フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 日光御成道の一里塚 | トップページ | 日光御成道の一里塚・埼玉編① »

2016年3月 9日 (水)

『サイロ・エフェクト』

「サイロ・エフェクト」って何だ?

Photo 『サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠』(ジリアン・テット著/土方奈美訳/文藝春秋社/2016年2月20日刊)

『本書にはサイロ・エフェクト(効果)にまつわる八つの事例を載せている。ブルームバーグ市長率いるニューヨーク市役所、ロンドンのイングランド銀行、オハイオ州の病院クリーブランド・クリニック、スイスの銀行UBS、サンフランシスコのフェイスブック、東京のソニー、そしてヘッジファンドのブルーマウンテンとシカゴ市警察まで多岐にわたる』

『むしろ本書は、現代社会にはサイロが必要であるという認識から出発している。少なくともサイロがスペシャリストの集まった部署やチームや場所を意味するのなら、まちがいなく必要なものだ。理由は明白である。われわれはひどく複雑な世界に生きており、この複雑さに対処するには何らかの「体系化」が必要だ。しかもデータ量、組織の規模、技術の複雑性が増すなか、その必要性は高まるばかりだ』

『サイロには弊害もある。専門家チームに分けられると互いに敵対し、リソースを浪費することもある。互いに断絶した部署や専門家チームがコミュニケーションできず、高い代償をともなう危険なリスクを見逃すこともある。組織の細分化は情報のボトルネックを生み出し、イノベーションを抑制しかねない。何よりサイロは心理的な視野を狭め、周りが見えなくなるような状況を引き起こし、人を愚かな行動に走らせる』

 うん、つまり本書の第2章のソニーの項でも触れられている、日本流に言わせるところの「タコ壺」化現象ってことでしょう。まあ、日本企業でもそんなタコ壺化の問題はしばしば触れられている問題でもある。

『第二章で取りあげるのはソニーだ。一時は栄華を誇ったが、社内の分裂があまりにも進んだ結果、イノベーションの機会を逸し、衰退した』

『第三章は巨大銀行UBSの物語だ。あまりにもサイロがはびこり、経営層がまったく知らないところでアメリカのサブプライムローン関連証券によって巨大なリスクを抱え込んでしまった』

『第四章はイングランド銀行などで働くエコノミストのような優秀な人々が、心理的な視野狭窄や部族主義のために、二〇〇八年までに金融システムが制御不能になっていくのを防げなかった様子を描いた。数多くの職業分野や組織において、組織の構造だけでなくモノの考え方においてもサイロが継承されており、われわれはその虜になってしまう』

『第五章はシカゴに住む一人のコンピュータ・オタクが大胆なキャリア転換によって職業的サイロを乗り越え、シカゴ警察で画期的な実験をする物語だ』

『第六章ではソーシャルメディア企業であるフェイスブックに注目し、会社という社会における非常に興味深いソーシャル・エンジニアリングを通じてサイロの悪弊から身を守ろうとしている様子を説明する』

『第七章では別の方法でサイロの悪弊を逃れようとした巨大医療機関のクリーブランド・クリニックの事例を紹介する』

『第八章はやや趣を変えて、ヘッジファンドのブルーマウンテン・キャピタルが金融業界のサイロを逆手にとって大儲けした話を紹介する』

 これは面白いなあ。

『ある人のサイロは別の人のチャンスであり、ある組織の損失は別の組織の利益になりうる、ということだ』

 つまり、まさしく……

『トレーディングはゼロサムゲームである、というのは市場の常識だ。損をする者がいれば、必ず得をする者がいるはずである』

 ということなんだなあ。一方で「実買い」をしている他方で「空売り」を仕掛けているのがトレーダーの世界である。そんな時には、これは多分なんだけれども、大きな会社に(つまり、扱う金額量は大きい)属するトレーダーは、まさしく「サイロ」の中からだけ世界を見ているので見える範囲は狭いために、結構損を出すことが多い。一方、小さな会社に属するトレーダーは(扱う金額は少ないかもしれないが)世界全体を見られるので得をする、ってことですね。

 まあ、それは分かる。

 が、しかし、私自身がそんな社員が数千人~数万人いるような企業で勤めた経験がないので、「サイロ・エフェクト」そのものを経験値として理解が出来ないのだ(こりゃ、困った)。

 私の経験上で言ってしまうと、500人位まではその人の名前と顔が一致して覚えられている。つまり、500人までは言葉を交わさなくても、大体どんな人となりなのかは分かっているっていうことなんだ。

 私が勤めていた会社は約1,000人規模の会社で資本金3億円なので、東証二部上場程度の会社である。そうなのか、東証一部上場の会社って、社員規模1万人~数万人以上の会社ってことなんだな。ちょっと、その規模の会社の大きさって想像できない。

 でも、社員1,000人規模の会社だと、勿論私が知らない同僚社員はいるんだが、でも彼が属している部署でどんなことが問題になっているか、どんな理由でその部署が売り上げを上げているかは、大体全社員が共有出来てしまうのであります。まあ、それは「噂話」ということだったり、会議での公式報告がこぼれ落ちて着たりとかの、公式・非公式ルートなんですけれどもね。

 まあ、こういう会社では「サイロ問題」は起きないですね。だって、もっと大きい企業では、そんな「サイロ内部」の問題は、一切外部には漏れないんでしょう。何か問題が起きた場合以外は……。これは怖いな。

 これまで、私は「講談社は東証二部上場程度の中小企業ですよ」っていう言い方で卑下してきたんだけれども、でもそれって逆に、今の時代では幸せなことだったのかも知れない。まあ、給料だけは一部上場企業並みに頂いていましたからね。

 まあ、そういう意味では、私のサラリーマン人生は「良かった」ってことなんですかね。

『サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠』(ジリアン・テット著/土方奈美訳/文藝春秋社/2016年2月20日刊)

« 日光御成道の一里塚 | トップページ | 日光御成道の一里塚・埼玉編① »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/63313110

この記事へのトラックバック一覧です: 『サイロ・エフェクト』:

« 日光御成道の一里塚 | トップページ | 日光御成道の一里塚・埼玉編① »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?