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2015年4月12日 (日)

『限界集落』は明るく楽しく

「限界集落は明るく楽しく」なんて書いちゃうと、「限界集落の現実も知らないくせに、勝手なことを言うな」とか「他人のことだと思って」なんて怒られてしまい、「それでも明るくて楽しくていいじゃん」なんて言うと、更に炎上しそうになるかもしれない。

 しかし、限界集落だってお年寄りだけの生活だって、結局、毎日の生活があるのだ。そんな毎日の生活を深刻な顔をして過ごしていてもツラいだけだし、明日のことを考えたりしていたら、かえって暗くなってしまう。

 なので、ここでは堂々と「限界集落は結構明るい、楽しい」と言ってしまいます。

Photo 『限界集落―Marginal Village』(梶井昭陰著/有限会社フォイル/2008年2月8日刊)

 本書で写真取材され、紹介されている「限界集落」は以下の通り。

1 新潟県・佐渡ヶ島(1)
2 山梨県・芦川
3 新潟県・鹿瀬
4 熊本県・球磨村
5 長野県・栄村
6 北海道・初山別村
7 山形県・西川村
8 新潟県・佐渡ヶ島(2)
9 徳島県・一宇
10 東京都・檜原村
11 和歌山県・高野町
12 石川県・門前町
13 京都府・五泉町

 著者の写真家、梶井昭陰氏は高野山大学密教学部を卒業した現職の僧侶である。佐渡ヶ島の海府というところで僧侶をやりながら、同時に、ベトナム、カンボジア、タイ、パプアニューギニア、イギリス、中国など、世界各地を訪ねて写真取材を行っているという。

『海府は佐渡の北部沿岸の地域を指していう。約40キロにわたる海岸線上には集落が張りつくように点在する。建物が集まっている様は、まるで身を寄せあって冬の寒さをしのいでいるようだ。
 鷲崎はそんな海府の一集落だ。佐渡最北端の段丘状の地形に260人(高齢者は39%)が暮らし、稲作や寒ブリ漁などで生計を立てている』

 という佐渡ヶ島の鷲崎は最初に登場し、そして真ん中あたりで再び登場する。

「限界集落とは、過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同生活が困難になっている集落を指す」(Wikipediaより)

 という「限界集落」の概念からすると鷲崎はまだまだ限界集落というところまではいっていないようではあるが、梶井氏の眼からすると、やがて限界集落化する何年か先が見えているのだろう。確かに、本書で取り上げられている12の町や村は既に限界集落化しているか、近々限界集落化しそうな町や村ではあるが、しかし、限界集落化は何もこんな地方の過疎地だけの問題ではないのだ。

 例えば、東京圏の地域でも核家族が数多く入居してきた地域などで、子どもたちが独立し、その子供たちが結婚しそれぞれで核家族化した後に、親世代だけが取り残されている地域が結構あるのである。都市部のベッドタウンなんかに行ってみると、老人ばっかりが見られる団地なんかが結構あったりする。

 何を言おう、私が今住んでいるマンションだってそんな限界集落化する危険があったのである。今は建て替えが済んで新しい住人が入ってきているが、その建替え前の旧マンションでは、私より若い住人はただ一世帯だけで、その人が入ってくる前は私(現在63歳)が何と一番若い住人だったのである。当然、子どもたちの声なんてマンションの中からは聞こえてこない。幸い、昨年に建替えなって、旧マンションの倍の世帯数になった新マンションに新たに入居してきた人たちは大半が三十代や四十代。となると小さな子どもたちの姿が急に増えて、それは楽しい気分になる。

 じゃあ、それまでの旧マンションでは皆暗い顔をして生活していたのかと言えば、全然そんなことはなく、ごく普通に明るく楽しく生活していたのである。 

 東京都檜原村のエピソード。

『小泉英子さん(83歳)は檜原村の藤倉という集落に住んでいる方である。集落は村中心部からさらに深山に入った場所にあり、ここに住む113人のうち、半数の方が65歳以上のお年寄りだ。集落の中心には、昭和61年に廃校になった藤倉小学校があり、その隣には大きな天狗のお面がかけられた春日神社がある。
「春日神社では毎年4月にお祭りをしていましてね。9月の初旬には獅子舞もあるんですよ」』

『「最近は集落に若者がいなくてね。獅子舞を舞うのも大変なんです」
 英子さんはかぶっていたてぬぐいを取り、神社の方を眺めながらいった』

『お寺をあとにし、再び藤倉集落へ戻ると春日神社の前にはすでに八百屋のおじさんがきていた。八百屋さんの乗ってきたトラックには、パンや牛乳、卵、野菜、果物などさまざまな食料品が積まれ、英子さんともうひとりのおばあさんがどれを買おうか悩んでいる。もうひとりのおばあさんは小さなトラクターに食料を積み込み、自動車が入れないほどの細い道を通って、山上にある自宅まで1時間ほどかけて運ぶのだという』

 という2ページ前に見開きでそんな八百屋さんのトラックと買い物をする二人のおばあさんの姿と、「もうひとりのおばあさん」の小さなトラクターが写っている。たまにテレビのルポなんかで目にする山村の光景だ。

 梶井氏はあとがきに書く。

『集落で生まれ育った人たちのなかには田舎にずっと暮らしていたいと思う人たちも多い。また、都会から農村へやってきたいと思う人たちもいる。その人たちが安心して暮らしていけない状況というのは、日本の貧しさなのではないかと思う。
 今後10年以内に423の集落が消滅する可能性があるという』

 とは言うものの、それを止めようもないというのが現実で、限界集落再生の試みなども全国各地で行われているようだが、なかなかうまくいっている事例も少ないようだ。

 だったら、せめて今そこで生きている人たちは、暗くならずに、明るく、楽しく生活していくしかないのである。

『限界集落―Marginal Village』(梶井昭陰著/有限会社フォイル/2008年2月8日刊)

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