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2017年3月12日 (日)

『アメリカ帝国の終焉』

 2015年にオバマ大統領が「アメリカは世界の警察ではない」と言ったとき、「ああ、もはやパックス・アメリカーナは終わってしまうんだな」と感じたものだったが、トランプ政権になって「アメリカ・ファースト」と言ったとき、これで完全に「アメリカの世紀は終わったんだ」ということを思い知らされた。

Photo 『アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界』(新藤榮一著/講談社現代新書/2017年3月1日刊)

『かつて巨大な版図を広げたローマ帝国と同じように、米国もまた版図を広げ、多様な人種を内に抱え込んで終わりの時を刻んでいる。帝国の過剰拡張の帰結だ。それが、アングロサクソン中心の白人優位社会の終わりと、拡大する貧富の格差と重なり合って、伝統的なアメリカ社会を「解体」させはじめている』

『一八世紀後半にはじまる産業革命下のグローバル化を、第一のグローバル化と呼ぶなら、一九世紀末の工業革命下のグローバル化は、第二のグローバル化と呼ぶことができる』

『その第二のグローバル化のなかで、既存の国際秩序であるパクス・ブリタニカ、大英帝国による平和が衰退し、終焉を見せた。そしてそれに代わる新しい国際秩序、パクス・アメリカーナが台頭しはじめていた』

『それから一〇〇年後のいま、二〇世紀末にはじまる情報革命下のグローバル化を、第三のグローバル化と呼ぶなら、その第三のグローバル化のなかで、パクス・アメリカーナが衰退している。大米帝国の世紀に代わって、「アジア力の世紀」、パクス・アシアーナが到来しはじめている』

『日本で、中国経済の〝減速〟が叫ばれているにもかかわらず、中国、インドなどのBRICS諸国や、インドネシアを含めた新興国の経済成長は、着実な上昇線を描きつづけている(実際、二〇一六年四~六月期、中国のGDP成長率は、六・七パーセント増となった)』

『IMF報告によれば、中国、インド、ブラジル、ロシアのいわゆるBRICSに、トルコ、メキシコ、インドネシアを加えた新興G7のGDPは、三七兆八〇〇〇億ドル。米、日などの先進G7のGDP、三四兆五〇〇〇億ドルを凌駕した。世界経済における「南北逆転」である』

『資本主義にはいくつものかたちがある。いま、米欧日などの先進国型とは違う、もう一つの資本主義が、ニューヨークやロンドン、東京から「ジャンプして」、「新しい空間的定位」を求めて、北京やニューデリー、ジャカルタに至る新興アジアで勃興し、成長しつづけているのである』

『かつて一九九〇年代、バブルの渦中で日本円の国際化が喧伝された時のように、いま中国人民元の国際化が、かつての日本とは、圧倒的に規模と次元を異にしたかたちで具体像を結びはじめている。「世界の工場」が「世界の市場」へ変貌し、さらには「世界の銀行」への変容を見せはじめている。それが、二〇世紀パクス・アメリカーナから、二一世紀パクス・アシアーナへの転換と、軌を一にしている』

『いまAIIBは、EU諸国やBRICS開発銀行(本部・上海、総裁・インド人)と協力し、ADB(アジア開発銀行)との協調融資を進めて、途上国支援とアジアインフラ強化に向けて動きはじめた。それら一連の動きは私たちに、アジアが平和と繁栄を享受していくには、単にRCEPのような自由通商貿易圏をつくるだけではなく、それを超えて、域内所得格差を縮め、インフラ整備強化への投資を進めていくことが不可欠である現実を示唆している』

『一国中心の成長第一主義モデルから、多国間の地域協力的で持続可能な発展モデルへの転換といってよい。その転換のなかで、「分断されたアジア」が「一つのアジア」へと変容していく』

『経済的政治的に〝膨張する〟昨今の中国には、中国固有の〝軍産複合体〟が生まれはじめていると見ることができる。中国人民解放軍と資源エネルギー産業との〝利益複合体〟形成の動きだ。疑いもなくそれが、南シナ海における中国の〝膨張主義〟的行動を生み出している。
 しかし、資源エネルギーインフラ開発を、中国が周辺諸国とともに進めるなら、潜在的な〝軍産複合体〟の胎動を、内側から削ぐことができる』

『そしてその共同開発が、日本や韓国、ASEAN諸国の軍備拡大の動きを抑え、軍縮と緊張緩和への道を拓くことを、可能にしていく。いわばアジア不戦共同体への道である』

『日本が、一国繁栄主義を捨て、アジアとともにアジアのなかで生きていく。それは私たちが、明治以来の、日本主導の「脱亜入欧」路線を、アジア共生の「脱欧入亜」路線へと、外交転換を図ることを意味している。トランプ新政権の〝取引外交〟に応えて日本が、軍備強化や核武装を進める道では、もちろんない。東アジアの軍縮と軍備管理を進める道だ』

 しかし、日本がアメリカを捨てて中国に寄り添うということば、さすがにアメリカも黙ってはいないだろう。そうなると、いかにしてアメリカと中国のバランスをとった外交を進めるかという、かなり難しい立場をとることになるのだろう。

 まあ、明治以前の日本はそうやって世界とのバランスをとって生きてきたわけなので、別に難しいことではないはずだ。ただ、明治になってどこか自己中心的になってしまい、アメリカによってコテンパンにされてしまったこの70年もの間、日本はアメリカに頼っている生き方をしてきたわけで、その間に自らのアイデンティティを捨ててきた。日本の政治家は単にアメリカとの距離感だけを考えていればよかった時代が長すぎたんだなあ。

 ここは日本もアメリカがトランプというトンでもない大統領が現れたのと同じく、一回ガラガラポンしてアメリカや中国にコンプレックスを持っていない政治家が立つしかないんのではないだろうか。しかし、それは自民党の既成勢力の中にはいないだろう。自民党はあまりにもアメリカにすり寄りすぎている。

 となると、小泉孝太郎あたりが首相になるまで待たなければいけないのだろうか。

 安倍晋三氏の賞味期限もなんかもう風前の灯火になってしまっているし、石破氏がつなぎになって、次の小池氏が首相になった時なんだろうか、あるいは小池新党の誰かがそんな役割を果たしてくれるんだろうか。

 いずれにせよ、いずれ日本もアメリカから真の独立を果さなければならない時代がもうすぐやってくるわけで、そんな時代に対応できる政治家が現れなければ、まさしく「日本沈没」だぁ。

『アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界』(新藤榮一著/講談社現代新書/2017年3月1日刊)

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