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2015年5月30日 (土)

『こんな漫画家になりたくなかった』かもしれないが、それが生きる道だったんだから仕方がない

「コモエスタ」と言えば「赤坂」でしょ、知らないよ「神楽坂」なんて、って私も思っていた。

「風俗体験取材漫画家」って言われても、それが何を意味するのか、まあ字面で判断するしかない訳で、それはまあ「風俗体験取材漫画」って言うものがあるんだ、という程度。

「日刊ゲンダイ」なんかの風俗記事と言えば、基本は漫画じゃなくて活字記事。そういう風俗漫画雑誌っていうものがあるんだ、ということをこの本で初めて知ったような訳ですねぇ。

Photo 『こんな漫画家になりたくなかった 風俗体験取材28年間の苦悩』(コモエスタ神楽坂著/コア新書/2015年4月17日刊)

『今現在(2015年)、週刊漫画誌は10誌、月刊誌、季刊誌、増刊など定期的に漫画掲載されている商業雑誌は250誌程度(だそうだ)。バイトもせず、漫画(イラスト・カット)だけを描いて生活している漫画家は大雑把に1万人。無料漫画アプリの台頭で漫画家の価値観が一変するかもしれないが……。
 その中でもサラリーマン並に生活できるのは、毎年2冊以上の単行本が発売されて10万部以上の売り上げがある漫画家か、一人で毎月100ページ以上描いている漫画家ぐらい。
 出版不況の現在では、1万人のうち4パーセント、400人程度がサラリーマン並、またはそれ以上の生活をしているそうだ。
 残りの9600人は、とりあえずバイトもせず漫画家と名乗り、1日中机に向かい漫画を描いているが、その暮らし「極貧」なり。
 まさに、頑張って頑張って人並みの貧乏』

 という漫画家業界の実態を本の冒頭に書いているが、実際はまさしくそんなとおり。

 ちなみに、コモエスタ神楽坂氏は『1959年、愛知県生まれ。ギャグ漫画家になるために上京し、22歳で少年誌デビュー。その後、青年誌で新連載を繰り返したのち、風俗体験取材漫画家に転身。業界28年目の大ベテランで、実に1,000人以上の風俗嬢を取材している。現在も『まんがシャワー』(一水社)で連載を持ち、風俗誌やスポーツ紙だけでなく、電子書籍、ウェブサイトなどのニューメディアでも活躍中。過去に別のペンネームで3冊の書籍を執筆している。 https://twitter.com/shimennsoka』 って言うんだから、まあ上から400人じゃないにしても、残りの9600人の中ではかなり上の方に位置していることだけは確か。

『第六章 漫画家の先輩Y氏』に書かれた「漫画ものしり博士Y氏」の話。

『すでにY氏は、アシスタントを本業としていて、この先も絶対に独立する意思はないと断言していた。
 オレがどうしても「漫画家」にこだわり続けていたのに対し、Y氏にとって「漫画家」は他人事、漫画はあくまでも職業。
「たまたま、アシスタントに就職したけど漫画家になる気はないね」
 オリジナル作品は、一度も描いたことがないそうだ。
「漫画なんて儲からないよ、漫画家なんてやめろ、やめと」
 これがY氏の口癖。
 18歳で超有名漫画家のアシスタントになり、オレと出会ったころには、すでに漫画業界10年以上の大ベテラン。漫画業界の裏話にものすごく精通していた。
 毎週のように大手出版社の編集者たちが、Y氏の勤める先生の仕事場にやってきては、徹夜続きの先生やアシスタントが寝ないように、漫画家たちが興味を持ちそうな門外不出のここだけの話、出版業界の裏話を喋りまくったそうだ』

 で、このY氏、アシスタントで月給40万の高給取り、ボーナスありで社会保障もしっかりしているそうだ。確かに、そんなサラリーマン並に収入があって、身分も保たれているのなら『漫画家になる気はないね』となるのも分からないではない。う~ん、確かにそれはそれで(その時には)いい判断だろう。しかし、そのY氏もコモエスタ神楽坂氏と出会った時が35歳、コモエスタ神楽坂氏が27歳。現在、コモエスタ神楽坂氏は55歳なら、Y氏は63歳。果たして、63歳になってサラリーマン並に昇給しているだろうか、業界に漫画家アシスタントとして名前は売れているだろうか。いやいや、まだアシスタントをやっていたとしても月給40万円は変わらないだろうし、多分、既にアシスタントはクビになっているだろう。じゃあ、独立して漫画家になっているということは、ご自分の過去の言動から言っても無理だろう。

 そんなアシスタント氏がその後まで漫画業界で生きていくことなんてあり得ない。オリジナル作品を一度も発表したことないアシスタント氏が、独立した漫画家として認められることはないだろうし、既に漫画家ですらないのだ。

 結局、こんな先のことを考えない極楽とんぼみたいなアシスタント氏がいるおかげで、売れっ子漫画家さんは生活できるし、アシスタント氏に自分が追い落とされることはないという安心感で仕事ができるっていうわけなんですね。

 まさしく、『頑張って頑張って人並みの貧乏』でいても、自分のペンネーム「コモエスタ神楽坂」で勝負しているコモエスタ神楽坂氏の方が、キチンと漫画業界で名前を残すことができるだろうな。

 まあ、「名前を残す」ということが「生活が豊かになる」という言葉とは同義語ではないけれどもね。

 そこが残念!

『こんな漫画家になりたくなかった』のは事実だろうが、「こんな漫画家」にしかなれなかったのも事実。一方、「こんな漫画家にはなりたくなかった」ということすら言えずに、道半ばで漫画家への道を諦めて行く人の多さを考えれば、まだまだ「漫画家でいる」ことが実現したというだけでもめっけもんかもしれない。

 まあ、なかなか、人生って捨てたもんでもないっていうことですかね。

『こんな漫画家になりたくなかった 風俗体験取材28年間の苦悩』(コモエスタ神楽坂著/コア新書/2015年4月17日刊)

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