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2015年10月11日 (日)

『恋恋電影』って意味は分かるが、読みは分からない本

 名古屋の人には高野史枝という名前は、東海ラジオ日曜朝8時45分~9時の番組「チャイナ・なう」のパーソナリティをやっている人、といえば分かるのかな。えっ? 知らない? うーん、まあ確かに本書も月刊誌「シナリオ教室」って雑誌の連載をまとめたものだが、月刊「シナリオ」なら私も知っているけれども月刊「シナリオ教室」なんて知らないもんなあ。

 えっ? 「シナリオ教室」って本屋さんでは売ってないの? それじゃあ知らなくてもしょうがないや。で、なんでそんなマイナー(地域じゃメジャーなのかな?)な高野さんを知っているのかと言えば、彼女が勤務していた会社の関係なのだった。

 で、その高野さんが現在『厨房男子』というドキュメンタリー映画を製作中で、その案内から本書のことを知ったという訳。

Photoシネマエッセイ 恋恋電影』(高野史枝著/自由空間/2015年9月20日刊)

 本書は50作品の映画について書き綴ったエッセイとのことなんだが、なんとそのうち私も見ているのはたったの5作品というテイタラク。うーむ、「本と映画と写真の徒然」なんてカッコつけている私のブログなんだけれども、最近あまり映画を観なくなってしまっているのは事実だ。年間最低でも50本くらいは見ないとなあ、といいながらあまり「これは見たい」っていう映画が少なくなって来てしまったのは、最近の映画が面白くないから? あるいは、私の感性が衰えてきたから? それとも情報収集能力が衰えてきたのなかなぁ?

 で、その5作品とは『ハートロッカー』『キャタピラー』『ザ・コーブ』『そして父になる』『アクト・オブ・キリング』。それぞれの作品についての私の感想はそれぞれのタイトルをクリックしてもらえば、昔のブログを読めます。

 それを踏まえて高野氏の映画評(ああ、シネマエッセイですね)を読むと、これがまあ何というか「男目線」と「女目線」というのでしょうか。見事なくらい私の映画評と異なってきているのが面白い。っていうか、そんなことは当たり前で、映画を観た人が100人いればそれぞれ100通りの見方があるのが当然ではあるのだけれども、ここまで見事だとなんか感心するなあ。

 とは言うものの

『「よく見りゃ反戦映画だが、表面だけ見てると『タフな戦争映画』にしか見えない」という構造は「ハートロッカー」と同じ。さまざまな決定権の多くは男性が持つアメリカ社会で、その力の作用を読み切ってしたたかに映画作りをし、アカデミー監督賞をもぎ取った、タフな彼女を讃えたい』(ハートロッカー)

 とか

『彼は今まで拷問したり殺したりした連中を「人間」だとは思っていなかった。しかし「アクト」(演技)することで、自分が虐殺した人間も、自分と同じ人格を持った人間だったと気づき、自分のした「アクト」(行為)がいかに恐ろしいことだったかを、とうとう悟ったということだ。「よかったね」とはとても言えないけれど、(デブの虐友ヘルマンは全然平気だし!)ちょっと気持ちが明るくなった』(アクト・オブ・キリング)

 とかいう部分は同感なのだ。がしかし……

『鯨カツ、鯨ステーキ、鯨竜田揚げ、鯨ベーコン、鯨大和煮の缶詰…どれも大好物。大人になってからは尾の身の刺身や鯨と水菜のハリハリ鍋、さらし鯨の酢味噌などを酒のアテにし、関西へ行った折は関東煮(かんとだき)の店でサエズリ(鯨の舌)、コロ(鯨の皮脂肪を鯨油で揚げたもの)に舌鼓』(ザ・コーヴ)

 というほどには、あの「代用肉」である鯨はあの匂いにちょっと閉口して、あまり好きではない私にとっては「えっ? そんなに美味しいの?」という感じだったし、映画の製作者たちの製作意図がどの辺にあるのかはっきりしない製作姿勢に対する疑問もあったのだが、その一方で、撮影されている太地の漁民たちの姿勢にも疑問を持ったのも事実である。「これは太地の文化だ」「昔からの伝統だ」というのであるならば、それはそれで主張しつづければいいだけの話である。それを何故、映画製作者を撮影しにきたジャーナリストにまで厳しく当たらなければならないのだろうか、という疑問である。

 それと「戦争」については、高野氏は「すべて反対」なんですね。この辺はやはり「女目線」の最たるところで、「自分の愛する夫や息子が戦争で死んじゃいや」という気持ちはわからないではない。

 がしかし、「戦争にはいい戦争と悪い戦争がある」という事実(勿論、それは当事者の立場によって「いい」と「悪い」は100%代わってしまう非対称なのであるけれども)もあるということを考えるのが「男目線」であるとするなら、やはり私は「男目線」で戦争を考えているようなところがある。

 まあ、その辺はやむを得ないところではあるものではあるが、概ねは面白い見方をするもんだなあ。というところかな。

 講談社出版販売名古屋支店に在職していたころは「変なネエチャンだなあ」という感じの高野さんではあるのだったが、今となっては「結構、オモロイ・オバチャン」になったもんだ。

 で、どうでも良いのだがこの本のタイトル『恋恋電影』は「コイコイデンエイ」なんですか? 「レンレンデンエイ」なんですかねえ?

 どっちか教えて。

Photo_3

『厨房男子』は12月19日から名演小劇場にて公開予定。

Photo_2 シネマエッセイ 恋恋電影』(高野史枝著/自由空間/2015年9月20日刊)殆ど高野氏の自費出版のような本なのでAmazonでは手に入らないみたいだし、東京の書店で手に入れるのも難しいと思われる。欲しい人は発売元の晨星書房まで直接申し込むこと。

晨星書房
〒464-0034 名古屋市緑区若田 2-811
Tel & Fax 052-622-7884  Email  fumietta@s6.dion.ne.jp

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コメント

えー、このエッセイの原題は「女の色めがね」だそうです。ナルホドね。
まあ読んだ男からは総スカンだったそうですけど、まあこれが「女目線」で書いているなあ、ということが分かっていればそんなに問題はないんだけれどもなあ。

高野さんからメールが入り「れんれんでんえい」が正しい読み方だそうです。

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