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2016年6月12日 (日)

『中国メディア戦争』から見えてくるもの

 まあ、やっぱり問題は習近平政権の強圧的な政治運営が、近いうちに問題になるのだろうし、しかし、その一方で強圧的な政治運営をしないと汚職などはなくなっていかない、っていうこともあるんだろうなあ。

 勿論、共産党政権での下での資本主義経済運営っていうもの自体が無理があるんだけれども、社会主義経済が既にソ連の崩壊でもって証明されてしまっている以上、そんな無理をしてでも国家を成り立たせるためには取り入れなければならない方策なんだろう。でもやはり無理があるものは無理がある。

 で、そんな共産主義政権下のメディアなんだけれども……。

Photo 『中国メディア戦争~ネット・中産階級・巨大企業』(ふるまいよしこ著/NHK出版新書/2016年5月10日紙版刊・5月31日電子版刊)

 勿論、メディアというものが、基本的にその目的を「国家の悪事を暴く」というスタンスを持ってしまっているものである以上、国としてはそれに対抗しなければならない、というのは別に共産党政権でなくともあるわけだ。当然、我が国の政権だって高市早苗総務大臣の「電波法76条に基づいて電波停止を命じる」発言なんかがあるわけで、これは「言論の自由」というものが認められている我が国においても、「言論統制ができる」というトンデモ発言なわけなのだが、共産党の一党独裁国家においてはそれがもっと「一気通貫」でもって通されちゃうってことなんだなあ。

 そこで面白いことが起きた。アリババというのは今や中国を代表するような大企業なんだが、その企業を巡っての話だ。

『アリババもすでに中国を代表する巨大企業となった。ITをビジネスのバックボーンにしているという意味でも非常に象徴的である。だが、「アリババ(=中国企業=中国政府の手下)」対「SCMP(=英字新聞=西洋的ジャーナリズム)」という図式は、本当に的を射ているのだろうか。もし「中国を代表しているから中国政府の手下」なら、そんな企業に資金調達の場を提供したニューヨーク株式市場は、共産主義の資金集めの場といえなくもない』

『アリババは中産階級とともに成長し、彼らに支えられてきた。もし、中産階級が「仇富心理」を本格的に抱くようになれば、彼らはアリババのサービスから離れ始めるはずだろう。だが、それは今のところ起こっていない』

『一方で、知識人やメディア関係者がアリババを語るときにひっかかっている点があるのも事実だ。「無界新聞」の立ち上げである』

『「無界新聞」は著名コラムニストなど一〇〇人以上の記者や編集者を集めて華々しく、二〇一五年四月にサービスを開始した。そんなセンシティブな土地における国策に深く関わるメディアに参加しているアリババ。そこに、「権力者」におもねようとしているのではないかと疑念を抱く人たちもいる』

『二〇一六年三月、その「無界新聞」に、なんと海外の反中国サイトに掲載された、習近平に辞職を迫る公開書簡が転載されたのである。

 書簡に挙げられた「辞職すべき理由」は主に以下のようなものだ。
●政治 民主を集めて核心とする党の委員会集団指導の原則を捨てて、権力を過剰に集中させた。
●外交 鄧小平同志の「韜光養晦」(才能を隠してひけらかさないこと)という一貫した方針を捨て、盲目的に手を出し、良好な周辺国際環境を作れていない。
●経済 中央財経経済指導小委員会を通じてマクロ及びミクロ経済政策に手を直接出した結果、株式市場、不動産市場に激震をもたらした。
●思想文化 「メディアの姓は党」を強調し、人民側に立ったメディアを無視して、全国を驚愕させた。(中略)妻の妹を中央電視台の春節晩会(中国版の「紅白歌合戦」)の製作責任者とし、皆が大好きな春節晩会を個人の宣伝ツールに仕立てあげた。』

 まあ、こんな記事をサイトにアップしたって、当然、すぐに削除されちゃうんだけれども、その削除される前にそれを読んだ読者たちがすぐに別のブログやサイトにコピペしちゃうのが今の中国のメディア事情らしい。まあ、イタチごっこって言えばイタチごっこなんだけれども、その繰り返しが結局サイトに載ったニュースがいつまでたってもなくならないってことらしい。

『多様な市場メディアが登場したとはいえ、社会生活のすべてに口と手を出す「大きな政府」の社会主義制度下において、メディア関係者が実際に目にしたことを正式に記事にできないこともまだまだ多い。真実を伝えようと正義感に燃えるジャーナリストたちは、取材中に見知った話を伝える手段をブログ(博客)に見つける』

『自身が所属するメディアで発表した記事をそのまま個人ブログに転載する記者も現れた。日本からすると奇異に思えるこの手法は、中国ではあっというまに受け入れられた。そこには中国らしい背景がある』

『そこで使われる「コピー・アンド・ペースト」、つまり「コピペ」も中国独特の役割を発揮した』

『厳格に言えば、著作権的には大きな問題である。だが、もともと無料のブログサイトで公開された記事が、彼本人の名前が冠された別ブログで無料公開されているということに、彼自身もそれほど頓着している様子はなかった』

『中国におけるコピペといえば海賊版問題としてよく知られている。実際に中国国内の著作権に対する意識は、世界的なビジネス環境における意識とかなり大きな隔たりがある』

『問題は、中国が市場経済を取り入れているものの、その背景には長らく続いた社会主義国の習慣と考え方がまだ色濃く残っているということだ』

『そのような社会で育ってきた人々にはコンテンツ利用に著作権が発生するなどまったく想像外であり、コピーの手段が簡便になればなるほど、人々はそれに群がった。そして市場経済が導入されると、コピペを金儲けに使い始めたのだ』

『「コピペ」が多用される背景には、もう一つ、この国では伝統的に、「模倣する」という行為には、原典への尊敬の意味が込められていることもある』

「著作権」という「個人に発生する権利」なんて発想のない社会では、なるほどディズニーランドやドラえもんを「模倣する」のは当たり前という考え方なんだな。と、同時にそれを強みとして捉えて、それを社会運動にまで発展させようというのが「コピペ」なんだなあ。

 まあ、こうしたメディアの動きだけで共産党政権が倒れることはないだろうけれども、少なくともその「きっかけ」にはなるのかもしれない。

 習近平さんとしては、「甘くしては、自身の政権が揺らぐ」ということになるし、しかし「厳しくしすぎてしまっては、やはり深く浸透したこうしたメディアの動きでもって立場が危うくなる」ってわけで、う~ん、それはそれで大変だ。

 まあ、一党独裁なんて辞めちゃえば気楽なんだけれどもね。

『中国メディア戦争~ネット・中産階級・巨大企業』(ふるまいよしこ著/NHK出版新書/2016年5月10日紙版刊・5月31日電子版刊)

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