研究家であり、東京都名誉都民、北区名誉区民、新潟県柏崎市名誉市民、勲等は勲二等、2008年に文化勲章受章まで受賞、日本を愛するあまり日本国籍まで取得してしまったという日本フリークな人として有名な人だ。

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 そのドナルド・キーン氏が写真家の宮澤正明氏と知り合ったエピソードも、いかにも日本フリークなドナルド・キーン氏らしい。

『写真家・宮澤正明氏との出会いは、伊勢神宮にはじまる。2013年「第六十二回神宮式年遷宮」の写真集上梓の際に、コメントを依頼されたのが最初である。私は、日本に留学できた1953年に、終戦後初めて執り行われた「遷御の儀」に立ち会う機会を得て、今回2013年は実に4度目の列席であった。20年に一度の「遷御の儀」に4回も立ち会えたことは、誠に幸運と言うべきであろう。その遷宮行事を8年間にわたり撮影していたのが、写真家の宮澤正明氏だった。
 4たび遷宮に列席し、様々な風景や場面を脳裏に刻んできた。お能に譬えてもいいような、無駄や虚飾のない儀式の数々、そして、日本建築の原型とも言うべき建物群、それは、自分の記憶の中でしか再現できない、美しい場面である。しかし時には、前の席の人の動きに気をとられたり、間違って別の方向を見たりして、見逃してしまった光景もあるはずだ。そうした一瞬の美を見落とさずに、特別に美しいものを教えてくれるのが写真家の芸術である。この写真を撮影した宮澤正明氏も、そんな写真家の一人だ。普通の人は、そういう目を持っていない。
 宮澤氏が撮った写真の数々を眺めていくと、彼がいかに辛抱強く、いかに工夫を重ねて、一瞬の機会を捉えたかが、よくわかる。もちろん、遷宮の行事を8年にもわたって撮り続け、その人柄に信頼がよせられたからこそ、一般人には踏み込むことのできない領域まで、宮澤氏のカメラは入ることができたのだろう。
 宮澤氏と出会ってから、これも何かのご縁であろうか、私は幾度となく彼のカメラの前に立つことになった。旧古川庭園を見下ろす私の書斎で、お墓を構えた無量寺の桜の下で、馴染みの霜降銀座商店街で、さらには、新潟柏崎や英国の旅の道中でも、宮澤氏は私にカメラを向け、私は微笑みで返した。いや、ときには難しい顔もしたであろう。
 彼とのフォトセッションは、自分が被写体であることを自覚する間もなく、カメラという装置の介在を忘れ、宮澤正明とドナルド・キーンという存在同士が対峙する時間だった。それはまるで沈黙の対話のようでもあった。そんな時を重ねて、宮澤氏のアトリエにはおそらく幾万もの鬼怒鳴門(ドナルド・キーン)の喜怒哀楽が、保存されているに違いない。
 このたび私の写真展を、とてもなじみの深い旧古河庭園にある大谷美術館でやっていただくことになったようだ。果たして私の写真を観に来ていただく方がどのくらいいるのか私にはわからないが、少なくとも築100年となるジョサイア・コンドルの名建築だけでも観る価値はあると思う。
 この2年間、私の写真を撮っていただいた宮澤氏に感謝すると共に、写真展の成功を祈る気持ちでいっぱいである。私は先日96歳になった。これからも撮ってもらう機会があればお願いしようと考えている。

ドナルド・キーン
    2018年6月吉日』

Dsc_00142

 実は、この写真展を見るまではドナルド・キーン氏が北区の住民であり、旧古河庭園のそばに書斎があったり、霜降銀座商店街なんてところまでを知っているなんて……、知らなかった。

 ということなので、別にドナルド・キーン氏が自分で撮った写真展じゃなくて、ドナルド・キーンしが写っている写真展である……、ってことをご承知の上旧古河庭園へ。

 写真展だけの入場は無料です。

Photo

『<旧古川邸+庭園> 100周年記念 ドナルド・キーンのまなざし 宮澤正明写真展ー』は8月5日まで 旧古川邸・大谷美術館一階フロアにて開催中。

北区の公式サイトはコチラ

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