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« 『進め!! 東大ブラック企業探偵団』って言っても、それは主観の問題なんだ | トップページ | 久々のギンザ・ウォチング »

2016年3月23日 (水)

久しぶりに高田馬場芳林堂に行ってきた

 久しぶりに高田馬場へ行ってきたので、「あの」芳林堂書店を覗いてきた。

 何が「あの」なのかと言えば、2月26日に自己破産を申請して、アニメイトグループの書泉に経営譲渡し、老舗書店の芳林堂グループが事実上なくなってしまった、ということなのだ。

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 ポイントは中堅取次の太洋社の自主廃業だった。

『出版取次の太洋社(東京・千代田)は15日、同日付で東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことを明らかにした。2月に自主廃業の方針を示していたが、大口取引先の芳林堂書店(東京・豊島)が自己破産を申請し、売掛金の回収が難しくなったことなどから断念した。15年6月末時点の負債額は約84億7900万円』(日経新聞電子版2016年3月15日付より)

『出版業界では、取次4位だった栗田出版販売(東京・千代田)が2015年6月、負債134億円を抱えて民事再生法の適用を申請。業界全体が「次はどこが危ないのか」と疑心暗鬼になった。こうしたなかで関係者の関心を集めていたのが太洋社だった。

 太洋社は戦後間もなく創業した老舗の取次店。ピーク時の05年6月期は売上高487億円、取引店舗数は1200店にまで拡大していた。コミックや雑誌に強かったことから「コミックの太洋社」と呼ばれた。しかし、アマゾンなどインターネット通販サイトの台頭や人口減少、電子書籍化などで売上高は15年6月期には171億円とピーク時の3分の1程度に減少した。

 栗田出版販売の経営破綻を契機に、業界では新たな焦げ付きをおそれる出版社、さらに配本の遅れを危惧する書店の両方から、取次を変更する「帳合変更」が相次ぐようになった。経営の厳しい太洋社は、その矢面に立たされた。債権者である出版社、債務者である書店から「信用不安」による取引解消を突きつけられた。

 最終的には、周囲からXデーとしてささやかれていた2月5日、太洋社は「自主廃業のお知らせ」とする案内文を取引先に対して配布。事業継続を断念した。

 このときに関係者が注目したのは案内文に書かれた内容だった。廃業の理由は出版不況や帳合変更だけでなかった。もう一つ、書店からの回収不能問題を挙げていた。

 太洋社の説明によれば、15年12月末時点で出版社に対する買掛金は約47億円あった。一方、書店からの回収予定である売掛金は47億5000万円。計算上は支払い可能だったが、約6億円が回収できないことが発覚したという。理由は一部書店に対する売掛金に対して、多額の延滞が生じていたためだ。

 そして、回収できない大口取引先の一つが芳林堂書店だった』(日経電子版2016年3月2日付より)

『自主廃業を決めた太洋社とその主要取引先の芳林堂書店とは、どんな関係にあったのか。

 一言でいえば、それはもたれ合いだった。

 取次が廃業した場合、書店は本来、他の取次に帳合変更すればいいはずだ。しかし、その前提となるのは、それまでの取引で「延滞」がないこと。それだけに資金繰りに不安のある書店の場合、帳合変更するのが難しい。太洋社と芳林堂書店は長年にわたりもたれ合いの関係を続けた結果、太洋社が回収できない債権があった。このため、帳合変更は難しかった。芳林堂書店は事業継続が難しくなり、2月26日、東京地裁に自己破産を申請。9店舗をアニメイトグループの書泉(東京・千代田)に譲渡することなどを明らかにした。

 2社の行き詰まりは、取引関係を深めるうちに依存度が高くなりすぎ、最終的にそのリスクが顕在化したケースだといえる。企業間取引ではシェア拡大が大きな課題となる。しかし、リスク分散のないシェア拡大は企業にとって両刃の剣となり、双方の危機に直結する』(同上)

 要は太洋社の破綻に連なる連鎖倒産なんだが、問題はもっと深いところにあって、基本的に書店は取次から仕入れた商品の全額を支払わないという慣例がある。書店は仕入れた(「配本された」というのが正しいか?)本の代金の数割だけを取次に払って、取次は取次で大手出版社から仕入れた分は全部払うのに、中小出版社から仕入れた分は数か月遅れで支払うという業界構造がある。

 まあ、そうした業界習慣というか業界構造というか、基本的には「大手に弱い」というのはほとんどの業界でもあるんだろうけれども、それが2000社あるという出版社を抱える出版業界では特に顕著に見られるということなのである。

 で、結局、芳林堂は太洋社からの買掛金を支払えず、ということはそんな買掛金を引き受けてくれる取次なんかはないから、帳合変更も出来ずに太洋社と共に討ち死にということになってしまった、ということ。

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 まあ幸い書泉の傘下に入った芳林堂だが、相変わらず芳林堂というブランドだけは残っているし、店舗の商品構成なんかも今の所変わってはいない。まあ、今後は分からないけれどもね。

 まあ、日販、トーハンによる書店の帳合変更競争が招いた結果と言えば結果なんだけれども、これで取次は栗田出版販売、太洋社がなくなってしまい、残すは日販、トーハンと、大手出版社5社と楽天が経営再建に取り組んでいる大阪屋と、トーハンの子会社になっている中央社の4社のみになってしまっていて、後は「神田村」と呼ばれている神保町の裏町で小さな商いをしている中小零細取次だけになってしまった。まあ、この零細取次の多くは現金商売なので、結構しっかりやっていると思いますがね。

 まあ、資本主義社会なんだから自由競争で、弱いものは滅ぶってのも仕方ないんだけれども、北陸にあった太洋社の支店といろいろ付き合いがあった私としてはちょっと残念かな。更に芳林堂は講談社とも親しく付き合っていた老舗書店で書店未来研究会の会員でもあった。一瞬にして未来が見えなくなっちゃう状態で未来研ってのもなんだが、私もちょくちょく未来研のニュースで取材をしていた書店でもあって、店員の人とも親しくさせてもらっていた。

 まあ、日本には海外の国には見られないくらいの数の書店があるっていうのも事実。であるならば、それが適正規模になるまでは書店の数も減り続けるんだろうけれども、そうなるとますますAmazonなんかのEC事業や電子書籍が力をつけて行くんだろうなあ。

 なんてことを、最近ではKindleでしか本を読んでいない私が言うことではないか。

 スミマセン。

NIKON Df AF-S Nikkor 50mm f/1.8 D @Takadanobaba Shinnjuku (c)tsunoken

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