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2016年4月26日 (火)

『中国4.0』って、一体何なんだ?

『2000年以降、「平和的台頭」(中国1.0)路線を採ってきた中国は、2009年頃、「対外強硬」(中国2.0)にシフトし、2014年秋以降、「選択的攻撃」(中国3.0)に転換した。来たる「中国4.0」は?』そしてそれに対抗する日本の戦略は? というのが本書のテーマ。

4 『中国4.0 暴発する中華帝国』(エドワード・ルトワック著/奥山真司訳/文春新書/2016年3月20日刊)

『「チャイナ4・0」が中国にとって最適な政策となるには、習近平が対外政策において次の二つを実行する必要がある。
 一つは、例の「九段線」、もしくは「牛の舌」の形で知られる地図を引っ込めること。つまり南シナ海の領有権の主張を放棄することだ。これによって、インドネシア、マレーシア、ブルネイ王国との領有権問題を解消できる。もう一つは、空母の建造を中止すること。これによって、アメリカの警戒感を解消できる』

 というのだが、習近平がそのような政策をとるとは思えない。

『一般に外国についての理解度は、国の大きさに反比例する。基本的に国の規模が大きくなれば、外国についての理解度も落ちるのだ。さらに中国の場合にはそこに「天下」という世界観、「冊封体制」というメンタリティーが付け加わる。そのため彼らはますます外国を理解できなくなるのだ』

 ということになると、ますます尖閣諸島の危機は増すのだろうか。

『具体的に日本はどう対処すればよいのか。最も効果的な対処法は、「封じ込め」である。「封じ込め」とは、極めて受動的な政策である。意図的な計画は持たないままに、ひたすら「反応する」ことに主眼を置く政策だ』

『中国が軍の部隊を上陸させ、尖閣諸島をいきなり占拠したとしよう。そこで必要になってくる「多元的な能力」とはいかなるものか』

『第一に、日本は中国を尖閣から追い出すために、アメリカの支援を必要とする。ところが公式的にはアメリカ政府は、「領土紛争では中立の立場を守る」という立場をとっているので、すべては大統領自身の決断にかかっている。そして大統領の決断は、その時のアメリカ国民のムードや感情に左右される。日本政府および日本国民はこのことを肝に銘じておかなければならない』

 で、たぶんアメリカ国民は「尖閣は日本に任せろ」ということになるだろう。

『第二に、日本政府は、アメリカの支援を求めつつも、まずはこれに依存せず、独力で島を奪還する能力を備える必要がある。具体的にはまず海上保安庁にその主要な任務を与えるべきだろう。もちろん海上自衛隊にも同様の任務を与えることができるが、その場合、それぞれに同じ任務ではなく、個別に独立した任務を与えるべきである。海保と海自には、独自の能力と優先的な任務があるからだ。したがって、陸上自衛隊にも、占拠された尖閣に特殊部隊を送り込むことも含めて独自の任務を与えるべきだ。航空自衛隊についても同様である。制空権を掌握することによって島を隔離するのだ』

『外務省も、中国を尖閣から追い出すための独自の計画をもたなければならない。中国が占拠した場合を想定して、アメリカ、インドネシア、ベトナム、そしてEUなどへの外交的対応策を予め用意しておくのだ』

『中国が尖閣に上陸すれば、外務省、海保、海自、陸自、空自のすべてが予め用意していた対応策を即座に実行に移すのである。単なる非難では全く効果はない。具体的な対応策を事前に想定してすぐに実行できるよう準備しておくべきなのだ』

 ポイントは日本のリーダーの行動だろう。

『日本がもし尖閣を守りたいのなら、日本のリーダーにもこのくらいの意識が必要になってくる。より具体的に言えば、(A)「領土を守る」という国民的コンセンサスと、(B)それを実現するためのメカニズム、つまり電話をとって自衛隊に尖閣奪還を指示できる仕組みの両方が必要になる』

 つまり、国会で審議するよりも早く、まず首相が直接的に行動を起こすということなのだが。実際には日本の首相はそんな行動は起こしそうもない。

 で、結局はこんな行動を起こしそうだなあ。

『ここで肝に銘じておくべきなのは、「ああ、危機が発生してしまった。まずアメリカや国連に相談しよう」などと言っていたら、島はもう戻ってこないということだ。ウクライナがそのようにしてクリミア半島を失ったことは記憶に新しい』

 たぶん、日本の首相たちは歴代そうなのだが「アメリカの傘の下」意識が強すぎるので、結局戦時の判断というものはできない。で、結局「ああ、危機が発生してしまった。まずアメリカや国連に相談しよう」ということになる。

 つまり、こうなったら尖閣諸島は中国に奪われてしまうということなのである。

 ただし、中国にとって尖閣諸島は奪ったからといって、実は何も意味をなさないということ。多分、尖閣地域で漁業を行いたい漁師たちが喜ぶだけで、中国にとっては尖閣諸島はなんら戦略的拠点にはならないだろうということ。明の時代の「冊封貿易」みたいに沖縄が手に入れば、そこから先はもはや太平洋。アメリカと同じ海を共有して、アメリカとしのぎを削ることも可能なのだけれども、逆に日本にいる米軍基地の75%が沖縄にあり、その米軍基地を中国が追い出すことはあり得ない。

 なので……

『現在の日本は、アメリカと同盟を組みながら中国に対峙しているが、ここで決定的に重要なのは、日本側からは何も仕掛けるべきではないということだ。つまり逆説的だが、日本は戦略を持つべきではないし、大きな計画をつくるべきではないし、対応はすべて「反応的」なものにすべきなのである』

 さらに、中国という国の特殊性というものにも気がつかなければならないだろう。

『その特殊性とは、(A)超大国としての人口・経済規模を誇り、その動向が世界中に多大な影響を与える潜在力を持っているにもかかわらず、(B)その政治構造はまるでアフリカの小規模な独裁国家のように不安定なものである、という二つの点にある』

 さらに、もう一つ付け加えなければならないのは……

『ニ〇一五年末の現時点で、アメリカには、一緒になって中国共産党を破壊しつつあるパートナーがいるということだ。そして習近平こそ、そのパートナーなのだ。というのも、彼は共産党の反腐敗運動を敢行しているからである』

『反腐敗運動の論理的な結論として、中国共産党党員の全員が、余計な収入を得てはならないことになるからだ。彼らの子息の多くは海外留学しており、毎年数百万円にのぼる学費を送金しなければならない。反腐敗運動のおかげで仕送りする資金が枯渇してくるようでは大変だ』

 その結果

『習近平が反腐敗運動を開始したそもそもの動機が、ゴルバチョフ統治下におけるソ連の悲劇的な運命の二の舞になるのを阻止することにあったという皮肉だ』

『ミハイル・ゴルバチョフの狙いは、ソ連そのものを改革するところにあった。しかし結局、ソ連全体を崩壊させてしまった』

『彼は共産党体制を救うために「ゴルバチョフの失敗は繰り返さない」ことを目指しつつ、ソ連共産党とソ連全体を救おうとして、結果的にそれを崩壊させてしまったゴルバチョフと同じ道を歩んでいるのである』

『党内には、以前存在していたような「イデオロギー志向」「権力志向」「マネー志向」の強い人材がいなくなり、活力に欠けた人間だけが残ることになる。こうして、共産党は求心力を失いつつある』

 ましてや、習近平の姉の夫や、党幹部の親族の名前が挙がっているという「パナマ文書」問題が出てきている中国だ。その結果次第では習近平失脚で中国政府はシッチャカメッチャカになってしまうんだろうか。あるいはそれを覆い隠すために「尖閣諸島占領」なんて行為に出てしまうのか?

 そうなったら冗談じゃなくなってしまうなあ。『中国4.0』の意味が違ってきてしまうじゃないか!

 ただまあ、『現在の中国の情報フィードバック・システムも機能していない』という習近平だけれども、それは安倍晋三だって同じだしなあ。ああ、それも心配か。

『中国4.0 暴発する中華帝国』(エドワード・ルトワック著/奥山真司訳/文春新書/2016年3月20日刊)

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