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2016年2月24日 (水)

『"20代、コネなし"が市議会議員になる方法』なんだけど、それだけじゃない

 これ面白いなあ。「就活本」としても読めるんだが、本当はマトモな「地方公共団体で議員として活動するには」っていう本なんだ。

 ただし、そのためには「選挙で議員に当選しなければならない」という関門がある訳で、まあ、そのための「ノウハウ本」として読んじゃうって訳だ。

20――1.21人に1人が当選! "20代、コネなし"が市議会議員になる方法』(佐藤大吾著/ダイヤモンド社/2012年9月14日電子版刊・2010年9月30日紙版刊)

『全国地方自治体(市区町村)の前回選挙時の平均倍率は、なんと、1・21倍です(各地方自治体について2010年3月末時点での前回選挙の倍率について調査)。立候補した人の1・21人にひとりが当選した計算です。確率でいうと、82・5%。間違いではありません、名乗りを上げた5人のうち実に4人までもが当選しているのです』

 ってことらしいんだなあ。それはつまり……

『人気企業になるとその数字は跳ね上がり、セブンイレブン・ジャパン300倍、キリンビール260倍、伊藤忠商事110倍といった具合です(就職活動指導塾の「企業受験ゼミナール」調べ)。 本書を手に取ったからには「地元のために仕事がしたい」と思っている人も多いでしょうから、公務員に関しての転職事情について調べてみました。2009年10月に佐賀県が募集した職員募集の「行政特別枠」には、定員3人に対して469人の応募があったそうです。競争倍率は実に156・3倍にもなります』

 私が入社試験を受けた講談社の場合も300倍くらいだったなあ。

『佐賀県の市議・町議になるための倍率は平均1・23倍、最も難関の佐賀市議選でさえ1・66倍、最も倍率の低い江北町議選では1倍(候補者が全員当選の無投票選挙)になっています。つまり倍率で見ると「佐賀県庁に転職するより佐賀市議になるほうが100倍簡単だ」ということになります。自分の能力やスキルを地方のために役立てたいと「行政特別枠」に応募し、結果採用されなかった466人の中に、この事実を知っていた人は何人いたでしょうか』

『なぜ「市議会議員」という責任も名誉もある職業が、かくも低い競争率なのでしょう!? 理由はいろいろ考えられますが、ひとつには「立候補する人」と「選挙に行く人」が半ば固定化していることが挙げられます。毎度立候補する人が同じなら、選挙に行って投票する人も同じ、その結果当選して議員になる人も同じというわけです。別にズルをしているわけではないのですが、これではほとんど〝出来レース〟です』

『東京都新宿区では全人口の16%が20代の若者です。それに対して区議会議員38人の平均年齢は52・8歳で、うち20代の議員は1人(議員全体の0・03%)しかいません。神奈川県藤沢市では全人口の11・2%が20代なのに、市議会議員36人の平均年齢は52・6歳、20代の議員は1人(議員全体の0・03%)です。あなたの住んでいる市区町村に、20代の議員は何人いるでしょうか。全国的に見れば「20代議員が0人」の議会のほうが圧倒的に多いのが実情です。もちろん高齢の議員が年の功で、若い世代にも配慮し、将来への投資を考えた税金の使い方をしてくれれば、文句はありません。ですが、そんな年配議員は多くはありません』

『25歳といえば大学を出て、社会人になって3年目であり、一般的に「第二新卒」と呼ばれ、多くの人が最初に転職を考え始める時期だといわれます。「自分は何を成し遂げたいのか」と考える熱意ある25歳に対して、「議員になって世の中を変える」という選択肢を提案したいと思います。そう考えると選挙は「転職活動」と同じといえます』

 おおそうか、社会人になって3年目って実は一番沢山の人が最初に入った会社を辞める時期なんだそうだ。そういう意味では、そんな途中退社した若者が進む一つの道筋として「市区町村会議員」という選択肢もあるってことなんだなあ。

 おまけに、その議員報酬はその地区の人口や経済動向(つまり税収)によって違うんだけれども、最高は横浜市議会議員の報酬は96万9000円、我が文京区でも59万7000円だそうだから、横浜市は別として一流企業とまでは行かないけれども、その次の企業レベルの報酬は出るんだ。議員報酬の他に「政務活動費」のようなものも出るのだが、これはちゃんと「領収書」をもらわないと野々村神戸県議みたいになっちゃいますね。まあ、サラリーマンの時は「ウソ出張」はないと思いますけど、領収書をいろいろやって、出張費詐欺みたいなことをやったことがあるサラリーマンは多いでしょう。それはやっちゃあいけません。ただし、それは当選した後のこと。

 そのためにはキチンとした自分の地方行政に対するビジョンがないとだめだし、自分が議員になった時には何をしたいのかという明確なビジョンがなければだめだ。

 でも、これって就活の時に書くエントリーシートに書く、「私が入社したらこんな仕事をしたい」「私が入社したら会社にこんな貢献ができる」「私が入社したら会社をこんなところまで伸ばせる」といったような「嘘八百」と同じで、「私が当選したらこの市(区町村)でこんな仕事をしたい」「私が当選したらこの市(区町村)にこんな貢献ができる」「私が当選したらこの市(区町村)をこんなところまで伸ばせる」という「公約」なだけで、その実態は結局「結果を見なければ分からない」というだけのことなのだ。

 結果、当選すれば。取り敢えず4年間は仕事を続けられる筈だし、そこでキチンと頭角を表せば次の選挙も当選するでしょう。まあ、要は地方公共団体の議員って(それは国会議員だって同じだけれども)、何年かに一回、有権者による「査定」を受けるサラリーマンなんだよね。

 なので、この本の面白いところは「就活(転職)」に悩んでいるんだったら、地方公共団体の議員になることもひとつの選択肢ですよ。

 と言いながら実は……

『参政権は基本的人権の根幹の一つです。参政権を「投票できる権利」だと思っている人が多いのですが、本当は「投票する権利と立候補する権利」の両方が揃ってこそなのです。
 1998年、私は「若年投票率の向上」のためにNPO法人ドットジェイピーを設立し、国内初となる議員インターンシッププログラムを実施、これまでに1万人を超える大学生を議員に紹介してきました。
 設立から12年の時を経て、議員インターンシッププログラムの参加者OB・OGの中から27人が、現在議員として活躍しています。その過程で私もたくさんの若者から立候補の相談を受け、実際に選挙にも関わってきました。
 企業で活躍しているにもかかわらずその職を投げ打ち、常に批判の目にさらされる上に、報酬もけして十分とは言いがたい議員という職業にやりがいを感じ、「絶対に変えたいことがある!」という信念のもと、リスクを承知の上で立ちあがってくれる若者にこそ、私はひとりの市民として一票を投じたいと思います』

 というのが結論なのだ。

 まあ、タイトル以上にはちゃんとした本なのではあります。

――1.21人に1人が当選! "20代、コネなし"が市議会議員になる方法』(佐藤大吾著/ダイヤモンド社/2012年9月14日電子版刊・2010年9月30日紙版刊)

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