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2016年9月13日 (火)

『アメリカ大統領選2016』の驚愕

 本書にはこんな但し書きが冒頭についている。

『この電子書籍は、2016年5月24日(火)に渋谷ユーロライブで行われた、『「トランプがローリングストーンズでやってきた」出版記念緊急トークショー』の内容を基に加筆したものです』

 まあ、確かに一冊の本にまとめるほどの内容や分量ではないけれども、2016年秋にアメリカ大統領選が行われるという緊急性に対応するためには、電子書籍という媒体は向いているのかもしれない。まあ、確かに「紙の本のページ数では70ページ」では、一冊の本にはならないもんね。

2016 『「言霊USA」特別LIVE アメリカ大統領選2016』(町山智浩著/文春e-Books/2016年8月20日刊)

 で、一番最初に結論を言ってしまえば「おわりに」の文章になってしまうんだろうなあ。

『トランプの人気は、長い間続いてきた二大政党制の崩壊を象徴しています。世論調査によると、2013年の時点で、民主党を支持するアメリカ人が31%、共和党支持が25%、そして支持なしが42%と最も多くなっています。二大政党制が崩れていくなか、アメリカは政界再編成が続いていくと思います』

 ということ。

 問題はこういうことなんだろうな。

『今、アメリカは景気がいいんです。オバマ政権になってから失業者はずっと減り続けています。これだけ景気がいいのに、現政権を握っている民主党が負けるとは考えづらいです。人間は保守的な生き物なので、もし現在の好景気が続いていれば、ヒラリーさんが勝つでしょうね』

『しかし、トランプは「だいたい8年ごとに絶対にバブルが崩壊するので、景気は今年2016年の間に悪くなる」と主張しています。実際、2008年にリーマンショック、2001年に9・11、そして1992年の父ブッシュ政権の時も景気が悪かったので、トランプの言っていることは結構正しいんです。もし本選の2016年の11月までに株価大暴落が起きたら、トランプがヒラリーを抑えて勝つでしょうね』

 まあ、この辺は不動産バブルを経験してきて、それを乗り越えてきたトランプならではの嗅覚なのかも知れない。

 まあ、その程度の「常識」でもってアメリカの政治は動いているって思った方がいい。別に、高邁な民主主義的な思想とか、新自由主義的な思想とか、実はそんなものはないポピュリズムでもって動いているんだな、と考えればアメリカ政治は分かってくる。

『80年代のバブル時代を象徴するビジネス・ヒーローがトランプでした。当時まだ30代だったトランプは、父が働いたブルックリンとクイーンズから出て、川を渡ったマンハッタン島に乗り込みました』

『70年代のニューヨークは荒廃していました。これがトランプにとってはラッキーだったんです。犯罪が多くて廃墟だらけで、地価がめちゃくちゃ安ったから。
 1980年、トランプはニューヨークのセントラル駅の隣にあったボロボロのホテルを安く買い、豪華にリノベーションしてグランド・ハイアット・ホテルとしてオープンして大成功しました。そして五番街に有名なトランプ・タワーを建てるわけです。トランプの不動産事業は、きらびやかでバブルな80年代の文化ともぴったり合っていました』

『80年代に、トランプはバブルの気流にのって不動産事業で成功しました。1987年に、過去に類を見ない世界的な株価暴落が起きましたが、トランプはバブル時代の調子で、派手な投資を続けます。いちばん有名なのは、ニューヨークの一番高級なホテル、プラザホテルの買収ですね』

『しかし、トランプのプラザホテル経営は赤字が続いて破綻し、とうとう買値よりはるかに安い値段で売却することになります。 
 他にも90年代初めにトランプはいろいろな事業に手を出しますが、ことごとく失敗します。ニュージャージーのフットボール・チームを所有して、NFL(全米で最上位のプロアメリカンフットボールリーグ)と対抗するアメフトリーグを作ろうとしましたが失敗。トランプシャトルという航空会社を設立して失敗。ニューヨークの南にあるカジノの街・アトランティックシティでカジノホテルを開いて失敗しました。こうして、90年代から今までに、トランプの会社は4回も破産しています』

『負けたトランプは、「White Grievance(白人の不満)」がいかにアメリカにたまっているのかを知ったのでしょう。「オレたち白人がアメリカを作ったのに、なんでこんなにみじめなんだ」という、貧困層の白人が抱えている気持ちです。パット・ブキャナン自身も今、「トランプは私の2000年の選挙戦をヒントにしたんだろう」と言っています』

『トランプがビンス・マクマホンから学んだのは、ものすごく傲慢なリーダーシップをとると、白人ブルーカラーは味方してくれるということです』

『共和党の支持者の多数を占める白人の労働者は、学校ではいじめっ子だった人たちだからです。『ドラえもん』ならジャイアンです。そしてトランプの差別的で傲慢な演説は、ジャイアンリサイタルそのものです』

『民主主義は昔から、ポピュリズムに歯止めをかけるシステムを作ってきました。政党政治もその一つですね。アメリカの大統領は、まず政党の中の予備選で候補者を選び、その候補者の中から国民が大統領を選ぶ。日本の総理大臣は、まず先に国民が選挙で国会議員を選び、議席を多くとった政党がその中で選挙をして総理大臣を選ぶ。どちらの場合も、ポピュリズムで政治の素人が政権を握らないように、安全装置がかけてあるわけです』

『それが今回、共和党と民主党の両方で起こったのが面白いですね。民主党の予備選では、党員でなかったバーニー・サンダースが最後までヒラリー・クリントンに食らいついた。トランプは白人ブルーカラー、サンダースは学費の借金に苦しむ若者たち、と二人ともウォール街を仮想敵にした層から支持されているのは偶然ではないです』

 てなことで、「世界の民主主義の手本」であったはずのアメリカ民主主義だってこんなもんだから、世界の民主主義だってその国、その国でもって、いろいろな「民主主義」があるんだろうなあ。

 まあ、あの北朝鮮だって、北朝鮮政府によれば「民主主義」は保たれているという話だし、中国だって「民主主義」は保たれているっていうんだよなあ。

 ってことは、つまり世界中にはいろんな沢山の「民主主義」があるってことなんですね。

 そう、つまりは私たちが「専制主義」じゃないかよ、と考えても、実はその国の国民は「我が国は民主国家だ」と思っている国は多いってこと。

 アメリカ合衆国もそんな「トンデモ民主国家」になってしまうのかな。

 まあ、アンドリュー・ジャクソン以来のポピュリズム政権になってしまうのか、ここで肺病病みのヒラリー・クリントンが押しとどめて、アメリカを前の通りのリベラリズム(だけではないけれどもね)の国に戻すのか、これは大いに見ものだ。

 っていうか、その流れは我が国にも及ぶからなあ。

 多分、トランプが勝っちゃうと、その流れは日本にも及んで、民進党とか自民党の低位集団あたりのポピュリストがブイブイ言わせるのが目に見えてくるんだ。

『「言霊USA」特別LIVE アメリカ大統領選2016』(町山智浩著/文春e-Books/2016年8月20日刊)

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