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2016年1月16日 (土)

『革新する保守』という言葉はやっぱり自己矛盾?

「革新する保守」という言い方は言語矛盾じゃないかとも思うんだが、寺崎氏によれば「革新する保守」の対立概念は「伝統的保守」であるようなので、それなら分からないでもない。

 では革新する保守と伝統的保守ではどう違うんだろう。

Photo 『革新する保守――良いアベノミクス、悪いアベノミクス――』(寺崎友芳著/扶桑社新書/2015年6月25日刊)

 まず、基本的な立場の違いは……

『人口が減少し続け、巨額の財政赤字を抱えた中、全ての人をハッピーにする政策はない、というのが革新する保守の立場であり、全ての人をハッピーにする政策があると信じているのが伝統的保守である』

『グローバル化や新興国の発展、IT化にどう対応していくのか、これはピンチにもチャンスにもなりうるが、チャンスとして捉えるのが革新する保守であり、ピンチとして捉えるのが伝統的保守である』

『潜在成長率が1%弱にまで低下している現在、新しい企業や若者などの持たざる者の機会を重視するのが「革新する保守」であり、既存の企業や労働者など既得権益者を保護するのが「伝統的保守」である』

 市場原理については……

『革新する保守と伝統的保守の違いは、この市場原理に対する信任の強さの違いとして表れる。革新する保守は、市場の力を重視し、伝統的保守は、市場の力を軽視する。伝統的保守は、弱者保護、利用者保護という名目で多くの規制を網の目のようにかける。一方、革新する保守は、規制は、前述のような経済学で認められている外部経済などの市場の失敗が発生する分野に限定することを求める』

『革新する保守は、まず市場原理を重視することで経済成長を促進させ、そのうえで所得再分配を行うことを主張する。要は、まずパイを大きくしてから分配するという立場である。一方、伝統的保守は、パイの区分所有権が維持できるのであればパイをそれほど大きくしなくてもいいという立場である』

『社会や企業の安定を求める伝統的保守は、中小企業を積極的に支援するため各種優遇措置を整備してきた。これらの措置は経済全体のパイが広がる中では、中小企業の所得の引き上げに貢献したのは事実である。一方、革新する保守は、現在のように人口が減少し、内需が縮小する中で中小企業への優遇措置を継続することは、過当競争を招くので廃止すべきと考えている』

 公共投資については……

『伝統的保守は、公共投資の需要面の効果を重視している。 /革新する保守は、公共投資の供給面の効果を重視する』

 少子化対策については……

『伝統的保守の少子化対策は、配偶者特別控除制度や第三号被保険者制度など専業主婦への優遇制度の維持、解雇規制の維持による正社員の保護、既存保育所の保護、一律の児童手当支給など広く薄い支援である』

『革新する保守は、専業主婦を前提にした子育て支援制度を改め、仕事と子育ての両立できる社会を目指す。そのために、企業には子育て支援に関する実績の情報開示を迫る。正社員の保護を弱めてでも非正規社員の正規化や待遇改善を推進する。既存保育所には申し訳ないが、株式会社など保育所運営への新規参入を推進する。児童手当は第三子以降に重点的に給付する。既得権益に囚われず、最も効果の大きい政策を推進する』

 地域政策については……

『伝統的保守は、地域間格差の是正に積極的である。自民党は正に国土の均衡ある発展政策により地方で圧倒的な強さを維持してきた。しかし、それは1990年代までの話である。前述のように国土の均衡ある発展政策の基盤が失われて、小泉改革によって財政再建路線に転換されて以降、必ずしも地方は自民党の酒池肉林ではなくなった』

『革新する保守の立場の地域政策とはどのような政策か?
大前提が二つある。まず、第一の大前提は、東京一極集中は結果であって原因ではないということだ。
 東京一極集中が進んで地方が衰退したわけではない。地方が衰退して東京一極集中が進んだ。正確に表現すれば、地方でも、滋賀県など関西の優良企業の工場が集積している県や、静岡県など地場の輸出企業がグローバル化している県は所得が高い。北陸3県も堅実な優良企業が多く、所得が高く、雇用も安定している。愛媛県や山口県、福岡県などは、必ずしも集積の経済の恩恵を享受していないが、差別化された独自の製品やコンテンツで全国展開する企業を輩出している。低迷しているのは、そうした外貨を稼ぐ地場企業が育たなかった地域や、有力な地場企業が東京や海外に出て行った地域である。
 第二の大前提は、人口減少と財政制約の下、全ての都市・集落を維持することは不可能であるという現実を直視しなければならないということだ』

 こうやって見てくると、基本的に「革新する保守」って要は新自由主義っていうことではないのだろうか。市場原理の尊重、自由貿易の推進、規制緩和による経済活性化という点ではそうだ「革新する保守」が新自由主義とは大いに異なる部分があって、それは社会保障費の増大に伴う政府支出の増大やその財源としての増税はやむを得ないという立場に関しては新自由主義ではないという。だけどなあ、基本的に格差を容認あうるという立場を見て見れば、やっぱり新自由主義の一種だとは思うんだけれどもなあ。

 といって、別に私は新自由主義のすべてを否定する気はない。というか、基本的には私も新自由主義を受け入れているんですけれどもね。でも、そればっかりじゃあ助けられない人がいるんじゃないか、というところで違和感を感じる訳です。

『小さな政府を目指す新自由主義は、人口が増加しているアメリカでは実現可能であるが、人口が減少している日本は、日本型の新自由主義を目指すべきではないか』

 というのが寺崎氏の主張なわけだが、でもそれって結局はアメリカ型か日本型かっていうだけで、新自由主義のちょっとした表現の違いだけっていう感じがある。

 勿論、新自由主義を新自由主義だからって否定するものではないけれども、例えば東京一極集中っていう問題に関しても「それはやむを得ないことだ」と放り投げてしまい、地方の自助努力だけに期待するのはちょっと違うんじゃないだろうか。

 もっと積極的に中央官庁の地方移転なんかの方法も考える必要がありそうなのだがね。

 結局は新自由主義という名前の保守主義(自民党支持)という気がするなあ。

『革新する保守――良いアベノミクス、悪いアベノミクス――』(寺崎友芳著/扶桑社新書/2015年6月25日刊)

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