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2016年3月22日 (火)

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』って言っても、それは主観の問題なんだ

 ある企業がブラックなのかホワイトなのかというのは、結局主観でしかない。あの超ブラックとして知れ渡っているワタミだって、中にいる社員からしてみればホワイトな部分もあるし、ブラックな部分もあるんだろう。ただし、あまりブラックだと感じていない人たちが多いんじゃないだろうか。だからこそ彼らはワタミを辞めないんだからね。

 ただし……

『もっというと、このままでは、日本の企業はぜんぶブラック企業になるかもしれないわ』

 というマオの言葉の方がリアリティを持って迫ってくるのだ。そう、見方によってはそういうことになるんだろうなあ。

Photo 『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(大熊将八著/講談社/2016年3月1日刊)

 で、本書で取り上げられているのは「外食産業」「テレビ業界」「電機メーカー」「メガバンク」という、まあまさに今ブラック、これからブラックという業界なんだが……。

 日本経済全体を見通した話では……

『総務省によれば、非正規労働者は、この四半世紀の間、どんどん増え続け4割(37・4%)となり、1991年から倍増している。さらに厚労省が2015年11月に発表した調査によれば40%に達したという』

『しかし1990年代以降、2つの大きな波がそれを一変させてしまった。
 ひとつは、グローバル化だ。人・モノ・情報の行き来が自由になったことで世界中のあらゆる場所から、最もいい製品を最も安く手に入れられるようになった。
 もうひとつは、IT化である。高度な技術もあっという間に陳腐化してしまい、熟練を必要としていた労働の多くが誰にでもできるようになり安価になった。
 その結果、日本企業のビジネスモデルは崩壊した』

『いわゆる「失われた20年」とは、日本企業の製品が次々とコモディティ化していく過程だったのだ。そんな中、ますます激しくなる国際的な競争に耐え忍ぶため、日本企業は人件費を削らざるをえなかった。人材の領域でもコモディティ化が進み、誰にでもできるような仕事しかできない人材は、安く買い叩かれ、さらには使い捨てられるようになった』

 ということなんだけれども

『「たとえば変化の激しかった電機業界の中でも、ニッチな電設資材を作っている『未来工業』という会社はすごいわ。毎年たくさん特許をとってユニークな部品を次々と発明しているお陰で高収益体質。全従業員を正規雇用しているのよ。連続的なイノベーションで、高い利益率を達成し、それを社員へ還元して高待遇を実現するという3拍子を叶えているところが、これから生き残るホワイト企業なんでしょうね」』

 というような企業もあって、それこそ千差万別だ。取り敢えず本書で取り上げている業界にそって話を進めていくと。

外食産業

『外食産業の人件費率は、陸運や医療などを除いて、ほとんどのサービス業を上回る。値下げのしわ寄せをモロに被った従業員の労働環境は悪化するばかりだ』

テレビ業界

『在京キー局社員の平均年収はどこも1300万円超。それに対して制作会社社員の年収はその3分の1から4分の1程度といわれている』

『放送事業は、総務省の認可制だ。認可を受けているのは限られた局でしかない。だが、制作には許可も何も要らない。だからテレビ局は企画だけ立てて後はほとんど下請けの制作会社に丸投げして、いちばん安価で早くコンテンツを作れるところから買い叩いているのだ』

『誰もテレビを観なくなったとしても社員の雇用は安定している。だから、是が非でも新しいビジネスモデルを築けなければ自分たちのメシのタネに困る、という危機意識を持ちようがないんだ。そんなところで新規事業がうまくいくはずがない』

『日本のテレビ業界は変わることができず、ゆでガエルのようにじわじわ衰退していくばかり。しかし、海外の動きはそんな日本のローカル事情に合わせてはくれません』

電機メーカー

『かつて世界にその名を轟かせた日本の大手家電メーカーは、韓国や台湾、東南アジア新興国のメーカーの後塵を拝し、リーマン・ショックを機に赤字を垂れ流すなど凋落著しい。ほんの10年ほど前までは理系学生の就職企業人気ランキング上位を席巻していたというのに、明らかに落ち込んでいる』

 その家電メーカー復活のカギは?

『家電メーカーは次々と、消費者向けのBtoCから、企業向けのBtoBへと転換し始めた。ソニーが目下のところ好調な半導体の「イメージセンサ」も、主にスマホのカメラに搭載される部品だ』

 と、もうひとつは。

『だったら自分たちはコアな部分の開発と最終の組み立てだけを担い、後はすべて外注してしまえばいい……それが、工場を持たないメーカー、ファブレス・メーカーと呼ばれるやり方よ』

 っていうことなんだろうなあ。

メガバンク

『銀行の破綻・金融危機を防ぐために各行に一定以上の自己資本比率を求める取り決めのことよ。これに加えて金融安定理事会(FSB)は巨大銀行に対してさらに自己資本比率の引き上げを求める取り決めをしたの。世界的な潮流は、金融危機を防ぐための引き締め強化に向かっているのよ。日本のメガバンクはこの基準を満たすのがぎりぎりというのが実情で、金融庁も資本の積み増しを要求しているし、さらなる資金調達が必要になるかもしれないわ。海外進出のためにメガバンクはドルをかき集めていたけど、その調達コストも上昇中よ。今後、積極的な進出が続けられるかどうかは疑問よ』

『要するにメガバンクの銀行業は、営業で必死にノルマを積み上げて戦っているものの、金利が低くて儲からないから、利益のコアは安定した資産運用、といえば聞こえはいいけれど、バカのひとつ覚えみたいな日本国債一本で稼げるってことよ。まさに国策さまさまね』

 なんだけれども、それも日銀のマイナス金利策でもって先も見えないしなあ。もしかしたら、一番最初にブラックかする業界かもしれないなあ。

 ま、ブラックかブラックじゃないかというのは、はじめに書いたけれども、要は主観の問題。出版社だってブラックだと見る人もいるし、ホワイトだと感じる人もいるって訳でね。

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(大熊将八著/講談社/2016年3月1日刊)

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