フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 『アップル帝国の正体』は見えた。しかし…… | トップページ | ツアー・オブ・ジャパン・総合優勝はチーム右京オスカル・プジョル・ムニョス »

2017年5月28日 (日)

『アマゾンジャパン「日販バックオーダー発注」停止の真意』

 出版界唯一の専門紙『新文化』5月25日版のトップ記事が『アマゾンジャパン「日販バックオーダー発注」停止の真意』というもの。

 リードにはこう書く。

『さきごろ、アマゾンジャパンが6月末日で、日販バックオーダー発注(日販非在庫商品を出版社から取り寄せる発注のこと)を取りやめると発表した。カートが落ち(在庫が切れ)て売り上げが減少することが懸念される出版社は、アマゾンジャパンとの直接取引を迫られており困惑気味である。日販はすぐに、大変遺憾であるとの見解を発表した』

 日経新聞5月2日付のこの記事に対応した内容なんだが。

201705272252392

 一体、どういうことなのか、解説しよう。

Photo_2

 記事はアマゾンジャパンの村井良二バイスプレジデントと、同社メディア事業本部・事業企画本部の種茂正彦本部長への聞き書きによって構成されている。

種茂 日販には毎週、この銘柄であれば安定した売上げがありますという数十万タイトルのリストを提供し、それに合わせた品揃えを要望してきました。しかし、日販と定めた引当率の目標からは10ポイント以上の開きがあります。売上上位数社の出版社を中心に、スタンダード発注(日販在庫商品を仕入れる発注のこと)の引当率改善とバックオーダー発注のリードタイム短縮にご尽力いただき、一定の効果がありました。いまも感謝しています。売上上位出版社の引当率は高水準です。
 しかし、一方で、中小規模の出版社のスタンダード発注の引当率は改善されず、当社の注文がどんどんバックオーダー発注にまわってしまう。結果、中小規模出版社の売上げの4割が、現在バックオーダー発注からの仕入れに依存してしまっています。つまり、スタンダード発注しても、中小規模出版社の商品はバックオーダー発注でしか仕入れることができない状態です。売上上位出版社であってもロングテール商品は、スタンダード発注をしても、VANステータス11番台(「在庫あり」、その他、22番「重版中」、33番「品切・重版未定」など)であっても、バックオーダー発注にまわされてしまう。
 売上上位出版社の取組みによって全体の引当率は改善されていますが、個別銘柄単位ではスタンダード発注で入荷されない状況です。
     ~
 3月下旬に日販が棚卸をされましたが、そこですぐに引当てられる在庫を一時的に絞ったのではないかと思います。結果、4月2日の週から引当率が急激に下がり、バックオーダー発注の注文が増えました。当然入荷が遅れ、欠品率が上がりました。
     ~
 長い連休や棚卸時にも一定水準の在庫を持ってほしい。売上が毀損したのは当社だけではなく出版社も同じです。スタンダード発注で引当てられないからバックーダー発注に力を入れて「納期を早くしましょう」という態勢になっていますが、当社は日販に在庫をきちんと持ってもらうことを希望してきました。
     ~
 取次各社が在庫情報を機動的に交わしながら在庫をかかえていくのは、難しいことかもしれません。それは当社にとっても困難なことですが、e託販売サービス(直接取引サービスの名称)は2008年から継続しており、ネットやパソコンが苦手な方にも使いやすい受発注業務や、在庫情報更新の環境を提供しております。
     ~
 売上上位50社のうち30社がなんらかの直接取引を開始しています。全国4000社あるといわれる出版社のうち、2000社以上はe託販売サービスの口座をもっています。
     ~
 方法は①取次会社の在庫を増やす、②直接取引の2択だと思います。日頃、出版社はどれくらいの注文がバックオーダー発注に回ってしまっているのかご存じないと思います。そこは客観的な数字を説明会で示していきます。皆さん驚かれています。
     ~
 今回の件が報道された後、SNSで『よくぞ言ってくれた』という書店員さんの書込みも見つけました。取寄せ注文については、書店現場もフラストレーションを抱えているようです。業界全体にバックオーダー問題があるのではないでしょうか。出版流通の新しいあり方を考えるタイミングだと思います』

 種茂氏の発言はおおむねこんなところ。

 要は、現在書店店頭で書籍を注文すると、書店員から「いつ頃入ってくるかは分からないので、入ったところで電話でお伝えします」という返事が返ってくる。実はこれは書店だけで通用するルールで、本来は小売店の店頭で受けた注文に対して、いつ頃その注文品が入荷するのかがはっきりしない商品に関しては受注しないというのが、書店業界以外のデフォルトだ。

 今回のアマゾンジャパンの考え方は、そんな他の業界ではありえない「出版業界の常識」に正面から挑戦する考え方であり、まあ、それだけ強気の発言ができるという、アマゾンジャパンの力の強さの現れであるとも言えるのだろう。

 5月25日のブログでも書いたように、日本の書籍・雑誌の取次という存在は、実は最早撃滅寸前のところまで追い込まれてきており、とにかく早いところ体質改善を行わない限り、崩壊するのも時間の問題となっているのだ。

 日販がアマゾンジャパンに対して「大変遺憾である」という返答をかえしたそうだが、最早そんなことを言っている場合じゃないことを、実は日販自身が感じているはずである。

 どんな形で、日本の出版流通制度が変わっていくのか、かなり要注意ではあります。

« 『アップル帝国の正体』は見えた。しかし…… | トップページ | ツアー・オブ・ジャパン・総合優勝はチーム右京オスカル・プジョル・ムニョス »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/65335886

この記事へのトラックバック一覧です: 『アマゾンジャパン「日販バックオーダー発注」停止の真意』:

« 『アップル帝国の正体』は見えた。しかし…… | トップページ | ツアー・オブ・ジャパン・総合優勝はチーム右京オスカル・プジョル・ムニョス »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?