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2016年2月 6日 (土)

『性風俗のいびつな現場』って、そういうことだったのか!

 一昨日の『はじめての不倫学』の坂爪真吾氏の最新刊がこれ。

 坂爪氏も東大の上野千鶴子ゼミだったんですね。古市憲寿氏といい、この坂爪氏といい、面白い人材を輩出している東大上野千鶴子ゼミではあるなあ。

 しかし、そんなことになっているなんて、すっかりフーゾクとは疎遠になっている身としては知らなかった。

『私がゼミで風俗の研究をした翌年の二〇〇四年、東京都・警視庁・警察庁が一体となって進めた繁華街の浄化作戦により、無届けで営業していた都内の店舗型風俗店のほとんどが壊滅した』

『浄化作戦後、多くの風俗店は看板を出さずにインターネット上で広告宣伝を行う無店舗型に移行し、表社会から見えにくくなった』

『現代は、言うなれば「風俗が死んだ後の世界」である。店舗という「パンドラの箱」を開けてしまった結果、風俗は無店舗型という目に見えない「亡霊」になり、繁華街の路地裏から浮遊・離散して、社会の見えない谷間や隙間に潜り込み、溶け込んでいった。
 それと同時に、店舗という箱の内側に封じ込めていた様々な「災厄」=性を売り買いする当事者に降りかかるリスクやスティグマ、副作用や後遺症も、目に見えない形で一斉に解き放たれることになった』

Photo 『性風俗のいびつな現場』(坂爪真吾著/筑摩新書/2016年1月15日刊)

 しかしまあ、今や風俗の料金ってのも随分デフレ状態なんですね。

『近年は「奥様系」「特急系」と称される、三〇~四〇代の女性による過激なサービスを売りにする激安人妻デリヘルがT市にも進出。三〇分三二〇〇円、六〇分六五〇〇円という従来のデリヘルでは考えられない超低価格で女性を派遣するため、価格競争が一段と激化している』

『なおAさんによれば、このT市内のデリヘルの八割以上は本番行為を行っているらしい。「手や口で射精させるより楽だから」という理由で追加料金なしでする女性もいる。本番が流行る理由は、売上を上げたい経営者のニーズや本番を求める男性客のニーズだけでなく、時間と手間のかかるオーラルセックスや素股をせずに楽をして稼ぎたいという女性側のニーズもある』

『二〇一五年現在、T市におけるデリヘルの相場は、六〇分一万三~四〇〇〇円前後。Aさんによれば、T市における売春(=出会い系サイトでの個人売春)の相場は、一万~一万五〇〇〇円程度だそうだ。東京などの首都圏の相場はホテル代別で二万円なので、都市部に比べれば若干安い』

『デリヘルでの本番行為がデフォルトになりつつある地方都市の特徴かもしれないが、個人売春・デリヘル・ソープの価格差は無くなりつつある』

 そんな「本番あり」の風俗店がいまやデフォルトなんだろうか。

『二〇〇〇年代の初頭まで、円山町は店舗型風俗店が密集しているエリアだった。「裏箱」や「モグリ箱」と呼ばれていたこれらの店は、厳密には無届営業の違法店だったが、警察には黙認されていた』

『「昔の風俗は、若い女性も人妻も、デブも細身も、みんな同じ店で働いていた」と店長は語る。今は店舗や業態が細分化して、デブ専門・貧乳専門・タトゥー専門・ブス専門などに分かれている。こうした細分化は、女性側としては働きやすくなるが、店舗側としては小規模にならざるを得ない』

『かつては「マチの客」=一つの街を愛し、その街で飲んで遊ぶ男性が多かったが、今は「フェチの客」=特定のフェチ的な記号のみを追い求め、街そのものの風情や店舗には無関心な男性が多いのかもしれない』

 それにしても「妊婦・母乳専門店」とか「「デブ・ブス・ババア」を集めたレベルの低さ日本一の「地雷専門店」」とか、「おかあさんグループでは、熟女と呼ばれる四〇~七〇代の中高年女性が、全店舗を合わせると数百名在籍している」とか、今の激安風俗店っていろいろあるんですなあ。それにしても40歳位ならわからないではないが、70代ってすごいなあ。

 で、そんな中でも「妊婦・母乳専門店」てどうして存在するのかと言えば。

『世間の常識に照らし合わせれば、「妊娠中に夫以外の男性と性交類似行為をする」「自らの母乳を子ども以外の男性に与えてお金を稼ぐ」という振る舞いは非常識そのものである。
 しかし前述の通り、新生児を抱えた産後一~二カ月の女性が、週二回、わずか二時間程度の勤務(無料の託児所付)で月に一〇万~三〇万稼げる仕事は今の社会には存在しない』

 と言うことで、そんな「激安風俗店」がいまや貧困女性のセーフティーネットになっているんですね。

『つまり、ソーシャルワークの立場から見れば、激安風俗店との連携は、見えづらく分かりづらい貧困女性層の存在、及び彼女たちが抱えている生活や家庭の問題を可視化し、支援につなげるための「最後の砦」を手に入れることになり得る。女性がシングルマザーの場合、その子どもにも支援を届けやすくなる。場合によっては、子どもの貧困や虐待、ネグレクトなどの発生も未然に防ぐこともできるだろう』

『一方、激安風俗店の立場から見れば、生活に困難を抱えているため満足に働けない女性たちの福利厚生を充実させることで、売上の増加と離職率の低下(求人広告費用の削減)につなげることができる。社会福祉士や弁護士と連携して在籍女性を支援していることを公表すれば、警察や世間からの好印象につながり、女性に対する搾取だという批判もかわせる。反社会的勢力を寄せ付けないための「魔除け」にもなり得るだろう』

『これまで風俗は、外部の非当事者によって一方的に語られ、女性に対する搾取や差別と決めつけられ、悪の象徴として裁かれる無言の「客体」であり続けてきた。しかし、福祉との連携を通して、時間はかかるかもしれないが、自らの言葉で自らの「正義」=社会的存在意義を主張する「主体」へと少しずつ進化していくことができるのではないだろうか』

 と坂爪氏は結論付けるのであるが、「なんかなあ」という気がしないでもない。結局社会保障の部分で彼女たちを助けられない以上、必要悪としての激安風俗っていうことなんだろうなあ。

『性風俗のいびつな現場』(坂爪真吾著/筑摩新書/2016年1月15日刊)

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