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2018年3月22日 (木)

映画『去年の冬、きみと別れ』のカメラが気になって

 寒い雨(雪?)の日は映画を見に行くに限る、ってことで気になっていた『去年の冬、きみと別れ』を見に行った。

2 『去年の冬、きみと別れ』(原作:中村文則/脚本:大石哲也/監督:瀧本智行/エクゼキューティブ・プロデューサー:濱名一哉/製作幹事:ワーナーブラザース映画/共同製作:ワーナブラザース映画・KADOKAWA・LDH・幻冬舎・PARCO・WOWOW・博報堂・KDDI・ローソン・日本出版販売・GYAO!・朝日新聞社・C&Iエンタテインメント/2018年3月10日公開)

 そもそも見に行ったのは、私のブログからリンクを張っている、「アローカメラ&我楽多屋」という、四谷荒木町にある中古カメラの買取とジャンク品の販売をおこなっているお店のサイトで、機材協力をした記事があって、「んじゃあ、どんな機材を使っているのか見てやろうじゃないの」ってな動機でありました。

 だいたい、映画屋さんって何故かスチール・カメラには興味がないっていうか、気を使わないことが多い。、例えば記者会見シーンなんかがあって、当然その最前列には報道カメラマンがいるんだけれども、彼らのカメラの構え方が両手でカメラの両端を持っていることに対して全然ダメ出しをしていないんだなあ。本当は一眼レフなら右手はカメラ右端を持って指先はシャッターボタンにかける、左手はレンズ鏡胴でフォーカス合わせでしょ。ところが両手でカメラの両端をもって構えていることに対して、なんでそれで問題なしなんだよ。そのシーンだけで、我らスチール写真屋はその映画に対してシラケた気分になってしまうんだ。

 映画屋さんだって、元々はスチールカメラもやっていたんだろうし、映画の学校だってスチールとムービーの両方を教えている学校は多いはずだ。ところが映画製作の現場に入ってしまうと、その辺の雰囲気はすっかり忘れて、写真屋を裏切っちゃうんだなあ。

 で、そんなことには五月蠅いはずの中古写真屋さんが機材協力とあっては、そりゃその辺の出演者のカメラの扱いにはキチンとしているんじゃないかという期待があった。

「アローカメラ&我楽多屋」のサイトには提供した機材の写真が載っていて、ニコンらしい一眼レフが二台、ペンタックスらしき一眼レフが一台、レンジファインダーカメラが一台、真っ黒でよくわからない一眼レフらしきカメラが一台がそこにはある。当然、みんなフィルムカメラだ。ニコンの二台のうち一台はデジイチのようにも見えるがフィルム巻き戻しクランクらしきものが見えるので、多分それもフィルム一眼。

Photo 我楽多屋提供カメラ・レンズ ©Garakuta-ya

 ふーん、まだ映画屋さんの考えでは「プロの写真家はフィルムカメラで撮るんだ」という意識があるんだろうな、なんて気持ちで映画を見始めた。最初に出てくるのはライカM7、次がハッセルブラッド。で……、それ以外はストーリーに絡んだ形では全く出てこないっていうのはなんなんだろう。

 上記のブログで気になったのが『カット的に大きく映り込むこともない点、火事になる現場で使う点などから、それほどディテールにこだわらなくても良い』『燃やされてしまう可能性があること』なんて書いたあったこと。

 そうか火事のシーンのバックで使ったのか、と納得したものの、でもそれだったらカメラなんかなくても、カメラバッグがあればよかったじゃん、なんて考えながら見ていたのだった。

 まあ、それはそれとしてカメラや写真機材の扱い方については問題がなかったので、それはそれでよしとしよう。

 で、映画なんだが、原作の『去年の冬、きみと別れ』はサイコ・サスペンスとかサイコ・ミステリーに属する作品なんだろう。作品の進行とともに誰が本当の犯人なのかわからなくなるストーリー構成。その原因が主人公(?)のフォトグラファー木原坂雄大とその姉の木原坂朱里にあるのか? 犯人(どの殺人の?)は木原坂雄大なのか、主人公の耶雲恭介なのか? 、松田百合子と吉岡亜希子はどうなっているのか? 、実は本当の犯人は編集者の小林良樹じゃないのか? というか、なぜ映画は「第二章」から始まるのか? という謎をそのまま放っておいてストーリーは展開する。

 原作小説と映画ではストーリー展開は異なっているし、登場人物の造形も多少変化させている。それは当然、文字作品と映像作品というメディアの違いが、ストーリー展開において異なることは必要なことである。若干の登場人物の設定も変化している。大きな違いは……、あ、これを言っちゃえばネタバレになってしまいますね。

 フォトグラファーが主人公のサイコ・ミステリー映画といえば、ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』という作品があった。主人公のフォトグラファー、トーマスが主に使っていた機材はニコンFに標準50mmレンズだった。まあ、普段の散歩カメラだったらしく、仕事では50mm一本やりではなかったんだろうが、映画に出てくるのは50mmレンズのみ。一流のフォトグラファーはレンズは数少なく持っているもんだ。やたら多くの種類のレンズをもってそれを振り回しているのは三流カメラマンの証拠。なんて言っちゃうとニコンFを何台も首から下げて水俣を取材していたユージン・スミスはヘボ・カメラマンなのかといえば、もしかしたらそうなのかもしれない。

 今回のtsunokenはネタバレはしないように心がけています。普段はネタバレ大好きなんで、今回はカメラ方面に話を振ったりして苦労をしているんですけれども、それは何故かといえば、やっぱりミステリーでネタバレはまずいかな、と。っていうか、ネタバレ好きのtsunokenは当然原作は先に読んでいたんだけれども、原作から映画にする部分で結構センシティブなところがあるので、さすがに今回はネタバレはまずいかなという判断をした。

 まあ、勿論ちゃんと結末はあるのだが、勿論、その結果誰かが警察に捕まるということはないわけなのですね。まあ、この辺は映画ならではのストーリー処理だ。テレビではこれはできない。

 実はネタがほとんどのこの作品。ネタバレさせちゃうと、映画を見る楽しみがなくなってしまうので、今回はネタバレしないように心がけているんですけれどもね。

 ところで、本映画のエクゼキューティブ・プロデューサーをやっている濱名一哉とは、彼がTBSに在職中(当時の名前は山下雄大!)に一緒に仕事をしたことがある。勿論、TBS生え抜きではなく、懲りないプロデューサーとして有名だった山本又一郎プロデューサーのフィルムリンク・インターナショナルに所属していた時期があったことだけは知っていた。

 TBS退社後も彼の作品は気になってみていたのだが、今回の作品は企画自体が彼がスタートらしい。う~む、なかなかいい仕事をしたんだなあ。

 ヨカッタ、ヨカッタ。

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