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2015年4月24日 (金)

『大人のひきこもり』ってそういうことだったんだ

 しかし、「大人のひきこもり」ってそんなに大問題だとは思っていなかったなあ。

 高校生や大学生の段階で引きこもるっていうのはあるだろうし、事実、私の周辺にもあった話だ。しかし、大人になってしまってからは引きこもってはいられない筈で、何らかの形で社会性をもって生きていかなければならない。そんな立場になっていても、更に引きこもっているというのは、本人の問題だろうと考えていたのだが、そうでもないらしい。

 あるいは、社会の方が優しすぎるのか?

Photo 『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち』(池上正樹著/講談社現代新書/2014年12月1日刊)

 取り敢えず私にはよく分からない、この「ひきこもり」について、読書ノートから。

『地域の民生委員が把握している「ひきこもり」該当者のうち、半数近くの約四五%は四〇歳以上の中高年だった──そんな衝撃的な実態を浮き彫りにするデータが二〇一三年九月二四日、山形県の公表した「困難を有する若者に関するアンケート調査報告書」によって明らかになった』

『内閣府が二〇一〇年に行った実態調査による「ひきこもり」七〇万人、潜在群一五五万人に上るというデータを番組で見て、〈こんなにいるのか!〉〈政令指定都市の人口より多いのか!〉と驚く人も多く、まだ現実が十分に理解されていないこともわかった』

『ただし、この内閣府のデータには不備があった。先に紹介した山形県や島根県、東京都町田市の調査とは異なり、三九歳までの調査結果しかない。実際にはひきこもりの多くを占めている四〇歳以上の実数については、水面下に埋もれたままなのだ』

『自己責任論が声高に叫ばれる昨今、他者に迷惑をかけてはいけないという規範性の中で、気のやさしい人たちがいつのまにか社会の隅に追いやられている。それゆえに、〈世間こそが鬼です〉というツイートには胸が痛くなる。〈家にいるのは結果でしかない。ある程度は他者の手が必要。根性論を捨てれば多くの人を「救済」できる〉というツイートも見られた。このような価値観が、これからの社会には求められているのである』

『一方で、一旦社会を離脱するとなかなかリスタートラインに立てない壁が、今の日本には厳然と立ちはだかっている』

『ひきこもりになるのはおよそ七割が男性のため、筆者のもとに届くメールも男性からのものが多い。世間の一般的な認識としても、ひきこもるのは男性、というイメージが強いのではないだろうか。しかし時々、私のもとにはひきこもる女性たちからのメールが寄せられている。データ的な根拠はないとはいえ、女性の中でもとりわけ主婦の割合がかなり多く感じられる』

『〈私もうつ病で、ひきこもっています。主婦です。長男が、やはりひきこもりです。高校に行けず、3月に中退予定です。中卒で、病気で、この先どうなってしまうのだろうという不安でいっぱいです〉
 そう明かすHさんは一五年ほど前、職場でのパワハラが原因でうつを発病し、ずっとひきこもっているという』

『そんなHさんは、いまの若い世代に対して、進学校から一流大学、一流企業へと進めるくらい勉強ができれば、人生は安泰だと感じられた自分たち四〇歳代の価値観を押し付けてはいけないと考えている。たとえその〝コース〟から外れようとも、いまの時代、就職できるだけでも立派なものだと評価する』

『世の中の状況は、まだバブルの余韻が残っていた一九九〇年代を境に、ガラリと変わってしまった。いや、実は本質は何も変わったわけではなく、解決を先延ばしにされて地域の中に埋もれてきた〝この国の課題〟が露見してきただけなのかもしれない』

『女性がひきこもり状態に追い込まれていく背景には、職場内でのセクハラやストーカーなどの行為が放置される雇用環境の劣化も一因にある』

『さまざまな事情で一旦レールから外れた人たちの多くは、その後、仕事に就くことができずに、本人の意思に反して、ひきこもらざるを得ないような日々を送っている』

『この国で「ひきこもり」の高年齢化・潜在化が進む背景は、想像以上に根が深い。このままでは、老後の蓄えがなく頼りの年金さえ受け取ることができず、いずれ「老後破産」せざるをえない人が激増しかねない。だからこそ「大人のひきこもり」はいまの日本に潜む大問題と捉えることができるわけだ』

 う~ん、しかし「30代、40代、50代でひきこもっている」ということは多分親がかりの立場なわけだから、その親の年齢から考えれば、年金収入くらいしか収入の道はないのだろう。ということは、その親が亡くなってしまうと、とたんに生活ができなくなってしまうわけで、それはそれ深刻な問題になる。

 その人たちが生活保護を求めて動けばまだ何らかの改善に至る方法も残されているんだろうけれども、そんな知恵や、そんな行動が起こせるのであれば、逆に言ってしまえば「ひきこもる」こともないわけで、結局『東京都足立区。111歳とされる男性が白骨化した遺体で見つかった家庭では、雨戸を閉め切った二階建て住宅に四人の中高年が生活。男性が生存しているように装い、九〇〇万円以上の遺族共済年金を受給していたとして、八一歳の長女と五三歳の孫が詐欺容疑で逮捕されるという事件が起きた』ということになってしまうんだろう。

『こうした「消えた高齢者」問題とひきこもりが共通しているのは、誰に相談すればいいのかわからず、黙っていれば誰も助けてくれない中で個々が地域から孤立していく「無縁化」の実態である』

 まあ、「無縁化」しても自分で生きていけるだけの知恵や行動ができればいいのだろうけれども、それができないからこそ「引きこもって」しまうんだろう。

 解決策は私には分からない。しかし、重大な問題だということだけが理解できる。

 はてさて、どうしたもんだろう。

『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち』(池上正樹著/講談社現代新書/2014年12月1日刊)

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