フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« はあちゅうの『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』は自己啓発小説 | トップページ | 小机城(址市民の森) »

2016年5月24日 (火)

『紙と電子を融合した出版事業を』って、最早当たり前なんだけれどもね

「出版会唯一の専門紙」である『新文化』5月19日の一面トップは『紙と電子を融合した出版事業を』という記事。

Img0012 『新文化 2016年5月19日号』(新文化通信社)

 まあ、電子書籍の大手取次会社「出版デジタル機構」社長の新名社長の寄稿なんだから、まあ、言うことは当たり前っちゃあ当たり前なんだけれどもね。でも、それは事実なんだから仕方がない。

『コミック分野の明確な電子シフトである。電子コミックのシェアは紙版の5割に迫る勢いで、雑誌を含めて下がり続けていたコミック全体の売上を2年前から増加に転じさせた』というのだから、まあ、この分野らしい明確な電子シフトではある。もっとも、コミック分野の電子化というのは、そのほとんどがスマートフォン利用で読まれていて、あまり電子書籍リーダーというものでは読まれていないようだ。まあ、その辺がコミックらしいっちゃらしいんだが。

 一方、コミック以外の一般書の分野ではそれほどの勢いはなく、基本的に下降曲線は変わらないようだ。

 まず『あるアンケートによると、書籍を読むのに最適の手段として紙書籍をあげた日本人は74%にも上がったそうだ。これはアメリカ人の51%やイタリア人の54%よりもはるかに高い数字である』という状況がある。日本人はそんなに「紙フェチ」なのかというと、そうではなく単に「本を読む人」が全体的に減ってきているということなのだ。つまり、日本人全体的には本を読む人が減ってきているのだが、まだ本を読んでいる人たちは、いまだに紙版の本を読んでいるってことなのだなあ。

 読者の数が減って、書店の数も減って、取次の数も減って、という状況の中で出版社はどうすればいいのか。要は書籍の電子化をもっともっと推し進めるしかないのである。

『電子書籍を発売すると紙書籍も売れ始める。あるいは電子書籍でキャンペーンを仕かけると、紙書籍も売行きが伸びる。こうした事例がちょくちょく出始めている。この現象は日本以上に大きな電子書籍市場が成立しているアメリカでもよく知られている。
 さらに電子コミックの事例がある。ここ数年、電子コミックは急激に市場を伸ばし、無料連載、定額読み放題など、紙版コミックにとっては脅威と思えるサービスが次々と登場してきた。にもかかわらず、2013年以降、紙版コミックの単行本の売上は減少していない。それどころか微増しているのである』

 問題は、販促方法なんだなあ。

『いまや日本でも一般読者にとって最大の情報収集先はネットである。出版社が紙書籍に関する充分なデジタル情報を提供できていない日本では、電子書籍そのものがウェブの情報となり、ひいては紙書籍の売上に影響しているのだ』

 つまり、こうした状況から日本の出版社がとるべき戦略が見えてくるじゃないか。

『出版社にとって、もはや紙書籍と電子書籍を二項対立として考える時代は終わった。出版社が利益を最大化し、著者に還元し、将来も事業を継続するためには、可能な限り紙版と電子版の両方を刊行すべきだと考える。出版社出身の私の経験では、電子書籍の割合が多くなるほど出版物の利益率が改善されるという事実も無視できない。
 出版社はこれまでの本造りと同様、作品の特性や想定する読者に応じて紙版と電子版の出版形態を検討し、同時に刊行するのか、どちらか一方を先行するのか、順番も自由に検討すればよい。
 ただし、権利処理とデータファイルの制作は紙版と電子版を同時に行うことがコストの観点から最も望ましい。また、アメリカの出版社のように紙書籍と電子書籍を一体化した原価計算、売上管理も考えるべきだ』

 当然である。ある媒体でのキャンペーンは当然ほかの媒体にも実質的に影響をあたえるものなのだから、電子書籍でキャンペーンを仕かけると紙書籍も売り上げが伸びるのは当然であろう。

 もはや、「紙→電子」という流れは抑えることはできないのだから、むしろその流れに乗って、出版社は積極的に電子化を推し進めるべきなのだ。

 読書ブログを書いている私も今年に入ってからは、写真集などを除けば、読んでいる本のほとんどは電子版(というかKindle版)になってしまった。という位、電子書籍の存在は「ごく当たり前」になってきているのだ。この期に及んでいまだに紙版しか出さない出版社は、もは旧守派としか言いようのないものだし、旧守派というものは歴史から消え去るしかないものなのだ。

 もはや自らの出版物の電子化ができない出版社は歴史から消え去るしかないのかもしれない。あるいは書籍の電子化で優先する大手出版社の傘下に入るしかないのかも。

『このような歴史の転換点に誕生した出版デジタル機構は、出版社のよきパートナーになりたいと考えている。今後は単なる電子書籍の取次会社にとどまらない。紙でも電子でも、出版物の制作から販売までを広くサポートしていきたい。
 まずはアメリカBIG5を含む出版社320社が利用し、成功を収めているウェブ上の画期的な販促サービス「NetGallery」を日本に導入する予定。さらに紙・電子書籍などマルチ展開に対応した編集制作システムの提供もスタート予定だ。出版デジタル機構は、ウェブやデジタルの技術を活用した「パブリッシャーズ・サービス・カンパニー」として、大きな変革に立ち向かう出版社とともに、新時代の出版ビジネスに挑戦しようと考えている』

 というのだから、この際、出版デジタル機構をおおいに使い倒して、新しい形の出版社がどんどん出てきてほしいものだ。

 勿論その「新しい出版社」っていうもののなかに、著者自身が出版社になってしまう「セルフ出版社」や作家エージェント会社が紙版の権利は既存の紙版出版社に売るが、電子版の出版権は自ら持って、直接電子出版市場で販売し、著者に多くの印税を払う、なんて形で著者に還元しようという会社が出てきてもおかしくない。

 まあ、出版社、出版産業というものが大きく変化をしようという時代なんだってことを感じ取ってもらえばいいということなんでしょう。

 勿論「紙フェチ」の人はまだまだ残るでしょうが、まあいずれは消えゆく運命。出版社としてはそんな「消えゆく運命」に自らの会社の運命を託すわけにはいかないだろうから、どうしたって自らの販売する書籍の電子化には前向きにならないわけにはいかないだろう。

 コスト的にも書籍の電子化っていうのはおおいにプラスに働くわけなので、あとは「どうやれば電子書籍ってつくれるの?」っていうのがわからない出版社に、「電子書籍はこんなに簡単に作れるんですよ」ってのを教える会社が必要だってわけか。

 で、そのために出版デジタル機構が作られたってわけですね。

 ね。だから自ら電子化なんてことを考えていない(考えられない)零細出版社は、そこをいかに使い倒すかってことですね。

 頑張れ、日本の出版社!

 その辺に、私の年金も関わってくるのだ(といっても私の年金はK談社の企業年金だから、他の会社は関係ないけれどもね)。

 ということで、今日の〆にしよう。

 

« はあちゅうの『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』は自己啓発小説 | トップページ | 小机城(址市民の森) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/63671816

この記事へのトラックバック一覧です: 『紙と電子を融合した出版事業を』って、最早当たり前なんだけれどもね:

« はあちゅうの『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』は自己啓発小説 | トップページ | 小机城(址市民の森) »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?