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2017年5月15日 (月)

ふたつの『さっちん』

 最近は電子書籍ばっかりになってしまって書店に行かなくなってしまったと思われている私なのだが、決してそんなことはない。最近どんな本が出版されているのかを見るのに書店ほど便利な場所はないので、結構書店には足を運んでいる。

 が、考えてみれば新書やノンフィクションなどの書架・平積みは見ているが、そういえば、写真集関係の棚は、東京都写真美術館のミュージアムショップなどに行くことはあっても、書店ではあまり見なくなっているなあ。いかんいかん、ということなのでこの『さっちん』2017年2月28日刊というのが出たのは知らなかった。

 たまたま、最近、池袋の三省堂に行って見つけたのである。

Photo 『さっちん』(荒木経惟著/河出書房新社/2017年2月28日刊)

 荒木経惟氏は1964年(昭和39年) - 写真集「さっちん」にて、第1回太陽賞受賞によって世に出て、まさしく彗星のようにデビューしたフォトグラファーである。その1964年に刊行された『太陽』の復刻版(というか雑誌版の復刻書籍)が今年、出たのだ。

『東京オリンピックのあった1964年に、平凡社の第1回「太陽賞」を受賞して、受賞作を雑誌にグラビアで載せるって言われたんだけど、当時グラビア印刷はネガで入稿だとかで、紙焼きじゃなくてネガを編集部に渡した。そうしたらそれっきり、返ってこない』(平凡社版『さっちん』「あとがき」より)

 ということなので、私たちは「荒木経惟氏は平凡社「太陽賞」受賞でデビュー」ということは知っていたけれども、肝心の「さっちん」オリジナル版は見たことがないのだ。

 以前、唯一観たことがあるのが新潮社フォトミュゼ版「さっちん」だけなのだ。

『太陽賞に応募したとき、ネガを渡したんだけど帰ってこない。だからこの本は受賞の作品そのものではない。いやー、でも応募してない分の方が乱暴で元気だね。画面からはみ出てる。木村伊兵衛っていう人はなかなかな目利きでさ、太陽賞とったときに「このままいくと、紙芝居になっちゃう」って言ってるんだよね。正しい。おれもそう思う。というのはね、20点から30点でまとめろっていうコンテストなのよ。そうするとどうしても、1枚に要素がいっぱいはいっていないと、いっぱい語れないわけだよ。だから、選びがその方向になっちゃう。100枚くらいだったらさ、ここはこう息抜くなんてできるじゃない』(新潮社フォトミュゼ版『さっちん』「のぶちんが「さっちん」を語る――あとがきにかえて」より)

 ということなので、新潮社フォトミュゼ版『さっちん』の奥付ページには……

『本書は、千葉大学在学中の約一年間(1962年頃)に撮影された作品です。「アパートの子供たち」と題された膨大なネガ・フィルム、および、荒木氏自製のスクラップ・アルバム「さっちんとマー坊」の中から1964年・第1回太陽賞受賞作「さっちん」の写真を一部含み再編集しました』

 という但し書きが載っている。

 つまり、本来の「さっちん」に収録すべき材料はすべて新潮社フォトミュゼ版に収録されていて、その中から太陽賞として選ばれた作品群が平凡社版に掲載されているっていうことなのか。

 まあ、両者を比較してみると、確かにすべての要素は新潮社フォトミュゼ版に含まれていて、言ってみれば、そのエッセンスとして<さっちん>だけに拘って編集されたものが平凡社版らしいってことになる。

 まあ、同じ値段(税別1600円)なので、どちらを手に入れるかは読者の指向次第。

 コストパフォーマンスで見るなら新潮社フォトミュゼ版だし、太陽賞の考え方を見たいのであれば平凡社版でということになるのだろう。

 私のように両方買って見比べる必要は……、まったくありません。

Photo 『さっちん』(荒木経惟著/新潮社フォトミュゼ/2004年11月20日刊)

『さっちん』(荒木経惟著/河出書房新社/2017年2月28日刊)

『さっちん』(荒木経惟著/新潮社フォトミュゼ/2004年11月20日刊)

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