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2016年9月10日 (土)

いしいひさいち!

 いくら電子書籍が普通に流通ったって、やっぱりこんな本に出会えるから本屋さんにはいかなきゃいけないんだよな。

 まあ、電子版じゃこんな本、ヒット(打ち込んでも)しても出てこないからね。

Photo 『文藝別冊 いしいひさいち<増補新版>新仁義なきお笑い』(河出書房新社/2016年7月30日増補新版刊)

 そうか、いしいひさいち氏は私と同い年、もう65歳になるのか。サラリーマンならフルリタイヤの年齢なのだが、まだまだ現役を続けているわけだ。

 冒頭の取材やインタビューに応じないことで有名ないしいひさいち氏への「でっちあげインタビュー いしいひさいちに聞く」が面白い。

「たまののタイムス」記者の山田がインタビューをするのだが……

『今日はまんが家としてよりも取材に応じないことの方で有名ないしいひさいち先生がどいうわけかインタビューに応じるというので待っているのですが見当たりませんね。

 競馬で大負けしてへちゃげたようなサエないオッサンがいるだけです。

 あ、もしもしデスクですか山田です。いしいセンセの人相風体をもう一度おねがいします』

『競馬で大負けしてへちゃげたようなサエないオッサンだよ』

 というお約束の出だし。

『山田 いしいさんが登場するまでは4コマ漫画は『起承転結』が基本と言われていました。ところが起転転転、起承承結、あげくにオチのないオチとか斬新かつ衝撃的でした。4コマの既成概念を破壊したと言われていますが、その点いかがですか?

いしい それは誤解です。そもそも4コマ漫画に起承転結というセオリーは存在しません。

山田 は?

いしい まず起承転結の則って4コマを描く作家はプロにはおりません。
 4コマを楽しむにしても、リズムは多様であって要件ではありません。
 笑ってもらってナンボの現場には『秀作』と『凡作』の別以外なにもありゃしません。
 あるとすれば観念的な読者の認識のフレーム、『あと知恵』としてあるにすぎず、4コマに起承転結がないのはけしからんといった論議はどこか幼い気がします。
 おそらくコマ4個と4文字熟語の符合による錯誤もあります。
 仮にさおれが東西南北だとすれば北がないとか言い出すんじゃないスか。
 ともかくないものは壊せませんから、わたしは起承転結を破壊したおぼえなどありません。

山田 えー、今の見解マジですか?

いしい でっちあげです』

 というころまでは、いかにもいしい調だなあと思っていると…… 

『山田 現役の4コマまんが家の中で意識している、あるいは注目している人はいますか?

いしい 朝日新聞の連載を始める際、全集をもらってはじめて『サザエさん』を読んだのですが国民漫画ができるだけ多くの人に愛されねばならないことの代償でしょう、4コマ作品としては平凡、作家としては凡庸というのが正直な感想でした』

 おおお、言っちゃいましたね。

『山田 3カ月の病気療養のあと『ののちゃん』だけを再開されましたが。

いしい いい稼ぎになるからです。

山田 そのほかの仕事の予定はないのですか?

いしい ありません、体調の許さないところがあります。
 このインタビューは長ったらしい辞表です。公式HPで描きちらした作品をだらだら流しているので見ていただければうれしいです。

山田 病気で仕事とか人生について考え方がかわりました?

いしい もう足を洗おうと思いました。
 『ののちゃん』は隠居仕事です。
 1日4コマ1本、写経と称しています。

山田 では、おしまいになにかあれば。

いしい 思えば常に醒めていて漫画にまつわるあれこれへの愛情の希薄なところが致命傷でした。
 致命傷をかかえてyく商売がつづいたものと思います。
 幸運というほかありません。
 読者のみなさん担当編集者のみんさんのおかげです。

山田 殊勝ですね。

いしい でっちあげです。

山田 今日は貴重なインタビューをありがとうございましまました。

いしい 口ごもってますね』

 で、終わる「でっちあげインタビュー」もまあ、いしい氏らしいっちゃいしい氏らしいんだけれども。

 内容は、いがらしみきお、とり・みき、吉田戦車、しりあがり寿、秋月りす、西原理恵子、カラスヤサトシ、さそうあきら、小坂俊史、あずまきよひこ、べつやくれいなどの作家による、言ってみれば「もし私がいしいひさいちだったら」的なオマージュ漫画や、リスペクトインタビュー『大友克洋 「バイトくんは俺たち自身の姿だった」』などなど満載。

 練馬から本駒込に引っ越してきてから朝日新聞はやめて日経新聞だけになってしまったので、『ののちゃん』はそういえば読んでいないのだった。

 ひさしぶりの「いしいワールド」に浸れたなあ。

『文藝別冊 いしいひさいち<増補新版>新仁義なきお笑い』(河出書房新社/2016年7月30日増補新版刊)

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