フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 伊勢五米店、千石~大塚を歩く | トップページ | 『ローカル志向の時代』と新聞の読み方について »

2016年1月10日 (日)

明るいミライだなあ『ローカル志向の時代』

 高知県の過疎の町に移住して「まだ東京で消耗してるの?」と揶揄するイケダハヤト氏みたいな人が増えているようだ。

 キーはイケダハヤト氏が「プロブロガー」を自称しているのと同じ、「IT・パソコン」ということなのだろうな。

Photo 『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』(松永桂子著/光文社新書/2015年11月20日刊)

 現在、都市から農村へ移住したいと考える人は多いようだ。

『それを象徴するのが、都市から農山村への移住希望の増加です。若者や子育て世代を中心に、農山村の暮らしを望む人びとは潜在層を含めると、かなりの数になるとおもわれます。2014年8月に国が東京都在住の1200人を対象にインターネット調査をしたところ、約4割が移住する予定、あるいは移住を検討したいという結果が出ました。東京の暮らしを捨てるかどうか、その濃淡はあるにせよ、他地域、とくに地方で暮らしてみたいという層は一定程度いるようです』

『移住したいとおもったきっかけについて30代の回答に注目すると、男性は1位「早期退職」2位「転職」、女性は1位「子育て」2位「結婚」があがっています。また、移住したい理由については、女性よりも男性が高い比率で「スローライフを実現したいから」と選択回答しており、キャリアチェンジ志向だけでなく、スローライフ志向の重なりがみてとれます』

 そして農村へ移住するきっかけは「IT・パソコン」ということなのだ。

『IT系・映像系の仕事を中心に、クリエイティブ産業に従事する人材が引き寄せられるように集まってきているのが、徳島県神山町です。まちの人口は約6000人、1955年には2万1000人ほどの人口を抱えていましたが、かつては人口流出が続いた典型的な過疎のまちでした。しかし、新たなライフスタイル、働き方を求めて、30歳前後を中心として定住者が増え、2011年には初めて社会増となりました』

『2015年現在、グリーンバレーが仲介し、ITベンチャーなど12社がサテライトオフィスをまちに設置したり、新会社を設立したりするなど新たな動きが起こっています』

『映像の業界は2009年頃を境に編集の方法が変わり、ネット上で大容量の映像のやりとりができるようになったとされます。かつてはテレビ局などにバイク便で編集テープを送付していたのが、パソコンでの編集・配信が可能となり、仕事場所が必ずしも東京である必要がなくなりました』

『技術があり、パソコンがあればどこでも仕事ができる、仕事を生み出せるといった才能があるからこそ、自由なライフスタイルを獲得できるのかもしれません』

『当初からIT系の起業を誘致するというスタイルだったのではなく、人が人を呼ぶ循環のなかで行きついた現在のかたち。創造性をキーワードとしながら、一方では伝統や住民の知恵を重んじる――神山の一連のこうした取り組みを、大南氏は「創造的過疎」と呼んでいます』

『地域へ向かう若者をみると、地域志向と事業志向と大きく二つの領域に分けることができます。前者は、地域衰退の象徴とされてきた商店街や農山村で、人口減少を克服するような動きであり、地域の課題を自身の得意な領域とすり合わせて、新しい仕事を創出しています。後者は、IT系や映像系など働く場所を問わない分野であり、自然や伝統的な暮らしとの親和性も高く、柔軟な働き方を可能にしています』

『終身雇用が機能しなくなり、雇用不安が社会を覆った「失われた20年」で、新たな働き方のひとつとして身の丈で起業を選択する人が目立ってきました。
 こうした小さな起業を表すのに、「スモールビジネス」や「小商い」、最近では「生業」ならぬ「ナリワイ」という用語が浸透しつつありますが、ここでは厳密に規模や業態を限定せず、「新たな自営」と呼ぶことにします』

 まあ「スモールビジネス」でも「小商い」でも「ナリワイ」でもいいけれど、最早、東京の大企業に定年まで勤め上げるという考え方は、今の若い人たちにはないのだろう。それは「失われた20年」の間に幻想であるということがバレてしまい、既に終身雇用や年功序列という言葉すらも使われなくなって久しい。

『日本の経済を支えていた仕組み、すなわち、終身雇用制度やメインバンク制度、年功序列制度、企業別組合、長期取引関係など、日本的な制度は高度経済成長のプロセスで形成されてきました』

 つまり、そんな「高度成長神話」が崩れてしまったこっち、そうした日本の経済を支えていた仕組みも制度疲労をおこしてしまったのである。

『失われた20年は、単に不況の20年というのではなく、制度疲労の20年であったといえるかもしれません』

 そして、それらの「スモールビジネス」「小商い」「ナリワイ」というのは、日本の崩壊しつつある資本主義を別の形で生まれ変わるきっかけになるかもしれないのだ。

『日本には現在、自己利益を追求する資本主義社会と、金銭のやりとりだけでは表すことのできない贈与の社会性が併存しており、むしろ後者の役割が高まってきています』

 この「贈与の社会性」というのは、本書では『社会的投資・クラウドファンディング」という言葉で表している。それについては深く触れないが、要は銀行が不良資産化することを恐れて貸し渋りをしたりしている間に、日本でも次第に普及してきているネットを通じた小口の金融のことだ。

 そうした新しいお金の回し方が出てきて、そして新たに地方で起業する若者が出てきて、その若者たちが地方の「顔が見える付き合い方」をしてきているというのは、若者の「マイルドヤンキー」化とも相まって、地方再生の目玉になるかもしれない。

『そのひとつの表れを地域社会の文脈から読み解くと、匿名性の高い社会から顔の見える関係が意味を持ち、都市と農村がフラット化し、タテ組織への帰属意識が弱くなり、新たな自営、小商いが存在感を高め、有機的なつながりを生み出しているといえます』

 ということなんだなあ。

 面白そうな時代がやってくるんだろうか。

『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』(松永桂子著/光文社新書/2015年11月20日刊)

« 伊勢五米店、千石~大塚を歩く | トップページ | 『ローカル志向の時代』と新聞の読み方について »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/63031873

この記事へのトラックバック一覧です: 明るいミライだなあ『ローカル志向の時代』:

« 伊勢五米店、千石~大塚を歩く | トップページ | 『ローカル志向の時代』と新聞の読み方について »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?