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« 神田駅のY字路 | トップページ | 『ネオアベノミクスの論点』つづき »

2015年2月25日 (水)

『ネオアベノミクスの論点』

 なんか、久しぶりの本についてのブログだなあ。

 で、基本的に私は安倍晋三首相の、これまでの「アベノミクス=安倍経済体制」については前向きに評価しています。まあ、株価は上がっているしね。つまり、黒田日銀総裁の金融緩和政策は当たっていたということではね。

 ただ、問題はその後の(まあ、これから先のことなのでよくわからないが)「格差是正」に関しては、まだまだ(まったく)見えないというのが心配で、その前にアベノミクスがうまくいったんだから、「アベノポリティクス=保守主義、極右体制」が動いてしまうのが心配の種なんだ。安倍晋三氏はこれからは「政治の季節」だって、そちらの方に舵を切るそうな雰囲気なんだけれども、まだまだ、経済の方でやらなきゃいけないことは、いっぱいあるのだ。

 安倍晋三氏としては「トリクルダウン」だから、富裕層の年収を上げればそのまま何をしなくても貧困層にまでその好景気のおこぼれが来るというという発想なんだろうけれども、それは簡単にはそうならないんだよなあ。

Photo 『ネオアベノミクスの論点 レジームチェンジの貫徹で日本経済は復活する』(若田部昌澄著/PHP新書/2015年2月27日刊)

 そもそも「アベノミクス」って何だ。

『そもそも安倍首相の復活は奇跡的な僥倖によるものであり、復活には麻生太郎、甘利明ら自民党実力者の力が大きく働いていました。ここから、三人の実力者(どれも英語ではAで始まります)のお気に入りの経済政策アイデアを束ねるという連携が生じたのです。
 整理すると、
・第一の矢:大胆な金融緩和――安倍首相
・第二の矢:機動的な財政政策――麻生大臣
・第三の矢:民間投資を呼び起こす成長戦略――甘利大臣
 と、それぞれの矢と個人が目指す政策が結びついたのがアベノミクスだったと言えます。政治の産物としては、アベノミクスは関係者それぞれ満足させる「三方一両得」を果たしており、非常によくできた組み合わせです』

 要は、「結果オーライ」ってこと(?)。

 ところが、現実は

『再分配については、これまでのアベノミクスにおいては大いに懸念があります。2014年7月から施行された改正生活保護法では、生活保護申請については書類の追加提出を求め、ほかにも扶養家族調査を拡充するなど、生活保護を受けにくくさせる方向が明らかです。不正受給が問題なのは言うまでもありませんが、それは全体の増加額にとっては3%程度にすぎないことです。生活保護受給者数がここまで増えたのは、何といっても不況の影響です。つまり、誰もがそういう状況に陥りやすくなっているということでもあるのです』

 という具合に、所得の再分配に関してはアベノミクスはむしろ逆行しているのだ。

『かつての日本の保守は、非常に介入的で裁量的であるとともに、一種のパターナリズムを持っていました。新規参入には冷たい一方、メンバー内に困窮者がいれば面倒を見るという思想があったのですが、現在の保守はむしろ弱者に冷淡で、たとえば生活保護については額、適用範囲ともに縮小を主張する傾向があります』

『日本の再分配は、都市か地方か、若者か高齢者か、大企業か中小企業か、農業など特定産業に所属しているかどうかで、受けられる所得が変わる制度設計になっています。それがかえって、世代間格差や地域格差、産業間格差を助長しています。これは、所属する集団ごとの格差を前提とする、きわめてクローズドな制度であると言わざるをえません』

 ということなので、若田部氏はアベノミクスを評価しつつも、更に深化させ、日本経済を完全に復活させる「ネオアベノミクス」として「三つのR」の遂行と、「オープンレジーム」への転換を発想する。

『三つのRとは、
①リフレーション(Reflation)
②リフォーム(Reform)
③リディストリビューション(Redeistribution)
です。これらは経済政策が目指すべき景気安定化、経済成長、所得再分配の三つの目標のそれぞれ対応しています。最後のRは所得再分配(redistribution)のRだけでなく、リハビリのRもあり、さらに大きな意味での日本の再建、リコンストラクションのRでもあります。
 そして「オープンレジーム」とは、これまでの日本の政治経済が「クローズドレジーム」で運営されていたことの反省に立ち、より開かれた環境を作ることを指した言葉です。具体的には、

・裁量や計画よりもルールや枠組みを重視する
・特定企業・特定産業の利益よりも市場を重視する
・新規参入者に障壁を設けるのではなく、歓迎する
・産業政策重視を排し競争政策へと舵を切る
・特定産業への補助金よりも広範な減税を行う
・裁量による再分配を排しルールに基づいた再分配を行う
・経済学に基づいた政策を行う

 といったことが挙げられます』

 つまり「アベノミクス」ということで言えば、まだまだ道半ばであり、それが本当に目指した目標であるのであれば、「アベノミクス」は今のところ未完成だということ。

 それを、今この段階で「アベノミクスは成功」として、安倍晋三氏の最終目標である、「アベノポリティクス」=「憲法改正」の方に行ってしまいそうなので、その前にキチンとアベノミクスを「完成」させてほしい、ということで、明日もまた本書について語りたいと思います。

 要は、それこそが「ネオアベノミクス」ということでね。

 問題は、安倍晋三氏がそこまで日本経済の再生とか、日本経済の再興とかを考えているのかどうか、ということなんだけれども。

 なんか、あまりそんなことは考えていないようで、集団的自衛権とか、自衛隊の海外派遣とか、防衛省による文民統制廃止とか、要は「美しい日本」ばっかり考えているんじゃないか、という方ばっかりが気にかかる。

 勿論、そういったことを考えることは自由なんだけれども、その前に「経済」でしょ。

 ということで、明日も同書について考えます。

『ネオアベノミクスの論点 レジームチェンジの貫徹で日本経済は復活する』(若田部昌澄著/PHP新書/2015年2月27日刊)PHP研究所は電子化にあまり熱心じゃないなあ。

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