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2015年12月17日 (木)

『ニッポンAV最尖端』って、結構前衛的なんですね

 AV(アダルトビデオ)なんて、この「ネットでエロ動画見放題」の時代にまだあったんだ。

 それだけじゃなくて『83年に発売されたAVカタログ「月刊TVガイド ビデオコレクション臨時増刊 アダルト・ビデオ3000」(東京ニュース通信社)には成人映画のビデオ化も含め、14のジャンルに分けた索引がつけられている。(①ビデオマガジン②ポルノフィルム③ナマ撮り④ハウ・トゥー⑤SM&スカトロ⑥オナニー⑦キャンパスギャル⑧セーラー服ギャル⑨人妻・愛人・OL・マントル嬢⑩ロリータ⑪レズ・ホモ&ゲイ⑫レイプ⑬ドキュメント⑭アブノーマル)』なんて様々なジャンルがあったんだなあ。

Av_2 『ニッポンAV最尖端 欲望が生むクールジャパン』(藤木TDC著/文春文庫/2015年12月20日刊)

 といって、別にAVに詳しい訳ではないので、まず最初に「すこし長めのあとがき」に記された、「ニッポンAV最尖端」の歴史から見てみよう。

『80年代初頭に生まれたAVはこれまで3回、ブームのピークを迎えている。  第1のピークは82年から84年にかけて。ホームビデオの普及期であり、ビデオデッキという新商品を手にした庶民は、自宅で見られる成人向け動画=AVをこぞって手に入れようとした』

 フムフム

『第2のピークは87年から90年頃である。レンタル店の普及やデッキの廉価化で視聴環境が大衆化し、帝王・村西とおるの登場でAVの認知度が高まりソフトが充実した時代だ』

 なるほどねえ

『その後91~92年頃からAV業界は低迷の時期に入る。メーカーが増加し、商品価格のダンピング競争が始まって利幅は次第に薄くなった。ビデオカメラが小型高性能になり、誰でも簡単にハメ撮りAVが撮れる時代になると監督やスタッフの専門的職能の必要が薄れ、作品性の乏しいAVが作られるようになった。また倒産したメーカーから無修整テープが流出し、裏市場に有名女優の無修整ビデオが出回り、マニアはAV=表ビデオよりも裏ビデオに殺到する』

 とはいうものの

『同じ時期、雑誌や写真集ではヘア解禁(というか警察の容認)という画期的出来事があったが、AVの表現規制を独占的に担っていた日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)はしばらくの間その解禁を認めず、視聴者はAVを時代遅れと感じ始める』

 そりゃそうだ

『ビデ倫に加盟しないヘア解禁派のセル専門AVが登場するのもこの時期だ』

 う~ん

『低迷期が長く続いたAV界に復活の兆しが見えたのは2000年を過ぎる頃だった。レンタルビデオとは別にセルAVのマーケットが確立したのである』

 なるほど

『だがAV業界は05年以降、新たなブームのピークを作ることができず、現在まで長くなだらかに市場の収縮が続く不況の中にある』

 それは残念ですね

『ただ、この10年間でAV女優の容姿のレベルは格段に上がった。それはAV以外の産業の不況と連動しているといわれる。つまり、かつてはファッションモデルやレースクイーン、やや格落ちしても銀座や六本木の水商売で生計を立てられた女性たちが職場を失い、やむを得ぬ気持ちでAV界へ集まって来るようになったのだ』

 うんうん、それはいいんだけれどもね

『ところが同じようにAVを買うユーザー側も不景気のまっただ中にあり、豪勢に大人買いできる富裕層は少なくなっている』

 そうだよね

『新作AVは1タイトル1000本売れれば大ヒット、500本でも黒字になる原価設定だが、そのペイラインすらなかなか超えられないと、中小のメーカーは嘆いている』

 ま、結局そういうことなんだよなあ。

『売れない中小メーカーの敵は大手メーカーだけでなく、無修整で見られる裏DVDやネットの動画配信も強力な商売がたきといえる』

 ネットでは見放題だもんなあ。ただし、AVみたいな「変化球」はなくて、まんまセックスの有り様を見せる、というのがネットのエロ。つまり、日本のAVができなかったからこその変化球はそこにはない。

 というのが日本のAV35年の歴史である。

しかし、考えようによってはよくもまあ35年も持ったもんだとも思える。「BUKKAKEビデオ」に始まって「自力走行バイブロボット」「シーメールビデオ」「地球の辺境を目指すAV」「格闘技ポルノ」「微乳ポルノ」などなど、そのアイデアには笑ってしまうが、それでもそれらを考え出す人たちは、それぞれ真剣な「売り物は何か」を考えた結果だと思えば、そこには日本人特有の生真面目さというのが窺い知れる。

 勿論、1980年代に生まれた当初のVHSは30分しか再生することができなかったという「新しいメディアの弱点」と「直接的な性交描写ができない日本の法制度」という二つの理由が、そんな百花繚乱なジャンルを生み出したわけであるが、それにしてもである。

『21世紀が近づくと、ロシア・東欧の状況はドラスティックに変わった。一党独裁の社会主義から資本主義、自由商業主義へイデオロギーの180度の転換が起きたのだ。ソビエト共産党の呪縛から解放された東欧の国々は当初、政治体制の民主化・自由化と引き換えに深刻な経済破綻を受け入れねばならなかったが、そうした国家の危機につけこんだのがアメリカと日本の巨大ポルノ産業だった。
 ソビエト共産党の呪縛から解放された東欧の国々は当初、政治体制の民主化・自由化と引き換えに深刻な経済破綻を受け入れねばならなかったが、そうした国家の危機につけこんだのがアメリカと日本の巨大ポルノ産業だった。
 東欧諸国の人民は貧しかったが、そこには世界でもっとも美しいといわれるスラヴ民族の女性たちがいた。困窮したロシアや東欧の少女たちは価値の高い外貨と引き換えに、積極的に裸体と性交をさらすことを受け入れた。東欧諸国が自由主義先進国のポルノ基地となるのは時間の問題だった。まずはアメリカのポルノメーカーが素人女優を発掘し、ポルノビデオに出演させて売り出した。日本のAV界も、もちろんそれに倣った』

 なんていうところは、やはりAVだとは言っても世界の歴史とは不可分にあるということなんだなあ。というか、モザイクという決定的に「エロ」でないものを取り入れなければならない日本のAVは必然的に表現の極北を往かなければならないということなんだろうなあ。

 そういう意味では、もしかしたら「ニッポンAV最尖端」とは、映画やテレビなどの他の映像媒体ではあり得ない、前衛的な表現を常に取り入れなければ生きていけない映像なのかもしれない。

 そんな前衛的な映像媒体が、単純に男女のセックスのありさまをただ単に描いただけのネットの動画に負けてしまったことは、ちょっとは残念なところではある。

『ニッポンAV最尖端 欲望が生むクールジャパン』(藤木TDC著/文春文庫/2015年12月20日刊)本書は2011年8月8日コアマガジンから刊行された『アダルトビデオ最尖端~身体と性欲の革命史~』を改題したものなので、データが少し古いです。

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