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2016年8月25日 (木)

『「強すぎる自民党」の病理』というよりは日本政治の病理なのだ

『「強すぎる自民党」の病理』って言うんだけれども、むしろ問題は「強すぎる自民党」という存在を許している選挙民の問題なんじゃないだろうか。それを「病理」と感じるかどうかという問題であって、大方の選挙民にとってはそれは「病理」だとは感じていないってことなんだろうなあ。

 まあ、日本における民主主義の形骸化っていうのは、実は形骸化ではなくて、初めから日本には西洋型民主主義が根付いていなかったということだけは、よくわかった。

 まあ、江戸時代からの日本式政体がそのまま、衣だけを変えて残っていたんですね。つまりそれは、ボトムアップ式の、根回しでもって全員一致という形で「誰に責任があるのかがわからない」方式の日本型民主主義っていう。

Photo_2 『「強すぎる自民党の病理」老人支配と日本型ポピュリズム』(池田信夫著/PHP新書/2016年8月24日刊)

 本書はつい最近行われた参議院選挙結果をもとに書かれているのだが、池田氏は「はじめに」で本書の内容のすべてを語っている。

『安倍晋三首相は「アベノミクスが支持された」と自画自賛しているが、成長率はゼロに近づき、アベノミクスの目玉だったインフレ目標は2%どろこかマイナスだ。補正予算で景気をもたせているが、政府債務は1100兆円を超えた。ろくな経済政策もない自民党が、なぜこれほど強いのだろうか。
 明かな答は、野党が弱すぎるということだ。特に今回、民進党が共産党を含む「野党統一候補」を立てた戦術は失敗に終わり、共産党の議席は倍増したが、民進党の議席は大幅に減った。政策協定もない統一候補で、政権を取る展望はまったくない。最初から万年野党として生き残るのが精一杯なのだろうか。
 もう一つの答は、自民党が増税など有権者のいやがる政策をすべて先送りし、財政や社会保障などの厄介な問題にまったくふれないことだ。2017年4月に予定されていた消費税の増税は再延期されたが、高齢化は急速に進み、将来世代に莫大な負担が転嫁され、最悪の場合は財政が破綻する。
 ところが与野党ともに、財政にも社会保障にもまたくふれない。投票者の多数派が社会保障の受益者である老人だからである。このような老人支配を「シルバー民主主義」と呼ぶが、このように社会保障が争点にさえならない状態では、国民に選択肢がなく、民主主義は機能しない。社会保障は経済問題ではなく政治問題なのだ』

 そして、「第9章 成長経済から成熟経済へ」の中の「無党派の若者はブルーオーシャン」や「エピローグ もし小泉進次郎が首相になったら」では、本書における最後の希望について語る。

『自民党の国政選挙の絶対得票率は、ここ10年ほど17~20%で、世代によってもほとんど変わらない。つまり民進党は自民党に負けたのではなく、棄権した無党派層に負けたのだ。これはもっと長期の時系列データでみても明らかだ』

『それまで投票に行かなかった無党派層が、2005年には小泉改革に期待し、2009年には民主党政権に期待したのだが、その結果に失望してもとに戻ったのだ。
 もう一つ2000年代に一貫しているのは、政党支持率で見ると無党派層がほぼ半数を占める圧倒的な「第一党」だということだ。これは先進国では珍しい現象で、ここに自民党も民進党もつかめないブルー・オーシャン(未開拓の市場)がある』

『必要なのは、多くの無党派層にアピールする大胆な戦略の転換である』

 ということは、参議院選挙のすぐ後に行われた東京都知事選でもみられた現象であり、やはりそこでも無党派層を取り込んだ小池百合子氏が大量得票でもって自民党推薦や野党共闘推薦候補に勝ってしまったのであった。

『安倍首相に代表される日本の保守派は、明治以降の天皇制国家を日本の伝統と錯覚し、政策的には国家社会主義に近い支離滅裂なものだ。英米の保守党は財政についても保守的なのだが、自民党は国債がいくらでも発行できるようになったおかげで、世界最大の放漫財政の党になった』

『日本型ポピュリズムが変わる兆しはないが、長い目で見ると希望はある。次の首相としていろいろな名前が取り沙汰されているが、小泉進次郎は次の次ぐらいの有力候補だろう。彼は自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」の事務局長になり、「レールからの解放」という中間報告をまとめた。この報告書の特徴は三十~四十代の若い議員を集め「2020年以降の社会保障のあり方」を検討したことだ』

『オンバランスの1200兆円だけではなく、社会保障でオフバランスの債務を1000兆円以上も抱えた政府は、あと20年はもたないというのが多くの専門家の見方だ。これを緊縮財政で再建することは絶望的であり、解決する方法はヘリコプターマネーやハイパーインフレなどの「計画倒産」しかない』

『小泉進次郎の難点は、まだ三十五歳と若すぎることだが、彼の世代になれば問題が顕在化し、先送りはできなくなるだろう。彼の父が銀行の不良債権を最終処理できたのは、先送りされてきた問題が1998年以降の銀行破綻として顕在化したためだった。もちろんそういう破綻は起こらないほうがいいが、今回の債務はそのときより一桁大きく、国家財政の問題だという点でははるかに困難だ。今から準備しておいて早すぎることはない』

 う~ん、どうなんだろうか。

「自民党をぶっ壊す」といって自民党総裁になった人の息子が「日本を一回ぶっ壊す」といって首相になり、一度ぶっ壊した日本を再生させることができたら、それはそれ、もしかしたら日本の戦後第二の創業期における最初の宰相になれるかも知れない。

 小泉進次郎氏には「2020年に小泉新党を作って、今度こそ本当に自民党をぶっ壊し、新しい日本を作る」という構想があるという噂がある。

 いずれにせよ、日本経済がここまで来てしまった以上は、一度財政破綻させて日本経済を一度ゼロ状態にして、そこから再生させるしかないのではないだろうか。それをやるのが小泉進次郎か誰かは分からないが、取り敢えずは2020年東京オリンピックのあたりで破綻が明らかになって、一度、財政破綻。そこから再度立ち上がれるかどうか、というシナリオはかなりリアルなシナリオだ。まあ、オリンピックの前になるか、後になるかでもって、かなりおおきな違いが出るだろうけれどもね。

 その前に日本から逃げ出してしまうか、甘んじて財政破綻を受け入れて、その後をじっくり見てやるかといった選択は私たちひとりひとりが選択すればいいのだけれども、多分、破綻直前になったら日本国内からの財産移転は法律的にできなくなるだろうから、逃げ出すのなら今のうち、ってことですかね。

 その場合は、2020東京オリンピック観戦はあきらめてね。

『「強すぎる自民党の病理」老人支配と日本型ポピュリズム』(池田信夫著/PHP新書/2016年8月24日刊)

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