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2015年9月10日 (木)

『地方消滅 創生戦略論』の「なるほど」感に本当は地方の人ほど気づかなければいけないのだけれどもなあ

 基本的なことを言ってしまうと、要は「東京モデルを捨てよう」ということなんだなあ。

『東京に追いつけ追い越せと東京のほうばかり向いてがんばったり、東京の尺度での努力を続けても、それは大が小に勝つに決まっているので、そういうがんばり方はやめましょう、もっと地域の固有の価値を見直しませんか』

 ということ。

『地方創生の本質は、結局、地域それぞれが持っている比較優位にどこまで集中できるかということです。東京は東京らしさを追求すべきだし、盛岡は盛岡らしさを追求したほうが、日本のトータルの経済も大きくなって、生産性も上がるんですよ』

 ということなので、実はそんなに大変なことじゃないんだけれども、役人の世界からすると、これが大変なことなんだなあ。

Photo_2 『地方消滅 創生戦略論』(増田寛也・冨山和彦著/中公新書/2015年8月25日刊)

 基本的なことを言ってしまうと

『いち早く高齢化し人口減少に悩んでいる日本の地方は、世界の「課題最先端地域」である。地方が自らの課題を解決する取り組みは、世界最先端の研究課題を行っているに等しい。自らの足元に地方発の新たなビジネス・チャンスが眠っている』

 ということ。地方の「弱み」をツブし、「強み」を如何に伸ばすかということを研究課題にすればいいのに、その逆に「弱み」を如何にして「弱くさせなくするか」ということばっかりに注力しているから、逆にその地方の「強み」に気づかなくさせられているということなのである。

『要は、地方経済は右肩下がりなうえ、生産性も下がっているので、若い人をひきつけるような「相応の賃金」「安定した雇用」「やりがいのある仕事」を提供できない。そのため、若者は地方から流出してしまう。すると人口が減少し、経済もさらに衰退していく。そうした負のスパイラルが起きてしまっています。
 従来、経済が衰退すれば人出は余るというのが常識でした。しかし東北地方を筆頭に、現在の日本の地方では急激な人口減少が進んでいます。とりわけ一五歳から六四歳までの生産年齢人口の減少が先行的に進んでいるため、「経済が衰退しているのに人出が足りない」という、これまでのパラダイムを大きく転換するような事態が起きている。
 これを乗り越える、つまり正のスパイラルへと逆回転するためには、どうすればいいのか。経営の視点からいえば答えは簡単です。地方の企業が一生懸命、生産性を高めることで賃金を上げ、できるだけ正社員として安定雇用を行うことで働き手をひきつけるしかない。要するに、「ちゃんと経営しましょう」ということです』

『ある意味、地方経済が中央の縮小コピーになっていて、政・財・官のトライアングル構造ができあがっている。このことは地方の生産性向上を阻む一つの要因だと思います。地方の場合、そうしたトライアングルが切磋琢磨してイノベーションを起こして、生産性を高める方向ではなく、中央に陳情して補助金を獲得したり、政府系金融機関からお金を引っ張ってくることにエネルギーを使ってきました。私の印象だと、七対三で陳情のほうに力点がある』

 むしろ大事なのは、そういった地方には思い切った「選択と集中」でもって、向き合うべきだという。

『本当にやる気とポテンシャルのある産業、企業、経営者、つまり「強き」に資源を集中するようなプランを出してきた地方にお金や権限を与えるべきですね。
 それは、地方間の格差につながるし、同じ地方のなかでも格差をつけることになります。しっかり応援してもらえる「強い」産業や企業と、市場からの退出を促される「弱い」産業や企業とのあいだにメリハリをつけることができるか。「強き」も「弱き」も共倒れになってしまわないために、ここが地方を応援する際のカギだと思います』

 そして、そんな地方発のイノベーションを興そうというのである。たとえば原発事故のあった福島は、それを逆手に取って原発廃炉の先進地区にしてしまうとか。

『また福島には原発廃炉のためのロボットをはじめ、これから必要になる技術がわんさかありあすから、福島県に世界最先端のロボット研究拠点をつくろうという「イノベーション・コースト構想」があります。具体的には、福島第一原子力発電所に廃炉研究の拠点を設置するとか、楢葉町に廃炉作業用のモックアップ(原寸模型)を建設してロボットの試験をしたり、という計画が進んでいます』

『正確なデータをふまえながら原発事故による放射能汚染という危機を乗り越えて、震災前から抱えていた人口減少、産業の衰退、労働力不足といった課題を一つ一つきちんと解決することが福島の復興につながると思います。正確な情報に基づかずに、福島はもうダメと危機を煽ってっも復興には至らない』

『本書の冒頭で申し上げたように、賃金の源泉は経済的利潤、つまり付加価値です。付加価値が伸びないと賃金も伸びません。地方の悪循環とは、生産性が低いため賃金水準も低く。若い人は東京にいってしまう。そこでまた経済が縮小し、密度が下がるから生産性も下がる。そして賃金がさらに下がる……ここから抜け出すには生産性を高めるしかないのです。
 先ほども述べましたが、経済成長には人口増加以上に生産性の向上が効いてきたという人類史上厳然たる事実がある。日米を比較しても分かるように、これはつい最近においても当てはまります。そう考えると、持続的な成長がアベノミクスの最終的なゴールだとすれば、そのために欠かせないのは生産性向上であり、その余地があるのは、圧倒的にローカルの経済圏なんですよ』

『「伸びしろ」はこれからの地方を考えるときのキーワードですね。しかもローカル発のイノベーションの可能性も高まっている。現在起きつつあるイノベーションの例として、自動運転、Uber、ドローン、人工知能、IoTなどが挙がりましたが、いずれも、地方でこそ活きる技術でした』

 うーん、なるほどなあ。確かに、現在伸びきってしまっている東京の経済に頼るよりは、現在はまったく縮んでしまっている地方の経済を如何に伸ばすかを考えた方が、可能性は高いということなのだろう。

 問題は、地方に住む人たち、県民、行政、県会市会議員たちがそのことに気づいていないか、あるいは気づいていないフリをして、ひたすら東京からカネやモノを引っ張ってくることばかりに血道をあげているということなのだろう。

 本当はそんなことじゃなくて、地方自身の力で離陸をしなければ、いつまでたっても地方の自立はやってこないってことなんだけれどもなあ。

『地方消滅 創生戦略論』(増田寛也・冨山和彦著/中公新書/2015年8月25日刊)

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