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2015年1月22日 (木)

『沈みゆく大国アメリカ』の前に沈みゆく国があるんだなあ

アメリカはいつまで超大国でいられるか』とか、『「アメリカの時代」の終焉に生まれ変わる日本』とか、「嫌韓本」「嫌中本」の後は「アメリカ終わった本」のブームがくるんだろうか。

 でも、その前に「日本終わった」という状況になってしまいそうですがね……、って、いけねぇ、それは明日のブログネタでした。

Photo 『沈みゆく大国アメリカ、』(堤未果著/集英社新書/2014年11月19日刊)

『全国民の医療アクセスという、これまでのアメリカにとって夢のようなスローガンと共に成立した医療保険制度改革法<オバマケア>』

 ではあったように見えたものが、実は、保険会社や製薬会社によって骨抜きにされて、却って医療費を理由に自己破産をする人が増えて、自発的無保険者の数も増えて、中小企業では従業員49人以下にしてなおかつフルタイムではなく週29時間以下のパートタイム労働者ばかりになってしまい、アメリカ特有の産別労働組合を潰してしまったという。

『皆保険を旗印にした医療保険改革<オバマケア>。この法律がもたらすものが、80年代以降全政権が進めてきた、労働者の非正規化を後押ししているのは、果たして偶然だろうか?』

 というのだが、それはそうだ。

 日本の国民皆保険制度は、基本的に国がやっている国民保険か企業連合がやっている健康保険組合による保険だ。こうした保険制度自体にメスを入れないで、現状の保険会社が運営している医療保険の上に乗っかっただけで国民皆保険を実施したって、結局それは保険会社を解体しない限りは、やろうとしている目標は絶対に実現しないだろう。当然、保険会社側は如何にして自分の企業を守り、収益の絶対化を図ろうとするものなのである。まあ、それが企業としての当然の姿だ。

 更に、薬価基準という制度がないというのもアメリカの問題だろう。当然、新薬を開発した製薬会社はその薬の特許を取っているだろうから、その特許期間中は価格の決定権は製薬会社にある訳で、いくらでもその製薬会社の自由に薬品の値段を決められる。なので、オバマケアによる保険制度ではそうした高価格薬はフォローされないのだな。

 更に問題なのは……。

『アメリカ国民のほとんどは、複雑に入り組んだ医療保険システムを理解していない。保険会社というビジネスが支配していることも、それが自分たちや医師や病院、社会にとってどんな意味を持つのかも』

『カーネギーメロン大学経済学部のジョージ・ローウェンスタイン教授が、24歳から64歳までのアメリカ国民を対象に行った調査によると、民間保険の四大項目(月々の保険料、保険金がおりる前の自己負担額、治療費の一部負担、それに自己負担総額)について理解している人は、わずか14パーセントだったという』

 というアメリカ人のこうした医療に関する無知だろう。これが一番の問題なんだけれどもね。要はアメリカ人の自分の国の政策に関する余りにも無知な姿勢って何なんだろう。

 大統領を選ぶ選挙では、あんなに熱狂するアメリカ人の姿に、首相を選べない日本人としては、多少の嫉妬を覚えるのだが。

 だから、オバマケアに対する<期待と期待外れ>に関する振れ幅が大きくなってしまうのだろう。

『2002年には、脊髄学会に所属する医師の八割が開業医でした。今は七割が自分の診療所を閉鎖して病院の勤務医です。病院がコントロールできるのはコストだけではありません。治療の中身もです。共和党はオバマケアが国による医療の乗っ取りだといって反対していますがあれは間違いですね。現場まらもると明らかですよ。乗っ取っているのは以前と同じ、ウォール街とヘルスケア業界です』

 という位、別に民主党とか共和党とか言う前に、ウォール街に乗っ取られたアメリカがあるだけなのだ。

『石油、農業、食、教育、金融、過去半世紀の間に、国家解体ゲームの舞台になったすべての業界から送りこまれたたくさんの人々が、このドアをくぐりホワイトハウス内部に入っていった。彼らは自分たちの企業がビジネスをしやすい環境を整備する法律や規制緩和を行政府に実行させると、再び同じドアをくぐり、巨額の報酬と幹部の椅子が用意された元の業界へと戻ってゆく』

 という位、アメリカでは業界と政府が癒着しているっていうこと。

 これって、まさしくレーニンが『帝国主義論』で言っていた「国家独占資本主義」そのものなのである。

『帝国主義に発展した資本主義の基礎は独占であり、この段階では生産の社会化は極限まで達しており、資本主義は実体的な富の生産による搾取という本来的な経済のあり方を失い、金融詐術や独占の利得によって利潤をあげる、寄生し腐敗した資本主義になり、次の社会主義にとって代わらざるをえない』(Wikipedia)

 とは言うものの、じゃあ現在の国家独占資本主義の後に来る社会経済体制が社会主義なのかどうかは分からない。なんか、もっと別の資本主義のような気がする。あまり独占の方向に行かないような……。

 まあ、アメリカの資本主義体制はまだ続くでしょう。

 問題は国債発行高なのであります。

 昨年春のアメリカのデフォルト騒動の時もそうだったが、アメリカがデフォルトに陥ってしまっては、それは資本主義の終焉を意味するわけで、資本主義というかいまやグローバル資本主義の旗頭であるアメリカがデフォルトに陥ってはいけないというブレーキがかかって、それを押しとどめたわけだが、下手をすれば、全世界がすべて不況になってしまう、という状況一歩手前だった。

 まあ、全世界ってことはなくて、要は西世界から東世界に覇権が移るだけで、要はロシアや中国が世界を支配するってことなんだろうけれども。

 本当に、「アメリカが終わる」のが先なのか「日本が終わる」方がもっと先なのか……、それは明日のブログで書くつもり。

 な~んて言って、全然違う話だったりして。

『沈みゆく大国アメリカ』(堤未果著/集英社新書/2014年11月19日刊)もう電子化されてもいい時期なんだけれども、Kindle版は出ていないようだ。

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