フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 六義園「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」今日から……なんだが | トップページ | 「マンション管理セミナー」を受けてきたんだけれども »

2016年3月18日 (金)

『県庁そろそろクビですか?』って? こんな職員クビにする訳ないでしょ

 なんかライトノベル風の表紙なんだが、中身はいたって真面目な本だ。

Photo『県庁そろそろクビですか? 「はみだし公務員」の挑戦』(円城寺雄介著/小学館/2016年2月8日刊)

 著者の円城寺雄介氏は……

1977年、佐賀県出身。立命館大学経済学部卒業後、2001年、佐賀県庁入庁。

最初の配属先は、唐津土木事務所 用地課勤務。

2004年4月。入庁4年目で初めての異動となったのは本庁の生産者支援課だった。

2007年4月。入庁7年目、3か所目となる職場は職員研修所だった。

 この頃から少し「はみだし公務員」になってくる。

そして、2010年4月の人事異動で円城寺氏が行くことになったのは、健康福祉本部の医務課だった。

 ここからが「はみだし度」をアップさせて、『自分は県庁の医務課に異動になったばかりで、いわゆる〝救急患者のたらい回し〟問題など何が実際の課題なのかを知るために、救急医療の現場を自分の目で見たいと考えている。ついては、救急車に同乗させてもらって実体験させてもらえないだろうか、と』頼み込むのだが、当然かえってくる反応は『遊びじゃなかとよ! わかっとる? 救急の現場は戦場と同じよ! 我われ救急隊員は赤信号だって突っ込んでいくし、患者はどがん病気を持ってるかわからんから、我われだって感染のリスクもあるとよ。そがん厳しい現場にふらっと入りたいって、いったい君はなんば考えとっとね!』というもの。

『「この円城寺君という男は、誰かから救急車に乗ってこいと命令されたわけじゃなかとですよ。もともと何も関係もない業務をやってきて、一から救急搬送の現場を学んで業務に生かしたいと考えている。そうやって県庁職員がリスクを取ってやろうとしているのに、俺たち消防が腰が引けてどうするんですか?」
 高祖さんがそこまで言ってくれたことで、佐賀広域消防局として異例の同乗許可が出たのである』

『忘れもしない2010年5月。一晩だけという約束で、「同乗研修」という許可をもらい救急車に乗り込む日がやってきた』

『通常勤務を終えた後の17時半から、翌朝まで救急隊員と同じように消防署で待機して、出動要請が入れば同乗して現場に向かう』

 その結果……

『与えられた武器が携帯電話一本だけでは、どうしようもないではないか。それを根本的に変えない限り、問題は解決しない。それを何とかするのが自分の仕事だと心の底から思った』

 というところから、救急車にiPadを配備するという案が考え出される。

『救急車へiPadを本格配備すると共に、ICTを使った救急搬送情報の見える化の挑戦は2011年4月に佐賀で始まり、2015年で4年が経過した。その間、さまざまなメディアにも取り上げられ、全国の救命救急に携わる現場の人たちの視察も相次いだ』

『2015年には全国10府県ですべての救急車にスマートフォンやタブレット端末が標準装備されるようになった』

 そして、そうやって救急搬送情報を見える化して分かったことは、医療機関の存在する地域の偏在という問題だった。

『医療機関の偏在は佐賀だけの課題ではない。日本中で同じような課題がある』

『そこで改めて浮かび上がったのが、ドクターヘリ導入という解決策だった』

『私は、明らかになったデータをもとに、またしても前例のないことを行うことになった。一度やらないと決めた施策を覆す試みだ』

『データがないために運用効果が見えなかったのは事実だ。ならば、そのときの決定は正しい。しかし、今は新たなデータが見えてきたわけである。そのデータに基づいて検討するのなら過去の否定にはならない』

『2012年に再びドクターヘリ導入のため「空気を変える」ことに駆け回り、2013年には実務面のさまざまな調整や準備を経て、県の諮問機関としてドクターヘリ導入検討委員会を設置し、運用方針や関係者との調整に昼夜を問わず奔走することになった』

 その結果、ドクターヘリの導入は実現したのだが、『2014年4月に人事異動で、今度は情報・業務改革課という地域のICT化推進やオープンデータの担当となった』のだった。

 そんな円城寺氏の考え方は……

『与えられた仕事をないがしろにせずに、余暇の時間を使ってやりたいことをやる。私もアフターファイブに勉強会をすることで様々な仕かけをすることができた。仕事としてすれば予算が使えるといったメリットもあるが、異動してしまえば、道半ばでもそこに携わることができなくなる恐れもある』

『ただし、アフターファイブ活動を行うときに、気をつけなければならないのは、仕事ではないといっても、外からは県職員として見られることだ。だからこそ人一倍、自分の組織の情報収集を怠ってはいけない。例えば県の方針と真逆のことをやれば勤務時間外でもいろいろとまずいこともたくさんある』

 と「はみだし県庁職員」の割には結構慎重であったりもする。

『ICTの分野では佐賀県は先進県と呼ばれることも多くなったが、これは佐賀県が最高情報統括監(CIO)や情報企画監を外部の民間企業などから公募していることも非常に大きな要素を占めると私は思う。多くの自治体ではCIOは副知事や副市長などが兼務する、どちらかと言えば内部管理がその中心であるように思える。佐賀県ではそれを内部管理という「守る県政」だけでなく、民間企業出身者という新しい発想で「攻める県政」として位置付けたことは大きかった』

 最後に円城寺氏が言うことが一番大事だ。

『地方創生や一億総活躍という言葉がよく使われている。本当に大切なことは、制度や補助金ではなく、結局のところ公務員に限らず日本に暮らす人たちにスイッチが入り当事者となることではないだろうか』

 これに付け加えることはない。

『県庁そろそろクビですか? 「はみだし公務員」の挑戦』(円城寺雄介著/小学館/2016年2月8日刊)

« 六義園「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」今日から……なんだが | トップページ | 「マンション管理セミナー」を受けてきたんだけれども »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/63349485

この記事へのトラックバック一覧です: 『県庁そろそろクビですか?』って? こんな職員クビにする訳ないでしょ:

« 六義園「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」今日から……なんだが | トップページ | 「マンション管理セミナー」を受けてきたんだけれども »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?