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2015年10月31日 (土)

ネットフリックスの時代

Netflix(ネットフリックス)が2015年9月から日本でサービスを開始した。なにしろ全世界50ヵ国で6500万人のユーザーを抱える大企業の日本の上陸である。

 それでも「黒船」と言われたアマゾンのキンドルほどには話題にならなかったのは何故だろう。キンドルの場合は日本の書店業を駆逐すると言われたのに、ネットフリックスの場合は、相手はテレビ局という大企業であり、また一番影響を与えるであろうレンタルビデオ屋さんは、いまや「町のレンタル屋さん」なんてものはとうの昔に駆逐されてしまい、やはり影響を与えるのはTSUTAYAとGEOの大企業だけだからなのかも知れない。

Photo 『ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える』(西田宗千佳著/講談社現代新書/2015年11月1日刊)

『アメリカでは、プライムタイムの場合、インターネットを流れるデータ全体の30パーセントから35パーセントが、ネットフリックスの映像を流すためだけに使われている状態であり、メジャーなテレビ局一社を比較しても、同等以上の「視聴者占有率」を誇る』

 というネットフリックスであり、アメリカのレンタルビデオ屋さんがそのおかげで次々に廃業しているというニュースは入ってきている。しかし、日本ではまだまだTSUTAYAやGEOはビクともしていない。多分、それは彼我のレンタル屋さん事情の違いによるものだろう。

 自宅とレンタルビデオ屋さんとの距離が、クルマで行かなければならないようなアメリカと、ちょっと歩いて行けばすぐにレンタルビデオ屋さんに行ける日本との地理的な違い、というこれはやはりキンドルをはじめとする電子書籍の普及の度合いと同じような事情があるようだ。

 また、

『日本の場合、そもそも「有料放送」が広がっていない。衛星放送にしろVODにしろ、加入者は400万件から500万件のあいだで足踏みしており、大きく伸ばすのが難しい状況だ。ほとんどのコンテンツはまず、もっとも利用者が多い無料の地上波放送のために用意されて、有料放送はこだわりのある人向けのものである』

 というような日本とアメリカの事情の違いもあるのかも知れない。ただし、これは日本もCATVが普及し「有料でテレビを見る」習慣ができてくれば少しは状況の変化はあるかもしれない。ただし、それはやはり大人の層である。

『いままで、テレビを見るのにお金を支払う経験のない人に、毎月500円から1000円とはいえ、支払ってもらうのは簡単なことではない。特に、テレビから離れた人びとのうち、若い層を中心に攻める場合、「有料」のハードルはさらに高くなる』

『ポイントは、SVODを「有料放送の代替」と見るのか「レンタルビデオの代替」と見るかである。ネットフリックスはレンタルビデオの延長線上から生まれたものだが、海外においては、特にオリジナルコンテンツが増えて以降、有料放送の代替というイメージでとらえられることが多かった』

 とは言うものの、日本ではアメリカにない特徴的な映像ビジネスジャンルがある。

『昔ならばビデオでだけ発売されていたような作品でも、短期間、特定の映画館でだけ上映することで「劇場公開された映画版」として箔をつけることもできる。そういうやり方は、我々の脳裏にある「ウィンドウの上下」に乗ったビジネス手法といえる。
 一方、そうした箔づけを意識しつつも、映画館という場所の持つ価値を活かしたビジネスに成功しつつある例も少なくない。その成功例は、やはり「アニメ」だ。
 近年はアニメで「イベント上映」という手法が定着している。テレビアニメの第1話や最終話を特別に上映したり、ディスク販売に先駆けて短期間だけ映画館で上映したりするのだ。これは「劇場作品」という箔を求めた行為ではない。アニメファンはそんなものは求めてはいないからだ。劇場の大画面で、ファンが集まって見られることの持つ「リアルな場としての価値」が評価されているのだ。上映するだけでなく、監督やキャストの挨拶なども用意され、希少性を高めている。だから「イベント上映」なのである』

 なるほどなあ、日本における「アニメ」というのはアメリカにおけるアニメーションとはまったく異なったジャンルだし、日本においては他の映像ジャンルがアニメの後追いをしているという事情もある。ということはアニメビジネスを見ていけば、今後の他の映像ビジネスの姿も見えてくるということなんだなあ。

『重要なのは、イベント上映とまったく同じタイミングで、ネット配信サービスで、有料の配信がおこなわれることだ。ネット配信の価格は、一般的な配信より高い「1000円」に設定されている。配信画質も高めに設定され、いち早く見られることに加え、プレミア感を演出している。
 日本の配信事業は、ディスクにくらべ数分の1の利用者しかいない。だが、このイベント上映にあわせた配信は、驚くほどの売上げを達成する』

 ただまあそれも「ガンダム」シリーズや「宇宙戦艦ヤマト」シリーズなどの、ビッグタイトルを手にするバンダイビジュアルだからできるってなもんですけどね。

 結局、

『見逃し配信やSVODの登場は、なにかを破壊するものではなく、生活の変化のなかで「静かに離れていく顧客」を引き止めるものであり、新しい消費スタイルを生み出すものだ、と筆者は考えている』

 ということだし、

『いきなりそれが小さくなることはない。でも、ゆっくりと「放送」の力は弱くなり、他のメディアへと、資金や人の目は移っていく。  重要なのは、「スマホか既存メディアか」ではなく、「スマホも既存メディアも」とすることだ』

 まあ、新しいメディアができれば、当然、既存のメディアはシュリンクするものだ。しかし、そうは言っても、

『そんな時にも、「コンテンツの中身が良くなければヒットしない」という原則は変わらない』

 という重要なことだけは不変なのであります。

『ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える』(西田宗千佳著/講談社現代新書/2015年11月1日刊)

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