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2017年2月 7日 (火)

『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか』っていうテーマじゃなかった!

 タイトルからアマゾン研究の本かと思ったんだが、そうではなくてネット時代におけるメディアとコンテンツの闘争を描いた本なのであった。

1 『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか ネット時代のメディア戦争』(武田徹著/新潮新書/2017年1月27日刊)

 目次から内容を見て行こう。

第一部 デジタルは活字を殺すのか
 第一章 コンテンツとメディアの興亡
 第二章 大日本印刷の新展開
 第三章 だれが「本」を守るのか
 第四章 活版印刷が消えた日

第二部 スマホはジャーナリズムを殺すのか
 第五章 ソーシャルメディアな何を変えようとしているのか
 第六章 スマホ化後のジャーナリズム

第三部 ネットはコンテンツを殺すのか
 第七章 テレビの見る「夢」
 第八章 ニコニコ動画が誕生するまで
 第九章 ドワンゴが創出したコミュニティ

 という内容。

 まず第一部では『第1ステージは日経新聞の製作工程の電子化と回線を通じたコンテンツの配信に代表される。製作は効率化され、コンテンツへのアクセサビリティは向上した。それはコンテンツを作る側の意志が実現される方向での変化であり、その変化の途上においてコンテンツ企業同士の戦いが繰り広げられた』という内容である。

 第二部では『そこではメディアのネットワークがコンテンツの質を変え始める。第1ステージと異なりコンテンツの製作者の意図は裏切られるようになる。パッケージとして提供されていたコンテンツが分断され、著作者の意思を超えてコピーされて配信される。メディアのプラットフォームが製作者の意図を超えてコンテンツの対価を決めるようになる。かくしてこの第2ステージではメディア企業とコンテンツ製作者の戦争という様相を呈する』というもの。

 第三部では『囲碁で人間を破った人工知能技術をメディアは実装してくるだろう。膨大なデータベースをディープラーニングし、メディア側がなんらかのコンテンツを自動的に提示してくる。過去の購買履歴からおすすめ商品を提示するようなことは既になされていたが、参照されるものは購買履歴に留まらず、検索履歴や、ソーシャルメディアの書き込みや人間関係など、多岐に及ぶようになる。既存のコンテンツをお勧めするだけでなくなる可能性もあろう。人工知能に小説を書かせて文学賞に応募するような試みは既に始まっている』ということを、それぞれ語っている。

 しかし、まあそれはある意味ではやむを得ないことではないのだろうか。

 テクノロジーの進展は、ある種自律的に行われていくものだし、それを止めることは誰にもできることではない。しかし、メディアの行いはあくまでも人間がやっていくものだし、テクノロジーのように勝手にテクノロジーの側で進展していくものではない。である以上、メディアとコンテンツの戦いは非対称的に行われる戦争なのだ。

『出版界は平均的に見て必ずしもITリテラシーの高い業界とはいえなかった。しかし日経BP社は数多くの専門誌を創刊してきた関係でIT専門記者も多くスタッフとして擁しており、彼らは新しいオンラインメディアを作るということになればサイト作りのアイディアを出したり、優秀な外部スタッフを紹介できたし、自分自身で実際に腕前を発揮することも可能だった。NBOがいち早くサイトを作り、臨機応変に拡充を遂げられた理由は、こうして「自前」で作れたことが大きかった』

『「出版流通が強固なものとしてあるのなら、出版社は出版流通の管理運営だけを仕事にして、編集者も作家と同じように全部外出しにしたらいいのでは。編集者は作家の側に100%付いて作品を創る。そうして編集者も一緒になって品質を保証した作品を出版社に持ち込み、出版社が流通に乗せる。その方が作家は自由に動けるし、作品の質は上がり、出版社も利益が上がるのではないでしょうか」
 神宮前のオフィスで佐渡島庸平が言う』

『「瓶に詰めてコルクで封をしたワインが世界中に運ばれて後世に残るように、契約作家の作品を世界中に売り出し、歴史に残すエージェントになるという意味で会社をコルクと命名したのですが、今、僕が挑戦したいなと思っているのは、誰が、いつ作ったかによって値段が決まるワインのようなコンテンツを生み出したいということ。ITによって読者参加型の環境ができたことは超一流の人たちの作品が適正な値付けをされるチャンスだと思っています」
 おそらく佐渡島は危機感を持っているのだろう。今はクリエイター側ではなくプラットフォーム側に値付けする権利が握られつつある。数多くの取引が自らの俎上でなされることを目指すプラットフォームビジネスで、コンテンツは取引数を増やす客寄せのツールとなりがちだ』

 佐渡島庸平は元々講談社の社員だったんだが独立して作家サイドに立つエージェントを始めた男なんだが、こうした佐渡島のような編集者や起業家がいる限りは、まだまだコンテンツも捨てたものではない。

 勿論、「パソコン→スマホ」という流れの中で、コンテンツは小分けされて、ユーザーの中を漂うように流れていくものなのであるが、それはやむを得ないこと。でも、だからと言ってコンテンツの質が下がるということはないのだ。

 要はそんな小分けされるコンテンツを作らないことだし、小分けされたってコンテンツ自身の質は下がらないってこと。

 結局、コンテンツを小分けして消費してしまって一番バカを見るのは、そんな自ら小分けしてしまったコンテンツの消費者だってことなんだなあ。

『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか ネット時代のメディア戦争』(武田徹著/新潮新書/2017年1月27日刊)

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