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2015年2月11日 (水)

『男の作法』池波正太郎のカッコよさについて

 池波正太郎氏ってなんてカッコいいんだろう。話すことはちょっと古いんだけれども、その古さがカッコいい。

Photo 『男の作法』(池波正太郎著/新潮文庫/2012年4月1日刊)

 取り敢えず、目次から紹介。各章の章題が秀逸だし、関連項目が連想ゲームみたい。章題から何となく近い話から、だんだんと離れていくというスタイルが面白いし、各項目はキチンとみんな繋がっているんですね。

 まあ、まさに「語りおろし」スタイルの妙ですな。

『鮨屋へ行ったときはシャリだなんて言わないで普通に「ゴハン」と言えばいいんすよ。

 勘定/トロ/顔/人事/目/組織/勝負/休日/旅行/おみやげ/新婚旅行/結婚/靴』

『そばを食べるときに、食べにくかったら、まず真ん中から取っていけばいい。そうすればうまくどんどん取れるんだよ。

 うどん/ズボン/ネクタイ/スーツ/和服/羽織/帯/眼鏡/本/メモ/日記/浮気/慰謝料』

『てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ。

 贈り物/万年筆/年賀状/麻雀/カレンダー/クセ/約束/理想/赤ん坊/留守番/姑/週刊誌』

『たまにはうんといい肉でぜいたくなことをやってみないと、本当のすきやきのおいしさとか、肉のうま味というのが味わえない。

 食卓/母親/小遣い/チップ/退職金/電話/列車/心遣い』

『おこうぐらいで酒飲んでね、焼き上がりをゆっくりと待つのがうまいわけですよ、うなぎが。

 つま楊枝/店構え/引き戸/日本間/マンション/一戸建て/家具/風呂/香奠』

『コップに三分の一くらい注いで、飲んじゃ入れ、飲んじゃ入れして飲むのが、ビールの本当にうまい飲み方なんですよ。

 酒/バー/バーテン/本屋/病気/体操/鍼/寿命/運命/死/生/占い/楽しみ/月給袋/女/運』

 まさに池波流ダンディズムの発露とでも言うのでしょうか、基本的には食べ物の話から始まって、どんどん話は脱線していって、最後はまったく食べ物からは関係なくなってしまうという、これまたダンディな話の連続。

 では、いくつかそのダンディなお話しをば……って、食べ物の話ばかりだけれどもね。

『(よく鮨屋で、飯のことをシャリと言ったり、生姜のことをガリと言ったりする客がいますが、やっぱりああいうほうが「通」なんでしょうか……)
 いや、客がそういうことばを使って通ぶるのを喜ぶような鮨屋だったら駄目だね。ちゃんとした鮨屋だったら、客がそんなことを言ったらかえって軽蔑されちゃう。
 だからね、鮨屋へ行ったときはシャリだなんて言わないで普通に「ゴハン」と言えばいいんですよ』

『「盛りそばで酒を飲むのはいい……」
 というようなことを通ぶった人がよく言うでしょう。だけど実際に、通じゃなくてもいいものなんだよ。だから、そばで酒を飲んでもちっともキザじゃないんだよ。ぼくも好きですよ』

『やたらに東京のうどんをこきおろす大阪の人は、本当の大阪の人じゃないんだよね。たいていお父さんが播州赤穂だとか備前岡山なんだよ。そういうところから大阪に来て、自分は浪花っ子になったつもりでやるんだよ』

『池田大作がしきりに対談や座談会なんかで、
「私は江戸っ子ですから……」
 と、言うだろう。本当から言えば大森海岸の江戸っ子なんてありゃしない』

『鮨の場合はそれほどでもないけど、てんぷらの場合はそれこそ、
「揚げるそばから食べる……」
 のでなかったら、てんぷら屋なんかに行かないほうがいい。そうでないと職人が困っちゃうんだよ。
 だから、てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べていかなきゃ、てんぷら屋のおやじは喜ばないんだよ』

『ついでに酒の飲みかたを言っておくけどね、これはぼくは若いときから教えられたからね。先輩にも、ほかの店の株屋のいろんな可愛がってくれた旦那とか、そういう人に。それから吉原のお女郎なんかに教わった』

『銀座のバーでもカクテルが出来ないバーテンがいますからね。
 ぼくはたいていマティーニ、あるいはマンハッタン、そんなところだね。夏ならギムレットもいい。晩飯を食べる前に、ちょっとマティーニを二杯……昔はみんなそうでしたよね、ぼくらの頃は』

『昔なじみの古いバーテンが自分で店を出した。女の子がいないから安い。そこのカウンターの止まり木でカクテル二杯も飲んで、飯でも食べて、サッと帰ってくる。こういうのが一番いいんじゃないの、男らしくって』

『バーの醍醐味というのは、ホステスと仲よくなるより、バーテンと仲よくなることが一番いいわけなんだ。それでなかったらバーに行く面白味はない。自分の好きなバーテンを見つけたら、バーテンと仲よくなるのが一番です。クラブでもいいバーテンがいて、そこにカウンターがあれば、そこに坐ってやったほうがいい。話の一つや二つして、ときどき気にかけて面倒を見てやってね』

 う~ん、カッコいいなあ。でも、そんな飲み方が出来ないんだなあ。結局、長々とバーでい過ごしてしまったるんだよなあ。

 ただし、この最後の言葉だけは、最近の私も考えています。

『人間の一生は、半分は運命的に決まっているかもしれない。だけど、残りの半分はやっぱりその人自身の問題です。みがくべきときに、男をみがくか、みがかないか……結局はそれが一番肝心ということですよ』

『「自分が死ぬということを、若いうちから考えないといけない……」』

『わかっていることは、自分が死ぬことだけ。そこまでの何十年間というのを生きるわけだ。そしたら、どういうふうに生きたらいいかということを、当然、考えることになるわね』

 まあ、人間、死期が近づくとそんなことも考えるようになります。ただし、それを「若いうちから考えないと」というのは多分ないだろう。私もそれを意識し始めたのは50歳になったときでした。

 そんなもんでしょう。

 で、またまた『剣客商売』を大人買いして読みたくなってしまったのであります。私は池波正太郎氏のシリーズものでは『剣客商売』が一番面白いと思っているんだがなあ。浅草今戸の「慶養寺」(私の菩提寺)が出てくるということばかりじゃなくて、なんか、人間関係がいいんですね。

『男の作法』(池波正太郎著/新潮文庫/2012年4月1日刊)

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