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2016年2月 4日 (木)

はじめての不倫学

 さすがに『「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、性風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる』という坂爪真吾氏である。面白いことをおっしゃる。そう言えば前著『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』は読んだことがあるなあ。

 しかし、もともとコソコソやるのが不倫の愉しみであるものを「社会問題」として考えるって言ってもねえ。

Photo 『はじめての不倫学 「社会問題」として考える』(坂爪真吾著/光文社新書/2015年8月20日刊)

『「一盗二婢三妾四妓五妻」という言葉がある。現代風に言い換えれば、男性にとって最も快楽を味わえるセックスは、他人の妻を盗むこと(不倫!)であり、2番目は妻の目を盗みながら年下の若い部下とセックスすること、3番目は愛人を囲うこと、4番目は売春婦や風俗嬢を買うこと、最後の5番目が妻とのセックス、という意味だ。自分にとって最も価値の低い女(妻)が、他人にとっては最も価値の高い女(盗)になる、という転倒がある。男尊女卑極まりない格言だが、否定できない事実ではある。裏を返せば、一番足を洗いにくいのが不倫のセックスということになる』

 ということ。つまり、やっぱり一番いいのは「他人の奥さんとのセックス」であり、つまりこれは「恋愛」ではなく、あくまでもコソコソ妻に見つからないように他人の奥さんとセックスを楽しむということなんだなあ。単なる「肉と肉」の関係でしかないセックスだからこそ、一番楽しめるという訳。

『通俗心理学の世界では、男性の場合は好奇心が強く、芸術性や創造性を高く持ち、柔軟で型にはまらない思考をする知的な性格の傾向が強いほど不倫をする確率が高いとされている。アーティストや俳優、会社役員や経営者に不倫経験者が多いのは、こうした性格的側面が作用しているからだ、と捉えることもできる』

『女性の場合は、努力する意志や几帳面さに欠け、計画的に物事を進めることができない、誠実性が低い人ほど不倫をする可能性が高いとされている』

『一般に男性の不倫は、「相手ありき」というよりも「まず性欲ありき」で、何らかの誘惑やきっかけがあり、タイミングが合えば、簡単に不倫に踏み出しやすい』

『女性の不倫は、「まず性欲ありき」ではなく「相手ありき」で、自分の性欲ではなく、相手との関係性によって、不倫に対するモチベーションが変化する傾向がある』

『婚前交渉という言葉自体が死語になりつつあり、性的虐待が社会問題として公の場で語られ、結婚するカップルの4組に1組が「できちゃった結婚」になり、同棲や離婚が日常的になっている現在、不倫を「特殊な人の特殊な問題」として切り離すことはできない』

 うーん、まあそういうことなんだろうなあ。「通俗心理学」には賛成!

『男性が婚外セックスを求める理由は、生物学的には「1人でも多くの女性に、自分の遺伝子を受け継いだ子どもを産ませたいから」という理屈で容易に説明がつくだろう。配偶者に自分の子を産ませつつ、婚外で他の女性にも子どもを産ませること(そして自分は育児には関わらない=不倫相手の女性及びその配偶者に育児負担を押し付けること)が、倫理的にはともかく、最も合理的な繁殖戦略である』

『結婚相手の男性が身体的にも社会的にも優秀ではない場合、その男性の子どもを産むよりも、他の優秀な遺伝子を持つ男性と婚外セックスをして、そこでできた子どもを「夫婦の子」として育てる方がよい。同じ遺伝子の子どもを2人産むよりも、別々の父親から遺伝子を受け継いだ子どもを2人産む方が遺伝子的には有利であり、多様性と生存確率は高まる』

『男性も女性も、繁殖に関しては「一夫一婦制+不倫」という、倫理的ではないが合理的な混合戦略を採用しているのだ』

 つまり、不倫というものが社会的に一般的になりつつあり、同時にそれをなくすことは出来ないってことじゃないんだろうか。世の中が女と男だけでできあがっている以上、それは仕方のないことであり、普通の人はそれを発見した時にどう対処すればいいのか、という知恵を働かせるっていう方が無理がないんじゃないんだと思うんだよね。

 それを「不倫ワクチンを開発せよ」と坂爪氏のように言ってみても、本書に登場する朝井健一さんの「新芸術家連盟」や、椎名祐美子さんのセフレにしても、結局は(男性から女性への)金銭の受け渡しを伴うセックスの関係という観点からは、それは売春とどう違うんだろう。これは単に管理売春なのかどうかという違いである。金銭の受け渡しがない関係だったら、どこか不倫ワクチンという気がしないでもない。

 さらに言ってしまうと「希望としてのポリアモリー」というのも、やはり永遠の成立は難しいだろう。ポリアモリーとは『ポリアモリーとは、「責任をもって、同時に複数の相手と恋愛関係(性的関係を含む)を結ぶこと」を意味する。日本語では、「複数恋愛」もしくは「責任ある非一夫一婦制」と表記されることが多い。「ポリ(POLY)」は「複数」、「アモリー(AMORY)」は「愛」を意味してい』ということらしい。

『ポリアモリーの世界では、セックスを「2人の間で独占して厳重に守るべき、有限で貴重な化石燃料」としてではなく、「世界にふんだんに存在し、複数の相手と分かち合うことで皆が豊かになる再生可能エネルギー」として捉える』

 というんだが、これは1980年代のヒッピーのコミューン文化から来ている考え方で、人々が共同生活をする中でセックスも伝統的夫婦関係の中で捉えずに、セックスも共有しましょうということなんだが、しかし、今やヒッピー文化も廃れてきてしまっている。

 ここはやっぱり伝統的夫婦関係(一夫一婦制)の中で、ヒヤヒヤしながらよその(既婚、未婚は問わずに)女性や男性とのセックスに励むっていうほうが、不倫の暗さなんてのがあっていいんじゃないか。

『英国の首相を務めたウィンストン・チャーチルは、「民主主義は最悪の政治体制だ。ただし、これまでに試されたあらゆる政治体制を別にすれば、の話であるが」という名言を残した。チャーチルの言葉を借りれば、「一夫一婦制は最悪の制度だが、それ以外に我々が取るべき選択肢はない」ということになる。ムリ、ムダ、ムラだらけの制度だが、一番マシ。歴史的に見れば、一夫多妻・一妻多夫・集団婚・オープンマリッジなど、様々な婚姻形態が試されてきたが、単婚の一夫一婦制以上に成功したものはない』

『配偶者以外の相手との婚外関係をマネジメントできるのは、婚内関係(夫婦関係・家族関係)が安定している人のみ、という矛盾があるのだ。さらに言えば、婚外関係をうまくマネジメントできるのは、婚外関係を相対化できる人=精神的に安定・自立しているために、そもそも婚外関係を必要としていない人、婚外関係がなくても問題なく生きていける人である』

 というのだからね。

 やっぱり『一盗二婢三妾四妓五妻』ですな。

『はじめての不倫学 「社会問題」として考える』(坂爪真吾著/光文社新書/2015年8月20日刊)

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