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2018年1月28日 (日)

『ロバート・キャパ写真集』だけじゃ見えないこと

 ロバート・キャパって、戦争写真とかそうじゃなくても、多分、世界で一番名前を知られたフォトグラファーなんだろう。本書も昨年12月15日の刊行で、既に今年の1月15日で第2刷だもんなあ。ICPやマグナム・フォトにとっては一番の貢献者に違いない。

 私も、本書の刊行は最初から知っていたし、多分、掲載されている写真はもう既に知っている写真ばっかりだろうという思いから、当初は購入を渋っていたんだが、結局買ってしまったんだ。

『ロバート・キャパが撮影した約7万点のネガから、236点を精選して収録。岩波文庫初の写真集』って言ったって、その236点のほとんどは私も既にみたものだし、すでに様々なロバート・キャパの写真集は持っており、その中に掲載されている写真ばっかりなんだけれども、でも、買ってしまった。岩波書店の勝ち!

 なんでなんだろうなあ。

Photo 『ロバート・キャパ写真集』(ICP ロバート・キャパ・アーカイブ/岩波文庫/2017年12月15日刊)

 キャパが「世界最高の戦争写真家」と呼ばれるようになったのは、スペイン内戦での「崩れ落ちる共和国軍兵士」がきっかけであることはよく知られている。しかし、同時にロバート・キャパ(当時はまだアンドレ・フリードマン)が写真家として知られるようになったのは、「1932年11月27日 コペンハーゲンで大学生を相手にロシア革命について講演するレオン・トロツキー」の写真である。1932年なので小型カメラで撮ったのなら多分ライカⅠ型を使ったんではないかと思えるんだろうが、そのカメラについて触れている書物はない。

 キャパの名前を世界的に有名にしたのは、「1944年6月6日(Dデイ) ノルマンディー、オマハビーチ」だろう。多分、『ちょっとピンボケ(Slightly out of Focus)』という、キャパ自身による多分に自分を大きく見せるための記述に満ちた自伝と共に有名になった写真である。これはコンタックスで撮影している記録がある。

 実はこの写真についてあまり触れることはないのだが、実は戦争写真としてはあり得ないアングルで撮影している写真なのである。

Rimg00012 上陸するアメリカ軍部隊(第一波攻撃) オマハ・ビーチ、ノルマンディ沿岸、フランス、1944年6月6日(Dデイ) ©Robart Capa

 普通戦争写真というか、戦闘場面の写真というのは兵士の背中から撮影するのが普通である。その他のキャパの戦闘場面を撮影した写真もそうだし、キャパ以外のフォトグラファーの第二次世界大戦からベトナム戦争、つい最近の様々な戦闘の写真も皆そうなんだが、すべて兵士の後ろ姿が撮影されていて、その向こうに戦闘場面が展開しているというのが、普通の戦争写真なんだ。それは何故かと言えば、武器を持たないカメラマンを最前線に置くわけにはいかないという最前線部隊の発想からだからだ。だから、戦闘場面の写真には必ず兵士の後ろ姿が写っていて、彼の肩越しに最前線が展開している。

 キャパのその他の写真もそうだ。1654年5月25日のキャパが地雷を踏んで死亡する寸前のインドシナ戦争の写真まで、すべてのキャパの戦闘場面の写真も、すべてそうだ。

 ところが、例のオマハ・ビーチの写真の数点は上掲のモノ以外でも兵士の顔が写っている。それは何故なんだろう。

 ドンくさい兵士がいて、部隊から遅れに遅れて、ついにはカメラマンからも遅れてしまったという、かなり兵士としては恥ずかしい写真なんだろうか。あるいはどこか別の日の上陸訓練か何かを撮った写真なのか。

 なあんて、どうでもよいことを考えてしまうのは、もう既に何冊もロバート・キャパの写真集を持っているからなのかなあ。

『ロバート・キャパ写真集』(ICP ロバート・キャパ・アーカイブ/岩波文庫/2017年12月15日刊)

 キャパ研究にはこちらがオススメ。沢木耕太郎氏はリチャード・ウィランはあまりお好きではないようだが。

『ロバート・キャパ 決定版』(リチャード・ウィラン、ロバート・キャパ/ファイドン/2004年11月刊)

 こちらもオススメ。ただし、こちらは古本屋で探さないとみつかりそうもない。

Photo『ロバート・キャパ』(ベルナール・ルブラン、ミシェル・ルフェーブル著/太田左絵子訳/原書房/2012年9月10日刊)

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