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2016年7月19日 (火)

『負ける技術』じゃないでしょ、これは

「負け犬の遠吠え」の酒井順子さんしかり、そしてこの『負ける技術』カレー沢薫さんしかり、どうして作家ってそんな自分のネガティブ自慢が好きなんだろう。って書いて、確かに「私って殿方にモテるんですのよ。オホホのホッ」とか、「俺サマはモテモテで、女なんて百人切りだぜ」なんてエッセイを誰が読むんだっていうのは事実だ。

 なので女性がエッセイを書くと「自分がモテない話」「非リア充話」が多いんだけれども、実際にその人の書いたものを読んでみると、「ええっ、このひと結構リア充じゃん」ていう人が多いんだよな。

 本書のカレー沢薫さんだって、ちゃんと結婚してるし、家も建ててるし、OL兼漫画家として天下の講談社『モーニング』や『モーニング・ツー』で連載を持っているんですよ。もー、充分勝ち組リア充じゃないですか。それをなんで非リア充エッセイで受けるんだろうなあ。

Photo 『負ける技術』(カレー沢薫著/講談社文庫/2015年11月1日刊)

 そう、そして結構結婚(式)ネタも多いんだよなあ。

『結婚式といえば細かな差はあれ、テーマは幸せ、である。今まで人の不幸を大粒の涙を見せて笑ってきた自分のことである、始終幸せ押しの結婚式なんぞがエンタメになるとは到底思えないのである。
 とはいっても、自分がウェディングドレスを着て登場した時点で9割スベっているので、この際、小さなスベりには目をつぶって式を行うしかないのだ』

『結婚報告をした際、負け犬発言ばかりしていた割にはちゃっかり勝ち犬ではないか、などと言われることが多かった。確かに私も勝った! と言いたいところなのだが、先日、「高校生カップル、自転車を手をつなぎながら並走」、というすべてがそろい過ぎてなにから憎んでいいのか分からない二人組を見つけて10秒くらい心臓が止まってしまったので、どんな立場になろうと私に勝ちはない。式の最中も隣のでかい会場で式をしているカップルが憎かったほどである(爆発すればいいと思っていた)』

 とか

『1年ほど前、ハワイへ新婚旅行に行った。
 現地は日本語が9割がた通じると聞いていたので安心していたのだが、夕飯を食べに行った高級レストランがいきなり、日本語話せる人間皆無という引きの強さかを初日から見せつけた。幸先の良いスタートである。

 辛うじて読める上に聞き覚えのある酒があったため、「これや!」と思い、特に何も考えず注文した。

「ドン・ペリニヨン」である』

 なんてね。

 とは言うものの、それにはこんなオチがある。

『担当氏より「新婚旅行の話も良いですけど、負け組の立場からリア充を逆恨みする内容に統一してはいかがでしょうか」という打診があった。そのうち「そろそろ離婚、もしくは車に轢かれてみてはいかがでしょうか」と言われそうで恐ろしい』

 実は同じような話が本書にはもう一か所あって

『もちろん離婚などしたくないと思っているが、万が一したとしてもそれも芸の肥やしですよね、みたいなことを担当氏に言ったら「離婚なんてみんなやってんだからなにを今さら」と両断。
 結婚して面白くなくなり、離婚してもスベる。これからどういう方向で行ったらいいのか』

 まあ、ここまで負け犬根性が居座っては批評のしようもないんだけれども、でも実際には勝ち組リア充って、その落差はなんなんでしょうね。しかも、その「負け犬根性」で受けているっていうことは、実際には読者を裏切っている? あるいは「この女、本当に負け犬だっ」って読者を信じ込ませているほどの文章力だってのか?

 まあ、わたくし的には一番受けたのがカレー沢さんがMixiで書いた文章。

『しかしフォロワーが全員女の同級生だったら話は別であり、現に、読み手が〝リアル知り合い(同世代の女性多数)〟のみだったミクシィに書きこんだ私の誕生日の日記がこれである。
《俺の誕生日》
「遅ればせながらまいばーすでーりぽーと。年を取ることに関しては嬉しくないですけど、たくさんの人にお祝いのメッセージ&メールもらって、そういった意味ではとても嬉しかったです。せっかく誕生日なので彼のお金でおいしい物を食べに行きました。場所は、二人が出会った思い出の場所。彼に『この一年の抱負は?』と聞かれたので、思いやりを持つこと、自分のことだけでなく他人のために動くこと、もっと気配りができるようになること、と言いました。あと、お菓子を食べ過ぎないようにする(突然のレベルダウン)。それと性格をセクシーにする。(中略)はっぴーばーすでいとぅーみー」

 中身がスイーツ(笑)でタイトルは中二病である。これで幸せアピールができていると思っていた当時の自分が悲しくなるが、ふだん自虐で笑いを取ろうとしている女でさえ「女の見栄の張りあい」という戦場に立たされると、このありさまなのである』

 これには思わず「ブファファファー」と笑ってしまったのでした。

Photo あんまり綺麗じゃないね。

『負ける技術』(カレー沢薫著/講談社文庫/2015年11月1日刊)

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