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2016年8月30日 (火)

『情報参謀』でも、ちょっと残念なこと

『情報参謀』っていうから、なにかスパイ映画みたいなものなのかなと予想していたら、そうじゃなくて自民党の選挙参謀ってことなのね。

Photo 『情報参謀』(小口日出彦著/講談社現代新書/2016年8月1日刊)

 2009年の自民党衆院選大敗から2013年第二次安倍政権復活から夏の参院選大勝までを四つのフェーズに分けて、その間のネットを利用した選挙の戦い方を描いたのが本書である。

 四つのフェーズとは何か。

第1フェーズ (2009年秋~2010年7月参院選) 野党転落 ──報道分析から復活への手がかり

自民党大敗の総選挙結果を「データ」だけで80%超的中させた分析をきっかけに、自民党本部の情報分析会議が始まる。2010年4月までは週に1度の暗中模索。5月の連休明けから分析ピッチを毎日ペースに詰めて参院選に臨む。ネットCM戦略なども果敢に織り込んで政権奪還への橋頭堡を築く』

第2フェーズ (2010年秋~2011年夏) 膠着停滞 ──テレビ+ネットデータで精密度アップ

小沢一郎氏の「ニコニコ動画」独占会見や「尖閣ビデオ」の流出(YouTube)をきっかけに、政治の世界にネットが食い込む。自民党もネットメディア利用を加速。ネット上の情報分析も本格化。テレビ報道状況が一目でわかるインフォグラフィックスを作成。東日本大震災を経て情報収集・分析の手法が確立する』

第3フェーズ (2011年秋~2012年12月衆院選) 政権奪還 ──ネット積極活用で注目を集める

民主党3人目の野田佳彦総理。前任2人に比べて手堅い分、情報的には“地味”。政治全体の情報露出が少なくなり、情報分析もやりにくくなった。世論調査結果も不安定。そんななかで安倍晋三現総理が「総裁再チャレンジ」で浮上。自民党総裁選が注目を集めた。安倍新総裁が党首討論で解散を引き出し、年末の総選挙で一気に大勝』

第4フェーズ (2013年1月~7月参院選) 完全勝利 ──IT全面武装で選挙に臨む

第二次安倍政権発足。勝った勢いを緩めず、7月の参院選に向けて1月から選挙態勢。蓄積した情報戦ノウハウを全力投入で臨む。初のネット選挙運動解禁の国政選挙。自民は候補者全員にタブレット端末を配付、ゲームアプリを入口にして有権者を政策サイトへ誘導。また、司令塔としてIT企業を巻き込んだプロジェクトチームを設置し、参院選圧勝』

『2009年8月30日の第45回衆議院議員総選挙。
 この日、自民党は民主党に歴史的大敗を喫した。民主党308議席に対し、自民党119議席。議席占有率64・2%という、民主党にとって空前絶後の大勝利だった。9月には鳩山由紀夫内閣が発足し、対する自民党は政権の座を失い、野党に転落という未曾有の危機に陥っていた』

 それが小口氏率いるエム・データ社が自民党の情報分析会議のメイン・メンバーとして関わるきっかけになったのである。つまり『その内容は、テレビの報道内容や、インターネット上のブログや掲示板の書き込みやその拡散=ネットクチコミ情報を大量に集め、そのデータを数理モデルに当てはめることで、全国300小選挙区の得票率予測に挑む──というものだった。要するに、テレビやネットの情報だけで選挙の当落予測をしてしまおうという、大胆不敵なプロジェクトだった。
 このプロジェクトにかかわったのが、テレビ番組を24時間365日チェックしているエム・データ社、ウェブ上のソーシャル・ビッグデータに関するサービスを提供するホットリンク社、予測数理モデルを作成する東京大学の3者。このときの私は、当初エム・データ社の取締役という立場で参画したが、プロジェクトの実施段階で私がオーナーであるパースペクティブ・メディア社の代表として情報分析の進行と予測結果の発表を統括した』 というもの。

『エム・データ社では、100名ほどの人間が、1日8時間ずつ3交代勤務でリアルタイムにテレビを視聴している。テレビに映った映像の内容(情報)を、テキストデータ(メタデータ)として記録していくのである。テレビ局名、番組名、放送日時、放送開始・終了時刻、番組内で放送された内容、会話やテロップ、企業名、出演者名など、映像や音声から得られるメタデータをテキストにしてつぎつぎと打ち込んでいく。このテキストデータの集積がテレビ情報のデータベースになり、コンピュータで検索したり分類したりできるようになる』

『一方、インターネット上のデータは、そもそもコンピュータを介して書き込まれたテキストなのではるかに扱いがたやすい。ブログ、掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスにアクセスできる方法さえ確立すれば、自動的に取り込める。あるひとまとまりのテキストから「いつ」「誰が」「なにを主題として」書いたテキストなのか──といったメタデータを取り出す手法もいくらでもある。ホットリンク社は、当時(2009年)で「35億ページ」分と言われる日本語の書き込みページをすべて集め、毎日ネットメタデータの蓄積量を増やしていた』

 とまあ、なんとも地味な作業の積み重ねなんだなあ。それが集まると「情報」として意味をなしていくのである。そして情報というものは、集めれば集めるほど真実に近づいていく。勿論、それはただ単に集めるだけではなく、どんな幹に沿って集めるのかということが大事なんだけれども。ふつうはそんな地道な情報集めに嫌気がさしてしまい、中途半端な情報だけで動いてしまう。

 それが私たちの日常である。でも、そんな日常を捨てて、とにかく情報を収集することを続けていけば、それは意味のある情報になっていくんだなあ。

 そして2013年7月の参院選から大きな変化が現れる。つまりそれが「ネット選挙運動の解禁」ということ。しかし、「ネット選挙運動の解禁」といっても、この段階でのネット選挙運動というものはかなり限定的なものだった。本格的な解禁はその後の、2014年2月の都知事選からではなかったのだろうか。

 このときもっとも「ネット選挙運動」に熱心だったのが家入一真氏で、完全にネット中心の選挙運動を繰り広げた。それこそ「選挙公約」すらもネットで募集するっていう、積極的なのか、自分が何も考えていなかったからなのかわからなかったが、取り敢えず一番ネット選挙運動というものの本質をとらえていたのではなかっただろうか。

 その都知事選については触れていないのがちょっと残念ではある。自民党(舛添要一氏)がその都知事選でいかにしてネット選挙運動を繰り広げていたのか,、そしてそれが家入一真氏のネット選挙運動とどう違っていたんだろうか、ということに触れて、初めて「情報参謀」の何たるかがわかると思うのだが、如何なもんだろうか。

『情報参謀』(小口日出彦著/講談社現代新書/2016年8月1日刊)

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