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2016年1月11日 (月)

『ローカル志向の時代』と新聞の読み方について

 昨日紹介した『ローカル志向の時代』の著者、松永桂子氏の「あとがき」に面白いことが書いてあったので、それを紹介。

Photo 『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』(松永桂子著/光文社新書/2015年11月20日刊)

『個人的なことで恐縮ですが、わたしは新聞中毒で、目覚めてすぐに30~40分、長い時は隅から隅まで1時間ほど新聞を眺めていることも少なくありません。読む順序は、テレビ欄、4コマ漫画、三面記事、地域欄、生活欄、連載小説、文芸欄、読者の投書欄、ここまでをじっくり、その後に国際、経済、政治の動きをちらと確認し、社説はほとんど見出しだけ、最後に一面記事をコラムに目を転じます』

 というもの。まあ、一見して松永氏が購読している新聞が「朝日新聞」だというのがわかる。これが日経新聞だと、まず最初はテレビ欄ではなくて文化欄になっちゃうもんね。で、三面記事、スポーツ欄、テレビ欄……、という順序になる。

 という問題ではなく。

 う~ん、毎朝の新聞を読むのに30分から1時間か、すごいな学者ってのは。私なんかは5分からせいぜい10分位で見出しをザーっと眺めて、気になる記事をちょこっとだけ読んだらおしまい。まあ、その後も気になったら電子版でちょこちょこと読みますがね。

 っていう問題でもない。しつっこいなあ。

『経済学の世界の専門家はほとんどが男性で、女性はごく少数派です。地域経済の分野でもこれまで産業構造や経済システムの分析が中心であったのは、「生産者・経済人の視点」「体系的な視点」からの分析によっていたことに起因します。これは言いかえると、男性的な分析視点ですし、対して「生活者視点」は女性が得意とする分野といえるかもしれません。
 新聞を1面から順に読み、読者欄などすっ飛ばすのがこれまでの経済人・体系的な視点、逆の読み方が生活者の視点とするならば、この本は、新聞を逆から読む、読者欄や地域欄、生活欄重視の読み方と同じような構成をとっています。
 そこから何が見えるのか、新聞を読んでいても、読者の何気ない日常を綴った投書や歌壇にみる描写がリアリズムそのもので、感覚的に時代の流れや価値観を捉えていると感じることは少なくありませんが、この本でも各章の具体的な話を読者欄や地域欄、生活欄として、分析や言説整理を経済欄や社会欄として、終章などはコラムのような位置づけでお読みいただけたら、著者として幸いです』

 松永氏は左利きなのでどうしても最終ページから左開きにして読んでしまうというのだが、それもさることながら、やはりこの松永氏が言うところの「生活者視点」ということなのだろう。

 新聞の構成っていうのは、まずトップニュースがあって、政治欄、経済欄という具合に、やはり社会を構成している大きな事項から入って、それらを順番に小さな視点に掘り下げるという構成になっている。それは当然、社会的影響力の大きなものから取り上げて行って、その影響がどんな風に社会の隅々にまで行き渡るのかという微細な部分に入っていくというのが、分析的・体系的な社会の捉え方になるからなのだ。

 それを逆に社会の一番小さな部分から入って行って、次第にそれを大きくまとめていくという読み方は、身近なことを大切にする女性らしい読み方なんだなあ、という感想がある。それを松永氏は「生活者視点」という風に呼ぶわけなのだが、生活者としてのものの見方から入って、それを最後に体系化するという考え方も、実際のフィールドワークでは普通の考え方ですけどね。

 ただし、その結果を本としてまとめる段になると、やはりまず大きな体系から入って、次第に微細な話にもっていくという方法論を、普通はとるんだな。

 で、本書の構成を目次からみると。

第1章 場所のフラット化
 1-1 古くて新しい商店街
 1-2 消費社会の変容と働き方の変化

第2章 「新たな自営」とローカル性の深まり
 2-1 古くて新しい自営業
 2-2 自営の人が集う場
 2-3 経済性と互酬性のはざまで

第3章 進化する都市のものづくり
 3-1 中小企業の連携の深まり
 3-2 新たな協業のかたち

第4章 変わる地場産業とまちづくり
 4-1 デザイン力を高める地場産業
 4-2 ものづくりとまちづくり
 4-3 外部者からみえる地域像

第5章 センスが問われる地域経営
 5-1 小さなまちの地域産業政策
 5-2 「価値創造」の場としての地域
 5-3 「共感」を価値化する社会的投資

終 章 失われた20年と個人主義の時代

 という形になる。

 いやあ見事な「生活者視点」からの構成ではあります。ということは多分この本は「終章」から逆に読み進めても、充分理解に至る本なのだろうということ。

 つまり、本というのはどこから読んでも理解に至る、あるいはどこから読んでもいい、ということなのであります。

 まあ、推理小説でそれやっちゃうと「自らネタバレ状態」になっちゃうわけで、それを良しとする人ならそれでもいいけど、「ネタバレ大っ嫌い!」って言う人はやめた方がいいということですな。

 えっ? 私? 私は「ネタバレ大好き」なんで、結構平気で推理小説でも最終章あたりから読んじゃうけれどもね。 

『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』(松永桂子著/光文社新書/2015年11月20日刊)

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