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2017年3月 7日 (火)

ユニクロ潜入一年

 本書は『週刊文春』2016年12月8日号・12月15日号に掲載された横田氏のルポを緊急出版したものだ。この辺がいかにも電子書籍ならではの方法で面白い。

Photo『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身ルポ ユニクロ潜入一年』(横田増生著/文春e-Books/2017年1月20日刊)

『ユニクロは私の著書を名誉毀損として二億二千万円の損害賠償を求める 裁判を起こした。私は勝訴したが、柳井社長はその後インタビューで 「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。 うちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかを ぜひ体験してもらいたい」と語った。ならば実際に 働きながら取材しよう。以後八百時間を超える労働から 浮かび上がったのは、サービス残業と人手不足の実態だ』

『裁判が終わると、私はユニクロ側に、まずは裁判中に出入り禁止となっていた決算発表に参加させてもらえるよう交渉を始めた。同社が二〇一五年四月に開く中間決算会見に参加することで話がまとまったように思えた。しかし、決算会場へ向かう途中、私の携帯電話が鳴った。ユニクロの広報部長の古川啓滋氏はこう告げた。
「柳井から、横田さんの決算会見への参加をお断りするようにとの伝言をあずかっています」
 理由は、記者会見当日に発売となった週刊文春に私が書いた記事「ユニクロ請負工場 カンボジアでも 〝ブラック〟告発」だった』

 ということで横田氏は『国内のデフレ経済やグローバル化に、日本を代表する経営者といわれる柳井社長は、どのように向き合っていくのか。私は定点観測したい』ということで、ユニクロに潜入取材を試みるのだった。

 幸い50歳という高齢にもかかわらずアルバイトとして採用されて、2015年10月から働き始めるのだが、そんな高齢者でも採用しなければならないほど、ユニクロの人事は払底しているということなんだろう。

『私がユニクロで働き始めてから一年以上がたった。労働時間は八百時間を超えた。最初は千葉市内の大型店、次は豊洲の標準店、そしてこの十月から新宿のビックロで働いている』

『『ユニクロ帝国』の出版当時の二〇一一年、同社内の月間上限の労働時間は二百四十時間未満と決まっていた。現在では、繁忙期は二百二十時間で、閑散期は百九十五時間にまで減っている。店長であっても、週に二日は休みが取れているようだ。以前は出ていなかった残業手当も、現在では店長にも支払われている、と現役のユニクロ社員は証言する』

『私は働いた三店舗すべてで、サービス残業が行われていることを確認している。一度、退勤したことにして、働いている店長や社員、準社員がいるのだ』

『ユニクロ潜入記者12月3日解雇されました』

 2016年12月1日発売号、『週刊文春』に「ユニクロ潜入一年」を掲載して初めて出勤する。

『男性は「本部人事部の▲▲」と名乗った。後で確かめると、本部の人事部長だった。後ろからもう一人、三十代とおぼしき男性が入ってくる。彼も人事部所属だと言う。
 部長は、壁の時計を見ながら、こう切り出した。
「本来なら、十四時出社と伺っていたんですが、今は(午後一時)五十五分ですね。(その分)給与に反映させていただきますので」 と言う』

『第七十五条の十四項には、「諭旨退職・懲戒解雇」とあり、「故意または重大な過失により当社に重大な損害を与え、または当社の信用を著しく傷つけた時」とあり、第十六条には「解雇事由」と書いてあった』

『私は、契約期間である二〇一七年三月末日まで辞めるつもりはないと告げた上で聞いた。
「懲戒解雇ですか?」
「懲戒解雇ではありません。解雇通知です」
 どうやら諭旨解雇のようだ』

 まあ、そりゃそうだよなあ。

『週刊文春』とどういう話が進んだのかは知らないけれども、2017年3月末日の契約期間が終わってからルポを発表してもよかったんだろうけれども、そうじゃなくて2016年12月1日発売の号に掲載してしまった以上は、ユニクロには身元がばれて、解雇通知がでることはやむを得ないことなんだろう。まあ、ユニクロサイドでは「懲戒解雇」にしたかったんだろうけれども、それをやっちゃうと問題が更に大きくなってしまうので諭旨解雇という若干アマアマの処分にしたんだろうな。

 ユニクロがブラック企業だってことは皆知っている。ワタミだってそうだ。

 しかし、そんなブラック企業だってわかっていても、そこに勤るしかならない人たちがいるってことが問題なんじゃないだろうか。要は、他の「ホワイト企業(?)}には勤められない人たちだ。

 まあ、そんなホワイト企業(?)だって、違法残業だとかなんかはありますからね。私がいたK談社だって、編集職は基本残業制限なしの「裁量労働制」ってのがあって、基本的な「編集部手当」っていうのがいわば一律の残業代であって、残業の時間と関係なく付く手当なんですね。まあ、K談社の編集者の生活態度なんかを見ていると、それが一番適正なのかなとは感じてはいました。

 自分が勤めている会社がブラックかホワイトなのかを判断するのは、そこに勤めている個人でしかない。社会から「ブラック企業」だと思われている企業に勤務していても、勤めている本人はまったくブラックだとは思っていないケースもある。

 基本的に、出版社なんかは完全にブラック企業に属する企業なんだけれども、そこに勤務する従業員は「何かをクリエイトする」仕事に十分満足しているから、自分が「ブラック企業」にいるってことを感じていないんですね。

 まあ、自分が所属する企業が「ブラック」なのか「ホワイト」なのかを決めるのは、その個人の判断なんじゃないでしょうかね。

『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身ルポ ユニクロ潜入一年』(横田増生著/文春e-Books/2017年1月20日刊)

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