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2017年10月15日 (日)

『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか?』っていう理由はわかっているんだが、でもそれが問題なんだなあ

 西森マリーさんていう人は、よくある外国人と日本人のハーフでバイリンガル、それを利用したタレントという位の認識しかなかったのだが、いつの間にかジャーナリストとして結構キチンとした仕事もやっていたんだなあ。

『今回の選挙は、都会の消費者(多文化尊重、学歴重視のホワイトカラー)と、田舎や工業地帯の生産者(額に汗して働くことを美徳としている信心深く愛国的な人々)の戦いでもありました。グローバル経済で消費者は得をして豊かになり、生産者は被害を被って生活が苦しくなったので、この大統領選はまさしく階級闘争だったのです。
 ただ、階級闘争戦略を用いて勝ったのは、階級闘争をお家芸とする民主党のヒラリーではなく、共和党のトランプだったわけです』

『私は2000年はゴア、2004年はケリー、2008年はヒラリーを応援していた極左環境保護派ではありますが、テキサスに住んでいるため隣人は皆、保守的なクリスチャン。ボランティア先のアニマル・シェルターでもふれ合う人のほとんどが保守派で、知り合いのほぼ全員が銃を持っている、という超保守的な環境にどっぷり浸かっています。
 今回の大統領選本選で、私の周辺の人々は皆トランプを積極的に応援していました』

 まあ、『2000年はゴア、2004年はケリー、2008年はヒラリー』が『極左』ってところにはちょっと引っかかってしまうが、要は2016年のアメリカ大統領選は「都会の民主派と田舎の保守派」の争いで、結局「田舎の保守派」が勝ったっていうことなんだな。それはいいけれど、その結果はどうなったんだろう。

 まあ、後出しジャンケンと言えばいえるんだけれども、実はそれは大統領選以前から分かっていたことでもあるんだ。

Photo 『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか? アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実』(西森マリー著/星海社新書/2017年2月24日刊)

 ところでアメリカ人のパスポート所持率って知っていますか? これがなんと30%なんだそうだ。要は、国民の70%は海外に対して「行く気もないし、興味もない」っていう人たち。まあ、これについては日本人だって23%しかパスポートを持っていないんだから、あまり偉そうなことは言えないんだけれども、まあ、太平洋を挟んで両側の国の国民は海外への興味を持っていないってことなんだなあ。

 それは何故か? まずアメリカ人ってたかだかプロ野球のアメリカ選手権を「ワールドシリーズ」って名付けちゃうほど、「アメリカ=ワールド」だと思っている人が多い国民なのだ。更に言ってしまうと、それは「世界はアメリカとそうじゃない国」しかないと思っている人たちが多い。もっと言ってしまうと「世界中の人たちは英語(米語)を話していて、それ以外の言語はない」と思っている人たちがほとんどだってこと。つまり「世界一の田舎者」がアメリカ人の実像だってことなんだ。「アメリカ以外の世界のことを知ろうとしないアメリカ人」がものすごく多い国がアメリカなんだな。って、実際ヨーロッパから追い出されたように新天地を求めてアメリカ大陸にやってきて、アメリカ合衆国という新たな国を作った人たちの末裔が、何故、このように内向きになってしまったのか。まあ、それが一番不思議って言えば不思議なんだが。

『民主党派の人々は「そもそも金持ちは、何か悪いことをして小市民から搾取して金持ちになったに違いない」と信じています。ですから、金持ちには思い切り資産税をかけてやろうと思うわけです。
 一方、共和党派の人々は、「誰でも努力して一生懸命働き、絶好のチャンスに巡り会えれば金持ちになれる」と立身出世のアメリカン・ドリームを信じています。ゆえに、「もし自分が金持ちになったときには、せっかくがんばって働いて貯めた資産を子どもに残してあげたい」と思っているので、資産税に反対しているのです。
 富を憎む民主党がトランプを憎み、「富は勤労の成果・努力に対する褒美」と解釈している共和党派(特に福音派キリスト教徒)が大富豪のトランプを受け入れた、ということもいえるでしょう』

 というんだけれども、だとしたらそんな共和党派の人たちって、もはや「フロンティア」がなくなってしまい、それは「アメリカン・ドリーム」の終焉だってことに気付いていないのかもしれない。いつまでたっても「フロンティア」があるわけではなく、それは西海岸にまで開発の手が及んで以来消滅したんだが、それが同時に「アメリカン・ドリーム」の終焉だったということに気付いていない人たちがいるっていうことに気付かされたのが、実はドナルド・トランプの勝利だったのだ。

 既に「アメリカはもはや世界の警察ではない」とオバマが言ってから、「世界に冠たるアメリカ」なんてものは誰も信じなくなっている。勿論、それはアメリカ人自身がそれを自覚しているはずなんだけれども……。

 問題は、こうした「よその国に興味を持っていない」国民は戦争に走りやすいってことなんだ。外国のことをより知っていれば、そうした国と戦争を起こせば自分の国がどうなるかってことに考えが及ぶんだけれども、そうでない人々は簡単に「あの国はけしからん、つぶせ」ってなっちゃうんだなあ。まあ、日本にも「嫌韓」だとか「嫌中」だとかって、訳の分かっていない人はたくさんいるけどね。

『民主党派はアメリカは世界の中の一つの国にすぎず、アメリカ人は世界市民の一員で、アメリカ政府はアメリカ国民に対しても世界の国々の人々に対しても、金持ちに重税を掛けて富の再配分を行う義務があると思っています。
 共和党派、およびブルーカラーの民主党派は、アメリカは世界一ずばらしい自由な国で、均等に与えられた機会をうまく利用できれば大成功を収められると信じています。
 そして彼らは、世界一の偉大な国としてのアメリカの地位を守るためには、強い軍隊が必要だと思っています。
 彼らは戦争が好きなわけではありません。
 単に世界最強の軍隊を持っていたいだけなのです。
 圧倒的な軍事力があれば、他の国やテロリストたちは米軍から攻撃・報復されることを恐れて、はなっから戦争やテロなどを起こしはしないだろうということです。
 オオカミは自分が負けることが分かっているのでライオンにたてついたりしない、というのと同じです』

 まあ、ここにきてもやはりアメリカ人の夜郎自大な考え方が見えていますね。「Great America Again」とか「America First」とかのトランプ氏が言っている夜郎自大な言い方は、もはや世界のどこの国の首脳も口にしなくなっている(まあ、お隣の国の労働党委員長は別ですけれどもね)。

 アメリカの無知な庶民にとっては「Great America Again」とか「America First」っていう言葉は心地よく聞こえる言葉なのかもしれないが、傍の国の人間からすれば、それは危うい言葉であるわけだし、その裏に、「世界が見えていない同士の戦争」って言葉が張り付いているのだ。

 まあ、アメリカの庶民からしてみれば、アメリカが北朝鮮とかイランと戦争でも起こして初めて、自分たちの選択が間違っていたことに気付くんだろうけれども、その頃には、世界中で他の国を巻き込んで戦争が起きているってことを、アメリカ国民は知るべきだろうな。

『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか? アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実』(西森マリー著/星海社新書/2017年2月24日刊)

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