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2015年10月16日 (金)

『男 アラーキーの裸ノ顔』で見えてきたもの

「男の顔は履歴書・女の顔は請求書」という言い得て妙な、名言を遺したのが評論家の故大宅荘一氏。

 アメリカの16代大統領のリンカーンは、「男は40歳になったら自分の顔に責任を持たなくてはならない」と言ったのも有名な話。

Photo 『男 アラーキーの裸ノ顔』(荒木経惟著/KADOKAWA/2015年3月25日刊)

 遺伝子学から言うと、遺伝子というのは40歳くらいまで辛うじて働くのだが、それ以降の効力はほとんどなくなっているらしい。 顔の造形などは、40歳前後までは両親から受け継いだ遺伝子におおむね従っているので、造作が良かった親の遺伝子を受けついで、よい顔に生まれた男はハンサムになり、女は美女でいられる。 しかし、それ以降になると、次第に遺伝子の効力が失われ始めて、その人の生活環境や心構え、職業、言動、生活習慣という生き様が、顔に大きく影響されてくるという。

 つまりそれが「男の顔は履歴書」「男は40歳になったら自分の顔に責任を持たなくてはならない」という言葉の元になった考え方だろう。そんな「男の顔」についての大事な資料がここにある。

Photo_2

Photo_3

 上の写真が若い頃の三國連太郎氏で下の写真がご存じ佐藤浩市氏の親子の写真である。三國連太郎氏は最近の顔とはまったく違って、むしろ現在の佐藤浩市氏に似ている……じゃなくて、佐藤浩市氏が若い頃の三國連太郎氏にそっくりなのだということ。

 この佐藤浩市氏がやがて三國連太郎氏のような顔になっていくのかというと、それは今後の佐藤浩市氏の生き方次第だということなのだろう。

 同じ例が本書の最初に収められた「ビートたけし 1997.2.25」と最後の「北野武 2014.12・19」かもしれない。最初に収められたのは北野武氏50歳、最後は67歳。最初の頃のビートたけしは既に40歳はとうに過ぎているが、1986年に講談社襲撃事件、1994年に酒酔いバイク事故を起こした頃のビートたけしはこれ以上に鋭い顔つきをしていたんじゃなかっただろうか。確かに、1997年のビートたけしの顔は犯罪者の顔つきと言ってもいいくらいの鋭さがあるし、2014年の北野武の顔は、やはり初老の人間らしい、人生を積み重ねてきたらしい顔つきになっている。

 残念ながら、私自身の顔つきにはあまり自信はないのだけれども、まあ、考えて見れば若い時に比べれば確実に「チョイ悪オヤジ顔」になっているのは、確実だな。いやいや「チョイ悪」どころか「大悪顔」だという人もいますがね。それがどういった人生の積み重ねによってできたものかは、実は自分でもよく分かっていないのだ。それが残念! まあ自分の「生活環境や心構え、職業、言動、生活習慣という生き様」なんてのは、実際には自分では日々意識してないものね。

 ところで、この写真集で普段は他人を撮ることを業としている人が、アラーキーに撮られているのが3人いる。

「沢渡朔 1999.3.8」「森山大道 2005.2.24」「操上和美 2006.2.16」である。まあ森山氏なんかはよく雑誌なんかでも顔を出している人なので、まあ見ててもあまり違和感はないが、沢渡氏や操上氏なんかはどんな気持ちでアラーキーに撮られているのだろうか。普段は被写体とカメラを通して対峙している人たちが、逆に被写体としてカメラを通して撮影者と対峙している訳である。

 そんな時に初めて、被写体の気持ちなんかが分かって、もっと優しく被写体と向き合うようになるんだろうか。あるいは、「そうかこうやって被写体をもっといじめてもいいんだ」ってな気持ちになるんだろうか。

 う~む、それはフォトグラファー自身の考え方に基づくんだろうけれども、なんか、写された後の心境と言うものを聞いてみたい気がしてきた。

『男 アラーキーの裸ノ顔』(荒木経惟著/KADOKAWA/2015年3月25日刊)

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