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2017年9月26日 (火)

『旅する写真家』って、いいタイトルだなあ。でも、ドゥパルドンはドキュメンタリストなんだけれどもなあ

 レイモン・ドゥパルドンは元々は映画カメラマンになるつもりだったようだ。

 初めて手に入れたカメラは、「1954 レイモンの兄から誕生プレゼントとして彼の最初の中判カメラをもらう。カメラを手にした彼が最初に撮影を始めたのが農園、犬のベルノ、そして徴兵へ行く男たちへの敬意を表し踊る村人たち。そうして独学で写真の腕を磨いていった」とあるから、レイモン12歳の時なので、まあ普通のカメラ人生のスタートだろう。最初のカメラが中判カメラというのも1954年という時代からすると普通だ。

 で、「1957 レイモンは映画カメラマンになるため遠隔教育で映像コースを受ける」とある。

 まあ、最初は誰でもあるようにスチール・カメラを手に入れて、それから同じフィルム表現として、映画の方向を目指すというのは、よくある流れなのではないだろうか。

Photo 『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』(監督:レイモン・ドゥパルドン、クローディーヌ・ヌーガレ/製作:クローディーヌ・ヌーガレ/撮影:レイモン・ドゥパルドン/2012年製作)

 実は私も同じ流れで、小学生の時、学校の写真クラブに入って、撮影やら原像の方法を勉強させてもらい、「嘘UFO写真」なんかを作っていた記憶がある。それが中学生になってクロード・ルルーシュの『男と女』を見に行った時に、パンフレットでルルーシュがカメフレックスを構えている写真を見て「映画監督ってかっこいいなあ」ってなって、後に8ミリカメラ(キャノンとエルモ)を、更には16ミリカメラ(ボレックスH16)を手に入れ、なんか自分もドキュメンタリストになったつもりをしていた。

 後年、監督が自分でカメラを抱えちゃったら周囲が全然見えなくなってしまうので、それはアングルを確かめるだけのためにカメラを抱えているんだってことは理解したんだけれどもね。そのまま、ドキュメンタリーカメラマンになったら今の私とはだいぶ違った人生を送っていたんだろうけれども、残念ながら、映画好きになった私は、自分に脚本を書いたりする才能がないことに気がついて、プロデューサーの方に回ろうと考えて出版社に入るって、何考えてたのかね。

 でもまあ、そんな経緯でドキュメンタリストになったレイモン・ドゥパルドンなんだが、結局、スチールもムービーも一緒ということで、後年はスチール・フォトグラファーと映画ドキュメンタリストの兼用という人生を送るようになったようだ。基本的に、「ムービー・ドキュメンタリー」と「フォト・ドキュメンタリー」は同質のものであるから、その往還はいくらでも可能であるし、実際そのような生活を送っているようだ。

 映画はエイトバイテンのフィールドカメラで、フランスのあちこちを旅しながら風景やら街並みやら、人々を写している現在のドゥパルドンの姿を追いかけながら、そこに昔撮影した様々なドキュメンタリーの映像がモンタージュされている。

 映画はダイレクトに見る人たちに、撮影場所での出来事を伝えるいい手段だ。しかし、そのためにはプロデューサーと契約し、配給会社と契約し、劇場と契約しなければならない。その分、スチール・カメラによるフォト・ドキュメンタリーなら出版社とだけ契約すれば、自らの作品の発表の機会は与えられる。まあ、そんな感じでレイモン・ドゥパルドンも、ムービー・ドキュメンタリーとフォト・ドキュメンタリーの二つの世界を往還してきたんだろう。

 フィールドカメラといい、ドゥパルドンが使っているムービー・カメラといい、基本的にはすべてがアナログ・カメラである(多分)。面白いシーンがある。上の映画写真の真ん中にあるスチール、ドゥパルドンがライカを構えている。当然、エルマリート21mm付きのアナログ・ライカのM6かM7。とそこにスマートフォンの電話が入ってくる。うーん、そこに至ってアナログとデジタルの邂逅がある。

 えっ? 別に面白くない?

 そうかなあ。アナログにこだわっているようなドゥパルドンなんだが、結局は現代社会においてはデジタル機器とは無縁ではいられない、っていう面白いシーンだと思ったんですけれどもね。

 1942年生まれのレイモン・ドゥパルドン。まだ75歳だ。でも、その位の歳になるとフィールドカメラで静物撮影みたいに枯れてきちゃうのかなあ。確かに、まだまだフランスを車で旅しながら撮影しているっていう制作スタイルはまだまだ決して年老いてはいないんだが、なんかその撮影方法がなんか年寄りじみているんだなあ。

 もっと普通に、小型カメラで、ライカやニコンで、できたらデジタルでガンガン撮影しながら全フランスを旅するっていうほうが、なんか「現役ドキュメンタリストの現在」って感じなんですけれどもね。それとも、フランスではまだまだアナログ・カメラが全盛で、「デジタル、どれほどのもんじゃい」って感じなんですかね。

 まあ、私もまだまだアナログは使っていますけれどもね。

『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』はシアター・イメジフォーラムにてロードショー中。公式サイトはコチラ

Dsc_00642

NIKON Df AF Nikkor 20mm f2.8 D @Shibuya ©tsunoken

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