「梵天」と書いて「ぼんでん」と読む
「梵天」と書いて、秋田地方では「ぼんでん」と読む。
「梵天」とは、本来『古代インドのバラモン教の主たる神の1つであるブラフマーが仏教に取り入れられたものである。ブラフマーは、古代インドにおいて万物の根源とされた「ブラフマン」を神格化したものである』と言うものなのだが、秋田の「ぼんでん」は、江戸の火消しが使う「まとい」の大きなもののようだ。
で、その「まとい」の上に、更に大きな飾りを付けている。
こうした大きな頭飾りをつけた梵天34本と、小学生が作った小若梵天12本が横手市役所前を出発し、横手市内の旭岡山神社まで行進して奉納するのが「横手ぼんでん祭り」である。
こうした「ぼんでん祭り」は秋田県内のいくつかの都市で行われているようだが、横手市の「ぼんでん祭り」が一番盛大に行われているようだ。
「ぼんでん」は一人で担ぐのだが、1本30kg位あるそうで、当然交代で担ぐことになる。で、最後は旭岡山神社の参道を行くのだが、こんな山道でおまけに雪が覆っている参道を「ぼんでん」を担いで上がるのは大変なことである。
もともと、横手の「かまくら祭り」も「ぼんでん祭り」も旧暦の小正月の行事で、この祭りが済むと春が来るということだったんだが、新暦になってしまって少し時期が早くなってしまった。で、昭和27年からは毎年2月17日に開催(昭和34年から前日の2月16日に「ぼんでん」の頭飾りを競う「ぼんでんコンクール」を開催)されることになった。
なので、この「ぼんでん祭り」が終われば春になるはずなんだけれども、まだまだ秋田の春は遅くなりそうだ。
「ぼんでん祭り」を知ったのは木村伊兵衛氏の写真集からなのだったんだが、いやあ秋田じゅう、木村伊兵衛氏の「秋田美人」の写真ばっかりだっていうのは知らなかったなあ。
『木村伊兵衛 昭和を写す 4秋田の民俗』(木村伊兵衛著・田沼武能編/ちくま文庫/1995年7月24日刊)
NIKON Df AF-S NIKKOR 50mm f1.8 G & AF NIKKOR 35mm f2 D @Yokote Akita ©tsunoken
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 阿佐ヶ谷アニメストリートの今(2017.12.14)
- 『アーティストが見た黄金町』って、どんなだ?(2017.08.21)
- 黄金町バザール2017(2017.08.19)
- 池上道・本門寺通りを制覇(2017.07.05)
- INSIDE BABEL by KATSUHIRO OTOMO(2017.06.22)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/64909332
この記事へのトラックバック一覧です: 「梵天」と書いて「ぼんでん」と読む:
コメント