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2017年6月 7日 (水)

『プロ野球・二軍の謎』

『メジャーでは毎年、1球団あたり60~70人の新人が入団してきます。仮に30球団で60人ずつ採用したとすると1800人に上ります。大ざっぱに言えば、この大量採用の選手たちにとにかく試合をさせて、結果を残したものをメジャーに引き上げるという選別方式です。
 これに対して日本は育成選手を含めても1球団10人入ってくるかどうか。今季(2016年シーズン)、我がオリックスは大量12人の入団となりましたが、12球団トータルでは、せいぜい毎年100人前後といったところでしょう』

 まあ、このスケールの違いが日米でのマイナーリーグ(二軍・三軍)のあり方の違いになるし、育成方法の大きな違いになるんだろう。

Photo『プロ野球・二軍の謎』(田口壮著/幻冬舎新書/2017年3月30日刊)

 ポイントは日本の二軍制度とアメリカのマイナーリーグ制度との大きな違いなんである。。

『日本ではたとえ二軍でも、球団と契約を結んでいれば「プロ」として認識されています。また、シーズン中に誰かが突然やってきて、クビを宣告されるというようなことはありません。シーズンも終了間際になったあたりで、「来年の契約は結ばない方向だ」という告知をされることはあっても、シーズン真っ只中のある日突然「ハイ、きみはクビね」と言われ、その日のうちに荷物を持って出ていかなければならない、などという事態にはならないのです』

『とにかく1年は「プロ野球選手」を名乗ることを許され、支配下選手なら最低でも年俸440万円(育成選手は240万円)が保障され、じっくり育ててもらえる日本の二軍選手は恵まれている、と思わずにはいられないのです』

 育成選手の240万円という最低年俸でも、日本ではそれ以下の年収で暮らしている若者は多いわけだし、二軍選手の最低年俸440万円だったら普通のサラリーマンの年収とそれほど変わりはない。まあ、勿論「体が資本」のスポーツ選手なんだから基本的な年間支出(特に食費)は、サラリーマンと同じってわけにはいかないのだろうが、それでも「生活できない」って金額じゃない。それがアメリカのマイナーリーグでは様子が違うようだ。

『日本のプロ野球における二軍は、選手を育てる場所であると同時に、一軍が勝つための人材を派遣する場所、もしくは一軍選手の調整のための場所といった役割があります。日本の二軍は、すべては一軍の勝利のために存在しているのです』

『日本では12球団すべてが一・二軍ともに同じ親会社の経営下に置かれていますが、アメリカの場合、メジャー、3A、2A、と系列が一緒でも、チームはそれぞれが別経営で成り立っています。つまり、たとえばセントルイス・カージナルスとメンフィス・レッドバーズはカージナルスのメジャーとマイナー(3A)ではありますが、企業としては別なのです』

 つまり、メジャー、3A、2Aなどはそれぞれ別のリーグに属していて、それぞれで各独立して経営されているってことは、当然、それぞれのレベルでもってビジネスをしているってわけ。ということは、それぞれのチーム事情がそれぞれの経営に影を落としているわけで、それはそれぞれのチームごとに選手に支払われる給料なんかも違うわけだ。

『メジャーが一軍だとすれば、二軍にあたる「3A」、三軍にあたる「2A」、さらにその下に「アドバンスドA」「クラスA」「ショートシーズンA」(この3つを合わせて「1A」)、「ルーキー・アドバンスド」「ルーキーリーグ」(この2つを合わせて「ルーキーリーグ」)と7つもの下部クラスが存在するのです。
 一応、マイナーが7つのクラスに分けられているとはいえ、メジャーから見れば、やや年齢層が高い3Aも含め、いずれも似たような下積み生活です』

『マイナーの選手たちの多くは、野球をすることで得られる賃金だけではとうてい食べていけず、アルバイトをしたり、なんらかのスポンサーを見つけて援助をもらい、メジャーリーガーになる日を夢見てプレーしているのです。中には奥さんや彼女が働くことで、食べさせてもらっている選手もいます』

 勿論、メジャーにいても結構厳しい条件がある。

『メジャーリーガーが下部リーグに落とされる要因のひとつに、日本にはない仕組みがあり、それが先に紹介した「option」というものです。
「option」を直訳すると「選択権」という広い意味になりますが、野球用語としては、「球団側が選手をマイナーに落とす権利」という意味で使っています。「球団がオプションを行使し、誰々を3Aに送った」というように使うわけです』

『ただし、球団側がこのオプションを制限なく使えるわけではありません。この権利を行使できるのは3回までということになっています。確か、累積20日間で「マイナー落ち1回」とカウントされるのですが、1シーズンの間であれば、球団は何度でも選手をマイナーに送ることができます』

『もし3シーズン、メジャーとマイナーを行ったり来たりして3回のオプションを使い切っているにもかかわらず、それ以降もマイナー待遇となる場合、球団はその選手をウエーバーにかけなくてはならない、つまりいったん保有権を手放して、ほかの球団に獲得意思があるかどうか確認しなくてはなりません』

『ひとりの選手に対してのオプションの行使は、どのチームの所属かにかかわらず、1シーズンは1回とカウントされていきます』

 ということで、メジャーリーガーはチーム移籍は当たり前であり、田口氏も1992年に日本のオリックス・ブルーウェーブに入団したが、2002年にFA宣言をし、セントルイス・カージナルス、2007年フィラデルフィア・フィリーズ、2009年シカゴ・カブスと転籍をし2010年に再びオリックス、2012年にオリックスを退団しプロ生活から引退。しかし、2015年に再びオリックスで二軍監督になって現在に至る。

 という経歴を見ると面白いなあ。アメリカ時代は他のメジャー選手たちと同様、短い期間でいろいろなチームを渡り歩いているのは、上記のメジャー&マイナー選手たちと同じなんだが、何故か日本では生涯同じチームっていう、如何にも日本的就業慣行の中で所属チームを決めている。

 ってことは、まあ、やっぱり日本人は日本では日本の慣行の中で、アメリカ人はアメリカ的慣行の中で仕事をするってことなんでしょうかな。ってことは、日本の二軍選手がメジャーとか3Aのトライアウトを受けて、アメリカで野球をやるってことはありそうもないことなのかなあ。

 だとすると、そこがちょっと残念!

 って、反応するところが違いますね!

『プロ野球・二軍の謎』(田口壮著/幻冬舎新書/2017年3月30日刊)

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